定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年2月2日(木)

午前10時00分 午前11時10分


第2 出席者 松原委員長、長谷川、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「2月13日付けを始めとする地方警務官等92名
の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案
どおり決定した。

(2)「探偵業の業務の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する
内閣府令案」に対する意見の募集について

生活安全局長から、「探偵業の業務の適正化に関する法律施行規
則の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集について説明
があり、原案どおり決定した。

前田委員より、「パブリックコメントは必ずやらなければいけな
いものなのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「行政手続法
において実施することとされており、国民の権利、義務等に直接関
わらないものや政令で定めたものなどについては例外として行わな
いことができるが、基本的には、行政命令等を改正する場合には、
パブリックコメントを実施するということになっている。本件も、
消費者が見る証明書に記載される番号について、この度二つ書かれ
るということになり、実際、一部には届出の度に番号が変わるのは
紛らわしいなどと困惑を招いているなど、消費者に直接関わる場合
があるため、意見募集をすることとしている」旨の説明があった。

前田委員より、「反対する人はいないと思う。むしろ早く施行し
た方がよいと思うが、期間が一ヶ月というのは決まっているのか」
旨の発言があり、生活安全局長から、「行政手続法において、30
日以上と規定されており、今回は最短の期間ということである」旨
の説明があった。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答
を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、そ
の内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)平成23年第4四半期における地方警務官に係る贈与等報告書に
ついて

官房長から、「国家公務員倫理法の規定に基づき、地方警務官か
ら平成23年第4四半期における贈与等報告書が国家公安委員会に
対して提出され、これを国家公安委員会委員長が専決で受理し、こ
のうち、指定職以上の職員に係るものについては、その写しを国家
公務員倫理審査会へ送付することとしている」旨の報告があった。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「警視庁の巡査部長が、都内の路上で女子高校
生の下半身を触るなどしたとして、平成23年12月14日に強制
わいせつ罪で現行犯逮捕された事案等に関し、警視庁は、2月3日、
同巡査部長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司
を警視総監注意の措置とする予定である」旨及び「群馬県警察の巡
査部長が、捜査費を私的に流用した事案等に関し、同県警察は、2
月2日、同巡査部長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任とし
て、上司らを本部長注意等の措置とする予定であり、警察庁は、同
日、監督責任として、元上司で現在刑事局の警視を局長注意の措置
とする予定である」旨の報告があった。

(4)平成23年中における人身取引事犯について

生活安全局長から、平成23年中における人身取引事犯について、
「前年と比べ、検挙件数・人員は増加したものの、被害者数は減少
した。また、タイ人女性が売春を強要された事例が多くみられた」
旨の報告があった。

長谷川委員より、「アメリカ国務省のトラフィッキングレポート
において、日本の人身取引事犯に対する取組が、四段階のうち上か
ら二番目に評価されている理由は何なのか」旨の発言があり、生活
安全局長から、「アメリカ国務省が一定の基準を示して、それを十
分に満たしていないと指摘しているが、人身取引事犯に強姦等と同
等の刑を科しているかなど、アメリカが定めた基準であり、どうい
う措置をとると評価が変わるのかということまでは把握していない。
G8の中で上から二番目の評価を受けているのは、ロシアと日本だ
けということで、評価の理由について、いろいろな話は出ているが、
はっきりしていない」旨の説明があった。

田尾委員より、「アメリカの人身取引報告書は、具体的な根拠や
データを示しているわけでもなく、根拠に乏しいことを言っている
のではないかという印象を持っているが、元々、この人身取引の定
義がよく分からないところがある。国際犯罪組織対策防止条約の議
定書にいろいろ掲げられているが、具体的に日本の法律に照らして、
どれに当たるのかという点では、データの取り方で随分影響してく
るのではないか」旨の発言があり、生活安全局長から、「人身取引
の要件は、搾取の目的で、七つほど規定されている手段を用いて、
獲得、輸送、引渡し、蔵匿、収受するということであるが、どの罪
に当たる行為がストレートに該当するかはなかなか難しいところで
ある。ただ、『このような基準で判断するように』ということは各
県に指示しており、また、各県には、検挙事案について、人身取引
に該当するかどうか判断する責任者を置いており、警察庁に報告し
てもらうことになっていることから、それほど大きなずれはないと
思う。そもそも、該当する事案が多くなく、年間25件、事件数で
10事件というものであり、見落とすようなことは少ないと思う。
トラフィッキングレポートは、外務省が窓口となって対応している
が、アメリカで発表されたときには、日本は一生懸命努力している
こと、我が国の施策等についてアメリカの理解を得るよう努めると
いうようなコメントを出している」旨の説明があった。

