定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年4月19日(木)

午前10時05分 午前11時30分


第2 出席者 松原委員長、長谷川、田尾、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長

首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「4月27日付けを始めとする地方警務官等4名の人
事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり
決定した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、長崎県西海市における女性2名被害の殺人事件に
関しての千葉県警察における検証結果報告書の作成に当たり検証が不
十分であった事案に関するこれまでの調査結果及び措置内容等につい
て説明があった。
 前田委員より、「一部の御遺族から、第三者による検証を求める意
見があるが、公安委員会は、第三者的立場から警察を管理している。
公安委員会は警察の身内ではなく、このようなときのためにある」旨
の発言があり、長官から、「公安委員会の第三者性について御理解い
ただくよう努力する。御遺族の方々には、引き続き、御説明を聞いて
いただけるよう誠意を持ってお願いしていく」旨の説明があった。
 前田委員より、「本件に関する通達案では、警察本部長は公安委員
会と意思疎通をするよう指示されているが、これまでも意思疎通はな
されており、この部分は「なお一層の」意思疎通するよう指示すべき
である」旨の発言があった。
 その後、監督責任として、千葉県警察本部長に対し、国家公安委員
会による訓戒を行うことを決定した。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、(2)で説明のあった千葉県警察における検証不
十分等事案に関し、「警察庁は、国家公安委員会の了承が得られれば、
4月23日、監督責任として、地方警務官の警察本部の部長2名を長
官訓戒の措置とする予定であり、千葉県警察は、同日、地方警務官の
警察本部の参事官を本部長訓戒の措置とする予定である」旨の説明が
あり、原案どおり了承した。
 首席監察官から、「大阪府警察の巡査が、路上において、女性に痴
漢行為をしたとして、3月30日に通常逮捕された事案等に関し、同
府警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、4月19日、監督責
任として、地方警務官の前警察署長を本部長注意の措置とする予定で
ある」旨の説明があり、原案どおり了承した。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)平成23年度における被疑者取調べ監督に関する実地点検及び指導
の実施状況について

官房長から、平成23年度における被疑者取調べ監督に関する実地
点検及び指導の実施状況について報告があった。

(3)平成23年度会計監査実施結果について

官房長から、平成23年度会計監査実施結果について報告があった。

(4)平成23年度中における犯罪被害給付制度の運用状況について

官房長から、平成23年度中、663人の犯罪被害者に係る犯罪被
害に関し、約20億6,500万円の犯罪被害者等給付金を支給する
裁定が行われたことなど、申請・裁定の状況等について報告があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(2)及び(3)で説明のあった千葉県警察に
おける検証不十分等事案及び千葉・長崎・三重県警察における同事件
に係る業務不適切等事案に関し、「千葉県警察、長崎県警察及び三重
県警察は、4月23日、関係職員らを減給処分等とする予定である」
旨の報告があった。
 首席監察官から、「茨城県警察の巡査部長が、酒酔い運転で人身事
故を起こした事案に関し、同県警察は、4月20日、同巡査部長を懲
戒免職処分とするとともに、監督責任として、当時の上司を本部長注
意の措置とする予定である」旨、「山梨県警察の警部補が、受令機脱
落防止紐を窃取したとして、4月2日に通常逮捕された事案等に関し、
同県警察は、4月20日、同警部補を懲戒免職処分とするとともに、
監督責任として、当時の上司を本部長訓戒の措置とする予定である」
旨及び1(3)で説明のあった大阪府警察の巡査による迷惑行為防止
条例違反事案に関し、「同府警察は、4月19日、同巡査を懲戒免職
処分とする予定である」旨の報告があった。

(6)鳥獣被害防止特措法の一部を改正する法律の公布について

生活安全局長から、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のた
めの特別措置に関する法律の一部を改正する法律が公布されたことか
ら、国会における審議等の状況、技能講習に係る特例の概要等につい
て報告があった。

(7)平成24年春の全国交通安全運動の実施結果について

交通局長から、「4月6日から15日までの平成24年春の全国交
通安全運動期間中の交通事故死者数は、前年同期比18人減の118
人であり、期間中、各都道府県警察において、運動の重点等に沿った
様々な取組みが実施された」旨の報告があった。

(8)京都市内で発生した死傷者多数の交通事故について

交通局長から、4月12日に京都市で発生した死者7名、重軽傷者
12名の交通事故に関して、交通事故の概要、捜査状況、今後の対策
について報告があった。

(9)北朝鮮による「人工衛星」と称するミサイル発射事案への対応につ
いて

警備局長から、北朝鮮による「人工衛星」と称するミサイル発射事
案の概要、発射に係る警察庁、都道府県警察等における対応等につい
て報告があった。

3 その他

(1)刑事局長から、4月19日早朝に発生した福岡県警察の元捜査員に
対する拳銃使用殺人未遂事件について報告があった。
 田尾委員より、「北九州で元捜査員が銃撃されたということである
が、福岡における状況はますます悪化しており、治安が乱れに乱れて
いる。捜査も困難であり、なかなか効果的といえる結果が出ていない。
今回の事件は警察に対する公然とした挑戦であり、治安という面から
考えると非常に由々しいことであるが、今のままの態勢でやっていけ
るのか。もう少し人的な面やその他の面で何か考えるべきところがあ
るのではないかと思うがどうなのか」旨の発言があり、刑事局長から、
「委員御指摘のとおりである。とにかく暴力団の幹部を中心に徹底し
て取り締まっていくとともに、地域警戒が必要である。現在、北九州
では増強した態勢で地域警戒に当たっているが、もはやこれでは足り
ないというのが率直な印象であり、管区機動隊を動員すべく検討を進
めているところである。また、被害に遭った元捜査員は長年工藤會対
策に従事してきた者であるが、以前も自宅周辺を工藤會の者らが徘徊
するなどの兆しのようなものがあり、それが現に本件のような形とな
っていることから、やはり取締りとともに、警戒の強化をとにかく進
めていかなければならないと思っている」旨の説明があった。
 田尾委員より、「応援派遣をするのであれば、警察法上の手続で、
公安委員会も関係してくると思われるが、福岡県ではそのような必要
性を認識しているのか」旨の発言があり、刑事局長から、「早速、県
警と管区警察局とで協議しており、他県から管区機動隊を投入する方
向で、警察庁も含めて具体的な検討を始めている。また、先週の定例
会議において、道仁会と九州誠道会の抗争に関し、県境区域の相互乗
り入れにより、警戒及び捜査活動を行う協定を締結した旨報告したと
ころであるが、工藤會についても、北九州と下関において活動が活発
であることから、同様に、福岡県と山口県の県境区域の相互乗り入れ
による警察活動の協定について検討したいと考えている」旨の説明が
あった。
 前田委員より、「これだけ公然と挑戦されているのだから、組織的
に強化したということをはっきり見せないと一般市民も不安なのでは
ないか。警察だけではなく一般市民も巻き込まれており、現場として
はなかなか応援要請しづらいものだと思うが、これだけ長期間にわた
って事案が続いているのであるから、このまま放置してはまずいと思
う」旨の発言があり、長官から、「できるだけ迅速に、目に見える動
きをとるよう指示しており、現場では早く動くと思う」旨の説明があ
った。