定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年10月4日(木)

午前10時00分 午前11時25分


第2 出席者 小平委員長、長谷川、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長
首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正す
る法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案」等について

刑事局長から、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案」
等について説明があり、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の決定について(行政機関情報公開法
関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関係
の開示請求に対する決定について報告があった。

(2)全国殉職警察職員・警察協力殉難者慰霊祭の開催について

官房長から、「10月18日、全国殉職警察職員・警察協力殉難者
慰霊祭が東京都内で開催され、今回新たに殉職警察職員8柱、警察協
力殉難者3柱が合祀されることとなっている」旨の報告があった。

(3)平成25年度採用候補者(国家公務員採用総合職・一般職試験合格
者)の内定について

官房長から、平成25年4月1日採用予定の国家公務員採用総合職
・一般職採用候補者の内定状況について報告があった。
 田尾委員より、「総合職・Ⅰ種事務系の女性の割合が多いが、これ
は女性の採用、登用を拡大するという政策の一環なのか」旨の発言が
あり、官房長から、「女性を積極的に採用するという取組がかなり浸
透しているため、希望者・訪問者も増えており、評価の高い人として
女性がこの数になったのではないかと思う。政府の目標は、女性は採
用者の概ね3割ということになっているが、今回はそれを若干上回る
内定状況になっている」旨の説明があった。
 田尾委員より、「これまでの女性警察官の採用者数はどのようにな
っていたのか」旨の発言があり、官房長から、「ここ数年は、3,4
名であり、多いときは5名採用した年もある。Ⅰ種事務系の女性の採
用は平成元年から始めたため、まだ警察庁の課長級の幹部にはいない
が、今後出てくることになる」旨の説明があった。
 髙木委員より、「採用面接の際、警察庁として特に意識して聞いて
いることはあるのか」旨の発言があり、官房長から、「警察庁志望の
動機や警察で働くことの不安などはよく聞いている」旨の説明があっ
た。
 委員長より、「国立大学出身者が多いが、私立大学出身の応募者は
少ないのか」旨の発言があり、官房長から、「公務員試験の合格者数
は国立大学出身者がかなり多いことから、結果として国立大学出身者
の採用が多くなっているものと思われる。私立大学出身者も毎年採用
している」旨の説明があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「警視庁の巡査長が、酒酔い運転をしたとして、
7月7日に現行犯逮捕された事案に関し、警視庁は、10月5日、同
巡査長を懲戒免職処分とする予定である」旨及び「警視庁の巡査長が、
アパート敷地内に侵入し、女性用下着を窃取しようとしたとして、7
月17日に現行犯逮捕された事案等に関し、警視庁は、10月5日、
同巡査長を懲戒免職処分とする予定である」旨の報告があった。

(5)平成24年度総合セキュリティ対策会議の運営について

生活安全局長から、「平成24年度の総合セキュリティ対策会議で
は、「官民が連携した違法・有害情報対策の更なる推進」をテーマに
選定し、違法・有害情報に関連して問題点が認められる「インターネ
ット広告業界との連携の在り方及び自主的取組の促進」、「匿名サイ
トの自主的管理強化の促進」及び「インターネット・ホットラインセ
ンターの民間費用負担の在り方」の3項目について議論を行い、官民
連携した取組の在り方について検討を行うこととする」旨の報告があ
った。

(6)自転車の交通ルールの徹底方策に関する懇談会について

交通局長から、自転車利用者に対する交通ルールの周知徹底方策に
ついて検討を行うため、有識者による懇談会を設置し、第1回目の懇
談会を10月5日に開催することについて報告があった。

(7)平成24年秋の全国交通安全運動の実施結果について

交通局長から、「9月21日から30日までの平成24年秋の全国
交通安全運動期間中の交通事故は、死者数が125人で、前年同期と
比べ21人増加したものの、発生件数は17,148件で、前年同期
と比べ2,766件減少した。期間中、各都道府県警察において、運
動の重点等に沿った様々な取組みが実施された」旨の報告があった。

(8)2012年IMF・世銀年次総会警備について

警備局長から、2012年IMF・世銀年次総会開催に伴う警察措
置について報告があった。
 山本委員より、「爆発物の製造原料の取引等についての対策を警察
は平素から行っていると聞いているので、基本的には、日本国内にお
いて爆発物を大量に造ることは難しい状況にあると認識してよいのか」
旨の発言があり、警備局長から、「そのように努めているが、一部の
県で対策が甘いと、そこから製造原料が入手されるということにもな
りかねないため、製造業者や販売業者等に対する対策は、全国均一に
行っている。しかし、過去には、ドラム缶に詰めた爆弾が皇居へ投げ
込まれるといった事案も発生しており、漏れのないように努めてまい
りたい」旨の説明があり、山本委員より、「国外から爆発物を持ち込
むことは造ることより難しいと思うが、今回のような大規模警備のと
きだけ手を打てばよいということではないと思うので、平素から配慮
しておいてもらいたい」旨の発言があった。

(9)天皇皇后両陛下の地方事情御視察に伴う警衛警備について

警備局長から、「天皇皇后両陛下は、10月6日、地方事情御視察
のため山梨県へ行幸啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警
備を実施する」旨の報告があった。

(10)邦人による尖閣諸島上陸事件の検挙について

警備局長から、邦人による尖閣諸島上陸事件の検挙について報告が
あった。

3 その他

(1)冒頭、委員長より、「国家公安委員会委員長を拝命して、本日が最
初の定例会議である。私にとって、警察行政の分野は初めての経験で
あるが、委員の方々を始め皆さんの協力を得ながら、会議が円滑に進
行するように努めてまいりたい。御協力のほどよろしくお願い申し上
げる」旨の挨拶があった。

(2)官房長から、田尾国家公安委員会委員の海外出張予定について報告
があった。

(3)刑事局長から、福岡県北九州市内における飲食店経営者等を対象と
した殺人未遂事件等の連続発生とその対策について報告があった。
 髙木委員より、「北九州において、100軒ほどの飲食店に脅迫電
話が架かってきたということであるが、全て暴力団排除の標章が貼ら
れている飲食店に対して架かってきたのか」旨の発言があり、刑事局
長から、「ほとんどが標章を掲示している飲食店である。現在、北九
州市内において標章を掲示している飲食店が約1,000軒あり、こ
れらの店舗に対して集中的に脅迫電話が架かってきた状況である」旨
の説明があった。
 髙木委員より、「そのような状況では、『貼っていると恐いから、
もう止めたい』といった話が出てくるのではないか」旨の発言があり、
刑事局長から、「実際、そのような相談も寄せられている」旨の説明
があった。
 髙木委員より、「犯人が周到に対象を調べ、犯行に及んでいるため、
なかなか検挙に結びつかないということであるが、検挙できないで今
のような状態が続けば、『私もやられるかもしれない』と不安に思う
人が更に増えるのではないか」旨の発言があり、刑事局長から、「御
指摘のとおりであり、従来の捜査手法だけではなく、様々な捜査手法
を使い、検挙に努めてまいりたい」旨の説明があった。