定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成25年1月24日(木)

午前10時00分 午前11時40分


第2 出席者 古屋委員長、長谷川、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令の一部
を改正する政令案」について

生活安全局長から、遊技機の認定等に係る手数料の標準を改めるこ
とを内容とする「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
施行令の一部を改正する政令案」について説明があり、原案どおり決
定した。

(2)風営法第20条第5項の規定による指定試験機関の指定及び風営法
第20条第5項に規定する指定試験機関を指定する規則の一部を改正
する規則案について

生活安全局長から、遊技機の認定又は遊技機の型式の検定に必要な
試験事務を実施する指定試験機関として一般社団法人遊技機試験機構
を指定することを内容とする「風俗営業等の規制及び業務の適正化等
に関する法律第20条第5項に規定する指定試験機関を指定する規則
の一部を改正する規則案」について説明があり、原案どおり決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の決定について(行政機関個人情報保
護法関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関個人情報保護法
関係の開示請求に係る決定について報告があった。

(2)平成25年度警察庁予算の査定状況について

官房長から、平成25年度警察庁予算の査定状況について報告があ
った。

(3)学校におけるいじめ問題への的確な対応について

生活安全局長から、「学校におけるいじめ問題をめぐり少年の保護
と非行防止の両面から憂慮すべき事態が生じていることから、都道府
県警察に対して通達を発出し、警察と学校等との連携を強化するなど
して学校におけるいじめ問題に的確に対応するよう徹底を図っていく」
旨の報告があった。
 前田委員より、「今回発出する通達案を読んだが、分かりにくいと
感ずる。それは、いろいろな事項が沢山記載されているからだと思う。
「学校におけるいじめ問題への対応に関する基本的な考え方」が記載
されているが、今回基本的なスタンスを変えたのかどうかといったこ
とが記載されていない。やはり、通達というのは、それに基づいて行
動を起こさせるものであるから、従来と変わらないのであれば、その
ような部分はあまり記載する必要はないのではないか。説明を聞いて
いると、学校と警察の関係についてもう少し踏み込んで対応するよう
に現場へ伝えたいのだと思うが、これだけ多くの事項が記載されてい
ると、本部長が指示するにしても、なかなか現場の行動に結びつかな
いのではないか。したがって、表現振りについて工夫をした方がよい
と思う。例えば、「文部科学省と協議済みである」という記載がある
が、このような記載は必要ないのではないか。通達はストレートに分
かりやすく記載するという観点が必要なのではないかと思う。深刻な
問題であるわけだから、どのようにアクションを起こせばよいのかと
いうことがよく分かるような通達にしてもらいたい」旨の発言があり、
生活安全局長から、「文部科学省と協議済みであるという記載につい
ては、文部科学省においても、いじめ事案について早期に対応が必要
なものは、警察と連携して対応をとるよう通知しているところであり、
今後もそのような対応で進められると思うが、警察庁のスタンス、文
部科学省のスタンス、それぞれを双方が理解して協議をしているとい
うことを現場にも念のため知らせておこうという趣旨である。また、
基本的な考え方については、これまでにも全国会議等において、ある
いは昨年の滋賀県における自殺した中学2年男子に対するいじめ事案
について、滋賀県警察において対応の反省点をまとめた際に発出した
通達において、この基本的な考え方を示しているところであり、全く
変わっているものではない。その点は各県本部長も十分理解している
ものと思う。今回は、滋賀県の事案の捜査が終結し、また文部科学省
においてもプロジェクトを立ち上げて検討してきたが、警察の対応の
在り方に関して協議が調ったということもあり、改めて通達を発出す
るというものである。御指摘の点については、現場の方で誤解のない
ように努めてまいりたい。この通達自体は再度点検はしたいが、理解
はしてもらえると思う」旨の説明があった。
 山本委員より、「いじめ自体を撲滅するためには、誰がやるのかと
考えれば、子供自身の意識を変えなければならないだろうし、その父
兄、クラスの仲間、先生、教育委員会、地域社会も変わらなくてはな
らない。その中で警察も変わらなくてはならないと思うが、警察にお
いて最も大事だと思ってもらいたいことは、被害に遭っている子供や
親が警察に対して、『こういうことがあるんだ』と訴えてきたときに、
警察がどのように対応するのかということである。恐らくこれまでは、
警察だけではなく、どこへもって行っても結局まともに取り上げても
らえないというような印象をもっている人が圧倒的に多いのではない
かと思っている。確かに、何の証拠もない状況で警察へ訴えられても、
すぐに刑事事件として取り上げることは無理であることはよく分かる
が、そういう場合に、『これは学校の先生に言いなさい』と追い返し
て終わりということではなく、このような訴えが警察にあったという
ことを、少なくとも学校、教育委員会、父兄において、問題提起とし
て共有されるような仕組みをつくる、つまり、警察に申告があった際、
警察がすぐ動くといったことではなく、情報を共有することができる
ようなシステムをつくることが出発点として最も大事なのではないか
と思う。ストーカーの被害等も同じであり、まだ警察が対応すること
ではないという問題について、警察がどこまでやるのかということを、
その問題に関係する人全てに理解しておいてもらうということが大事
であり、是非そのような配慮をしてもらいたい」旨の発言があり、生
活安全局長から、「現在、学校警察連絡協議会等というものもシステ
ムとしては既に構築しているところである。これの更なる活性化を図
るという趣旨で、通達においても学校との連携強化について明記して
いるところであり、よく指導してまいりたい」旨の説明があり、委員
長より、「政府において、教育再生実行会議を立ち上げたが、この中
で基本的な考えは、いじめについては、第一義的には、文部科学省、
教育委員会、学校において対応してもらうということであるが、それ
を超えているもの、すなわち犯罪といじめははっきり峻別するという
ことであり、この点が今回の通達にも示されているところである。し
かし、山本委員から御指摘があった点については、しっかり連携して
いく必要があると思うので、教育再生実行会議の場においても反映さ
れるように対応していきたい」旨の発言があった。