田尾委員より、「人身取引報告書では、中国から来ている技能実
習生について、データとしてないとか、取締りをしていないといっ
た指摘がされていたと思うが、現実にはどうなのか」旨の発言があ
り、生活安全局長から、「人身取引事犯ではないが、実習と称して
低賃金労働者として働かせているような事案は確かにあり、検挙事
例はある」旨の説明があった。

(5)平成23年中における子どもや女性を守るための匿名通報事業の
運用状況について

生活安全局長から、平成23年中における子どもや女性を守るた
めの匿名通報事業の運用状況について、「前年と比べ、通報受理総
件数は減少したが、通報に基づく検挙は増加した」旨の報告があっ
た。

(6)オウム真理教関係警察庁指定特別手配被疑者に係る捜査特別報奨
金の引上げについて

刑事局長から、オウム真理教関係警察庁指定特別手配被疑者に係
る捜査特別報奨金の引上げについて報告があった。

(7)平成23年中における死体取扱状況について

刑事局長から、平成23年中における死体取扱状況について報告
があった。

田尾委員より、「検視官の臨場率が上がったというのは、かなり
積極的な犯罪死の見逃しをさせないという気持ちの表れだと思うが、
解剖率はそれほど上がっているわけではない。これは解剖する医師
の側にも理由があり、どんどん解剖をお願いしても、できないとい
う状況があるのか」旨の発言があり、刑事局長から、「間違いなく
大きいのは、解剖医の数が圧倒的に少ないということである。小規
模な県であれば、ほとんど大学の法医学教室で解剖してもらうわけ
であるが、普通の大学だと解剖医は一人しかいないので限界がある。
したがって、警察だけで解剖率を上げるということには限度があり、
現在、厚労省や文科省と連携しながら検討している法制度を何とか
作って、これをテコにして、また、基礎医学の分野の裾野を広げる
といった努力も一緒にやっていかなければならないと思う。ただ、
同じように一人しかいないところでも、年間に200体くらい解剖
していただいている人もあれば、30体くらいしかやってもらえな
い人もあり、解剖医によっても差がある。また、なかなか司法解剖
は難しいものでも、警視庁などは、遺族の承諾を得て行政解剖をや
ろうと強く働きかけている。東京、大阪、兵庫、神奈川には監察医
制度があるので、承諾なくとも解剖できるということになるが、東
京でも三多摩地区は監察医の対象にならないので、警察署の方で一
生懸命働きかけたところ、行政解剖の率は上がったことから、やは
り現場の努力も必要であると思う。そのようなことをいろんな形で
進めながら、解剖率を上げていかなければならないと思う」旨の説
明があった。

髙木委員より、「一部の県だったと思うが、解剖を行う医師が病
気のためできなくなったといった話があった。その辺りはもう今は
手当がされているのか」旨の発言があり、刑事局長から、「一時期、
空白になり、隣接県から来ていただいていたということがあったが、
現在はそのようなことはない。ただ、解剖医が一人しかいないとこ
ろは、いつもそのような心配がある」旨の説明があった。

(8)散弾銃積載の自動車盗事件の検挙について(千葉県警察)

刑事局長から、1月28日に発生した千葉県市川市における散弾
銃積載の自動車盗事件について、検挙状況等の報告があった。

(9)オウム真理教関係警察庁指定特別手配被疑者の再逮捕について
(警視庁)

警備局長から、1月31日に再逮捕したオウム真理教関係警察庁
指定特別手配被疑者平田信にかかる爆発物取締罰則違反・火炎びん
の使用等の処罰に関する法律違反事件について報告があった。

3 その他

(1)長官、刑事局長及び生活安全局長から、西海市(さいかいし)にお
ける女性2名被害の殺人事件等について報告があった。