定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成23年9月15日(木)

午前10時00分 午前11時15分


第2 出席者 長谷川、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官、国家公安委員会会務官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「9月26日付けを始めとする地方警務官6名の人事
案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決
定した。

(2)国家公安委員会委員長に対する行政文書開示請求に関する決定につ
いて

国家公安委員会会務官から、国家公安委員会委員長に対して8月1
8日になされた行政文書の開示請求に関する開示決定について説明が
あり、原案どおり決定した。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「警視庁刑事部捜査第一課長に係る地方公務員法
違反等事案等の監督責任について、懲戒審査会の結果を答申する」旨
の説明があり、これを受け、国家公安委員会において、同課長を戒告
処分とすることを決定した。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(3)で説明のあった警視庁警部による地方公
務員法違反等事案等の監督責任として、「警視庁は、国家公安委員会
の了承が得られれば、9月16日、地方警務官の警視庁刑事部長を警
視総監訓戒の措置とする予定である」旨の説明があり、原案どおり了
承した。

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)犯罪インフラ対策の推進状況等について(対策プラン策定後半年を
経過して)

刑事局長から、犯罪インフラ対策プラン策定後、半年を経過した犯
罪インフラ対策の推進状況等について報告があった。

山本委員より、「大変良い方向へ進んでいると思う。刑事犯として
問題となる事案に関する情報は、一つの省庁だけで全て完結すること
はまれで、様々な省庁の情報を総合して初めて分かってくるものがい
ろいろあると思われる。そのような発想で、できるだけ対策を講じて
もらいたいし、関係省庁にも同様の意識を是非持ってもらいたい」旨
の発言があった。

(3)FATF対日審査フォローアップへの対応について

刑事局長から、FATF対日審査フォローアップへの対応について
報告があった。

田尾委員より、「FATFの審査において、全体としてはいろいろ
指摘されていると思う。警察庁が所管するものについてはクリアでき
るようになったということで、非常に進展したと言えるが、他の指摘
事項については、部分的な履行しか行われていないとか、履行されて
いないというようなものがあったということだが、これらについても
進展しているのか」旨の発言があり、刑事局長から、「指摘されたも
のの中には、共謀罪を含んだ国際組織犯罪取締条約の批准の問題や、
テロ資金の凍結の問題もあり、これらについては、まだ政府全体とし
て進んでいない」旨の説明があった。

田尾委員より、「そうすると、今回、警察庁で改善されたものがあ
っても、評価は下の方ということになるのか」旨の発言があり、刑事
局長から、「今回の審査において、ランク付けは行われず、改善され
たところについては評価され、そうではないところについては指摘さ
れるのではないかと思う」旨の説明があった。

田尾委員より、「警察としては、次のステップをどのように考えて
いるのか」旨の発言があり、刑事局長から、「警察としてできること
は、ほぼ措置したものと考えている。他方、例えば顧客管理に関して、
日本では受け入れ難い部分も指摘の中にはあり、『本人確認資料は写
真付きのものに限ることを法制化すべきである』という指摘は、証明
弱者に対する負担を考えれば、直ちに受け入れることはできない。今
回警察に対して指摘され、措置が可能なものについては、犯罪収益移
転防止法の改正及び下位法令の整備により対応したことになるものと
考えている」旨の説明があった。

田尾委員より、「いろいろ求められている措置を法律の中に取り込
むということが大事であり、そうしなければ審査は通らないという状
況であったということか」旨の発言があり、刑事局長から、「委員御
指摘のとおりである。顧客管理については、指摘されたことを全部受
け入れたわけではないので、その意味ではまだ残っているが、当方と
して妥当かどうかという判断を加えた上で対応したところである」旨
の説明があった。

田尾委員より、「審査の基準というか、文化の違いのようなところ
もあり、やはり日本としては若干困惑するところがあるということな
のだと思う」旨の発言があり、刑事局長から、「マネロン対策におい
て、『何が本当に日本として必要なのか』ということを念頭に、事業
者や国民の負担とのバランスに配慮して検討すべきものであると思う」
旨の説明があった。

(4)「平成23年秋の全国交通安全運動」の実施について

交通局長から、「平成23年秋の全国交通安全運動」の実施につい
て報告があった。

長谷川委員より、「先日、ある学会の市民講座に参加したが、大学
教授の講演で、『市販の風邪薬や花粉症の薬を服用すると、自分では
気づかないうちに脳の働きが鈍くなり、運転にも大きな支障を及ぼす。
薬によって鈍くなる度合いも様々なものがある』という話があった。
また、『薬の説明書にも「運転しないで下さい」という旨の表示はあ
るが、それを見ても運転を控える人はなかなかいない。このことが知
られていない』ということだった。警察でも調べてみて、必要があれ
ば啓発活動を行うべきではないか」旨の発言があり、交通局長から、
「市販薬については、説明書に『服用時、眠くなるおそれがあるので、
運転は控えるように』等の注意書きがある。一般的に花粉症の薬によ
って交通事故が引き起こされたという例は承知していない」旨の説明
があった。

長谷川委員より、「飲酒運転の場合は飲んだかどうか調べればわか
るが、薬の場合は服用しているかどうか測ることができないのではな
いか」旨の発言があり、交通局長から、「その場合は血液検査による
しかないと思うが、向精神薬の中には非常に分解が早いものもあり、
血液検査を行っても判然としないところもあると思う」旨の説明があ
った。

髙木委員より、「厚生労働省では、市販薬の箱に注意書きを示すよ
う指導しているかもしれないが、皆がきちんと読んで守っているとは
思えない」旨の発言があり、次長から、「効き目の強い薬であれば、
少し強く警告した方が良いものもあるかもしれない。まず、長谷川委
員の御指摘の中にあった大学教授から話をお聞きすることとしたい」
旨の説明があった。

長谷川委員より、「講演を聞いて、警察としても啓発を行った方が
良いのではと思ったところである」旨の発言があり、長官から、「よ
く調べて対応してまいりたい」旨の説明があった。

(5)野田内閣総理大臣の米国訪問(第66回国連総会出席等)に伴う警
護警備について

警備局長から、「野田内閣総理大臣は、9月20日から24日まで
の間、第66回国連総会出席等のため、米国・ニューヨークを訪問す
る予定であり、所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

(6)能登半島沖漂流船事案について

警備局長から、能登半島沖漂流船事案について報告があった。

(7)東日本大震災に伴う警察措置について

警備局長から、東日本大震災に伴う警察措置に関し、これまでの特
別派遣部隊の数、行方不明者の捜索活動等について報告があり、関連
発言として、刑事局長から、震災発生後6か月間における死者の死因
等及び身元確認状況等について、生活安全局長から、防犯、犯罪取締
り及び被災者支援状況等について、交通局長から、被災3県における
運転免許証の更新状況について、情報通信局長から、通信機能の維持
・復旧の状況について、官房長から、殉職警察官の公葬の実施等につ
いて、それぞれ報告があった。