(4)サイバー犯罪対処能力の強化等に向けた緊急プログラムについて

生活安全局長から、「一連の遠隔操作ウイルス等による犯行予告事
案により明らかとなった警察の捜査力の不足を踏まえ、サイバー空間
において今後起こり得る様々な事態にも対処できるよう、サイバー犯
罪対処能力の強化等に向けて当面緊急に推進すべき施策を取りまとめ
た」旨の報告があった。
 髙木委員より、「様々なレベルのものが掲げられており、実施が非
常に難しいものも幾つもあるし、特に最近言われている「サイバー犯
罪に対処するための体制の在り方の検討」のように、急いだ方がよい
ものもある。いずれにしても、非常に大事なので、実施に向けしっか
り取り組んでほしい」旨の発言があり、生活安全局長から、「御指摘
のように、緊急プログラムの中には、時間を要するものや、すぐにで
きるもの、警察庁だけでできるものや、都道府県警察が関係するもの、
更には、他機関や民間の方々にも関係するものなど様々である。また、
警察で直ちに努力して実施すればいいものもあれば、内容についてこ
れから検討して予算化を図る、あるいは法律改正するということでじ
っくりと行わなければならないものもある。したがって、現在、個々
の施策について、実現するために必要な措置や、検討すべき内容、必
要な期間について工程表を作成しているところであり、これに基づい
て管理しながら、確実に、早急に実施してまいりたいと考えている」
旨の説明があった。
 山本委員より、「警察としてできることは進めていくというのは大
事なことだと思うが、国全体で考えた場合、警察だけが行えばよいと
いう問題ではないはずである。昨年発生したインターネットを利用し
た犯行予告・ウイルス供用事件のなりすまし事案の問題についても、
警察から送致された事件について、検察庁もそれを批判する能力をも
って、問題点があればそれを指摘すべき立場にあるし、裁判所も起訴
された者について、批判をきちんとできるような能力を備えるべきで
ある。警察がやろうとしているレベルに、検察庁も裁判所も、あるい
は電子行政を司っている総務省等も、やはり同じレベルになっていな
ければいけないのではないかと思う。そのように考えると、警察だけ
が一生懸命努力すればよいということではないので、犯罪対策閣僚会
議のような場を通じて、国全体が総力を挙げ、予算化も図り、最高レ
ベルの知識・技術を身に付けるような工夫をし、各省庁がそれぞれ取
り組んでいくことが必要なのではないかと思う」旨の発言があり、生
活安全局長から、「緊急プログラムについては、現在、関係省庁にお
いても承知してもらう手続きをとっているところである。また、枠組
みとしては、御指摘のように、犯罪対策閣僚会議のような場において、
緊急プログラムの中の幾つかの項目について俎上に載せてもらうよう
努力してまいりたい」旨の説明があり、委員長より、「国家公安委員
会委員長として、山本委員と全く同じ問題意識をもっている。内閣全
体としてもしっかり取り組んでいきたい」旨の発言があった。

(5)通学路における緊急合同点検の取組状況について

交通局長から、通学路における交通安全の確保に向け、文部科学省、
国土交通省及び警察庁が連携して緊急合同点検を実施し、対策が必要
な箇所を抽出したことから、これらの箇所に係る対策の取組状況につ
いて報告があった。

(6)新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令案について

交通局長から、新型インフルエンザ等対策のための訓練を行うに当
たって実施する交通規制の手続を定めることを内容とする「新型イン
フルエンザ等対策特別措置法施行令」について報告があった。

(7)在アルジェリア邦人拘束事件について

警備局長から、1月16日に発生した在アルジェリア邦人拘束事件
に関し、これまでの経過、対応及び今後の取組について報告があった。
 長谷川委員より、「どのような状況で襲撃されたのかは、まだよく
分かっていないのか。今回の現場のようなところで事業を行うことは
危険が伴うことは皆よく分かっているはずであると思うが、どのよう
な警備体制がとられていたのか」旨の発言があり、警備局長から、「
詳細はまだ分からないが、しっかり解明してまいりたい」旨の説明が
あり、委員長より、「委員御指摘の点については、政府の対策本部会
議においても、今後は、やはり国だけではなく、海外に展開している
企業もしっかり危機管理を行い、できる限り国とも連携するプログラ
ムをつくるべきではないかという話題になったところであり、政府と
して早急に対策は進めていきたい」旨の発言があった。

(8)日教組「第62次教育研究全国集会」をめぐる動向と警察措置につ
いて

警備局長から、1月26日から28日までの間、佐賀県佐賀市で開
催される日教組(日本教職員組合)「第62次教育研究全国集会」を
めぐる右翼等の動向と警察措置について報告があった。

(9)外為法違反事件被疑者の逮捕について

警備局長から、「警視庁は、1月23日、資産凍結措置の対象であ
るイランの海運会社に、経済産業大臣の許可を受けないで支払を行っ
た外為法違反(無許可支払)事件の被疑者3名を逮捕した」旨の報告
があった。

3 その他

(1)官房長から、「平成25年度の国家公務員の新規採用抑制の方針に
ついて」の一部改正に関する動向について報告があった。

(2)刑事局長から、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の
一部を改正する法律の施行について報告があった。

(3)交通局長から、高齢者の交通死亡事故対策に関し、事故の現状、警
察及び政府における取組について報告があった。