定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年12月27日(木)

午前10時30分 午前11時35分


第2 出席者 古屋委員長、長谷川、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長
首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)平成24年度警察庁補正予算要求について(案)

官房長から、平成24年度警察庁補正予算要求について説明があり、
その内容を了承した。
 長官から、「補正予算のみならず来年度予算要求についても並行し
て作業を進めているところであるが、物件費に関しては、21年度と
比べると今年度までに約16パーセント削減されており、来年度につ
いては更に厳しい削減が求められているところである。警察としては、
治安維持のために最低限必要な予算というものがあり、このままでは
必要な予算要求ができなくなるおそれがあると考えており、努力して
いきたい」旨の説明があり、委員長より、「警察として絶対必要なも
のがあるということは理解しているので、改めて説明してもらいたい」
旨の発言があった。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、第182回国会の状況について報告があった。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「神奈川県警察の警部補が、当て逃げをしたとし
て、11月9日に通常逮捕された事案等に関し、同県警察は、12月
28日、同警部補らを懲戒免職処分等とする予定である」旨の報告が
あった。
 前田委員より、「この事案は、勤務中に起こした事案か、それとも
非番のときの事案か。業務上であれば重大であり、非番の場合であれ
ば、一般の人と変わらないこととなる」旨の発言があり、首席監察官
から、「非番のときに起こした事案である」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「多くの警察官が一緒にいながら、全員逃げてし
まったというのは、一体どういうことなのか。通常であれば、誰かが
きちんと申告すべきではないのか。警察は、上司が言えば部下は従っ
てしまうという体質なのか」旨の発言があり、首席監察官から、「こ
の警部補は、仕事ぶりは積極的で、その意味では力のある上司であり、
他方、同乗していた警察官は皆若いということもあって、何も言えな
いままこのような事態に至ってしまったというものである。そうは言
っても、警察官であることから、懲戒処分や本部長訓戒の措置とした
ものである」旨の説明があった。
 前田委員より、「署長はこの事案をいつ知ったのか。捜査が進むま
では知らなかったのか」旨の発言があり、首席監察官から、「事故を
起こした車両の所有者であるこの警部補の部下に容疑がかかっている
という連絡を受け、この部下を取り調べることとなった際、本件を認
知したというものである」旨の説明があった。

(3)富山県前高岡警察署員による殺人・放火等事案の発生について

首席監察官から、「富山県警察の警部補が、知人夫婦を殺害の上、
放火したとして、12月22日に通常逮捕された」旨の報告があった。
 前田委員より、「この事案は勤務中に起こした事案か」旨の発言が
あり、首席監察官から、「犯行当日は休みの日であった」旨の説明が
あった。

(4)平成24年(1月~11月)の110番通報の概要等について

生活安全局長から、本年1月から11月までの間の110番通報の
概要等について報告があった。

(5)インターネット匿名掲示板管理者に係る麻薬特例法違反(幇助)事
件の送致について(警視庁)

生活安全局長から、「警視庁において、インターネット上の掲示板
に違法薬物売買の書き込みを行った投稿者に係る麻薬特例法違反事件
について、同掲示板の管理者が「薬、違法」と題する掲示板を開設し
て公開等し、違法情報の書き込みを容易にして幇助した事実により、
12月20日、東京地方検察庁に送致した」旨の報告があった。
 山本委員より、「本件については、法令の適用に難点があるのでは
ないかという意見も出ているようであるが、被害者が生まれていると
いうことを考えると、私としては、検挙はむしろ遅きに失したくらい
なのではないかと思う。今後、検察庁や裁判所の判断も注視しながら、
もし現行法で処罰することが困難であるという場合には、新たな法制
も視野に入れて対応を進める必要があるのではないかと思う。薬物の
取引が現実にインターネット上の掲示板を通じて行われているという
実態があると思われるので、このようなことを封じるために、安全・
安心を守る責務を負っている警察としては、重く受け止めて対応しな
ければならないのではないか」旨、髙木委員より、「本件の被疑者は
取調べに応じていないようだが、そのような場合、強制捜査に移行す
るということにはならないのか」旨の発言があり、生活安全局長から、
「本件被疑者は事情聴取の要請に応じなかったが、各種捜査により、
今回の容疑については解明したことから送致したという報告を受けて
いる。また、法制化の必要性について御指摘があったが、本件と同様
に、薬物売買の違法情報をインターネット上の掲示板に掲載して放置
等していたことが麻薬特例法のあおり又は唆し等の幇助にあたり違法
であると認めた裁判例も複数あることから、法令の適用そのものが難
しいということではないが、各事案の態様も様々であることから、事
案毎に検討が必要である。法制化が必要との意見も報道されているが、
当面、このような検挙事例を積み重ね、その中で法制化の必要性につ
いての議論も喚起していただく必要があるのではないかと思う。また、
事業者等にはもっと真剣に自主的な取組をしてもらいたいと考えてお
り、引き続き、総合セキュリティ対策会議等の場においても提言して
まいりたい」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「今回、このインターネット上の掲示板の管理者
に対する捜査を行ったことから、かなり自主的に違法情報等が削除さ
れるようになったが、仮に本件に対して刑事処分がなされないという
ことになれば、また違法情報等の書き込みが放置されるようになって
しまうのではないか。したがって、そのようなことにならないよう、
引き続き、動向には注意していかなければならないと思う。非常に悪
質ではないか」旨の発言があり、長官から、「御指摘のとおり、動向
は引き続き注視していきたいと考えている」旨の説明があった。

(6)第46回衆議院議員総選挙の違反取締状況について

刑事局長から、第46回衆議院議員総選挙における違反取締りに関
し、これまでの検挙・警告状況について報告があった。

(7)証券取引からの暴力団排除支援のための照会システム運用開始につ
いて

刑事局長から、証券取引からの暴力団排除支援のための照会システ
ム運用を平成25年1月4日より開始することについて報告があった。

(8)特定抗争指定暴力団及び特定危険指定暴力団の指定について

刑事局長から、「福岡県を始めとする5県の公安委員会は、改正暴
力団対策法に基づき、道仁会及び九州誠道会を特定抗争指定暴力団に、
五代目工藤會を特定危険指定暴力団にそれぞれ指定した」旨の報告が
あった。
 前田委員より、「指定がなされたということであるが、このような
悪質極まりない暴力団を規制するために暴力団対策法を改正したわけ
であるから、徹底した取締りに努めてもらいたい。そうでなければ、
何のために改正したのか分からないし、警察が非難されることにもな
りかねない。また、指定に当たって、各県の公安委員が直接意見聴取
を行っていることから、その警戒の強化にも努めてもらいたい」旨の
発言があり、刑事局長から、「各公安委員の保護対策については、既
に一層の強化を図っているところである」旨の説明があった。

(9)自転車の交通ルールの徹底方策に関する提言について

交通局長から、本日、自転車の交通ルールの徹底方策に関する懇談
会の鈴木座長から提出を受けた「自転車の交通ルールの徹底方策に関
する提言」の内容等について報告があった。

3 その他

(1)生活安全局長から、滋賀県における自殺した中学2年男子に対する
いじめ事件の送付等について報告があった。

(2)交通局長から、12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネル(
上り線)天井板崩落事故に伴い一部区間で通行止めを実施中のところ、
下り線を使用した対面通行による暫定開通の見通しについて報告があ
った。