定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成25年10月3日(木)

午前10時00分 午前11時15分


第2 出席者 長谷川、山本、前田、奥野各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長


第3 議事の概要

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答
を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、そ
の内容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の決定について(行政機関情報公開
法関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関
係の開示請求に係る決定について報告があった。

(2)平成25年度全国通信指令・無線通話技能競技会の開催について

生活安全局長から、10月1日から予選が開催され、10月8日
及び9日の2日間、本選が実施される平成25年度全国通信指令・
無線通話技能競技会の概要について報告があった。

(3)福知山市内の花火大会会場における死傷者多数を伴う爆発事故の
被疑者逮捕について(京都府警察)

刑事局長から、「京都府警察は、福知山市内の花火大会会場にお
いて、8月15日、営業中の露店の発動発電機へのガソリン給油時
に安全確認を怠ったことにより引火爆発事故を発生させ、付近の見
物客を多数死傷させた業務上過失致死傷事件に関し、10月2日、
被疑者を逮捕した」旨の報告があった。

(4)六代目山口組傘下組織幹部らによる大量拳銃所持事件の検挙につ
いて(大阪府警察)

刑事局長から、「大阪府警察は、9月12日、大阪市内のトラン
クルームに隠匿された自動装てん式等拳銃7丁、実包等を発見・押
収し、これらを保管・管理していた六代目山口組傘下組織幹部ら4
名を逮捕した」旨の報告があった。

(5)平成25年秋の全国交通安全運動の実施結果等について

交通局長から、「平成25年秋の全国交通安全運動が、9月21
日から30日までの間実施され、各都道府県警察において、運動の
重点等に沿った様々な取組みが実施された。期間中の交通事故死者
数は、121人であり、昨年と比較すると4人の減少となった」旨
の報告があった。

(6)平成25年度原子力総合防災訓練について

警備局長から、「平成25年度原子力総合防災訓練が、原子力災
害対策特別措置法に基づき、10月11日及び12日の2日間、九
州電力株式会社川内原子力発電所において実施され、警察庁及び鹿
児島県警察等関係県警察から所要の職員が参加する予定である」旨
の報告があった。

(7)安倍内閣総理大臣のインドネシア共和国及びブルネイ・ダルサラ
ーム国訪問に伴う警護警備について

警備局長から、「安倍内閣総理大臣は、10月6日から10月1
0日までの間、APEC首脳会議及びASEAN関連首脳会議出席
等のため、インドネシア共和国及びブルネイ・ダルサラーム国を訪
問予定であり、所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

(8)国際テロリズム緊急展開班(TRT-2)の図上訓練等充実強化
について

警備局長から、国際テロリズム緊急展開班(TRT-2)の充実
強化の状況、9月25日に実施された図上訓練の結果等について報
告があった。

(9)国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案への
対応について

警備局長から、国際テロ対策に係るデータのインターネット上へ
の掲出事案への対応について報告があった。
 奥野委員より、「公訴時効が成立した後も国外捜査は継続すると
のことであるが、捜査態勢は維持するのか」旨の発言があり、警備
局長から、「所要の態勢により引き続き捜査を進めていくこととし
ている」旨の説明があり、奥野委員より、「本件については、やは
り鋭意捜査を行い、今後も被疑者検挙に向けて全力を挙げてもらい
たい。社会では、警察内部の犯行ではないかとか、そういうことだ
から捜査が甘いのではないかなどという見方もあり得るので、是非
とも検挙につなげてもらいたい。また、このような事案は二度と起
きてはならないことであり、保全措置についても、どんどん進歩し
ていくIT技術にも留意しながら、強化・徹底してもらいたい」旨
の発言があり、警備局長から、「御指摘を踏まえ、対応してまいり
たい」旨の説明があった。

3 その他

(1)官房長から、「10月1日、神奈川県横浜市緑区内のJR横浜線
踏切内において、倒れた男性を救助した女性が電車にはねられ、お
亡くなりになられた。現在、警察協力章の授与等の手続きを進めて
いるところである」旨の報告があった。

(2)生活安全局長から、「大手古物商の店舗において、新品のゲーム
ソフト等が持ち込まれ、万引きされた多数の商品が買い取られてい
たという事案が生じていたことを踏まえ、この度、古物商の業界団
体において、未開封品や18歳未満の者からの買取りへの対応など、
盗品の流入を防止するための新たな自主ルールが制定、実施された」
旨の報告があった。

(3)刑事局長から、「本年4月に発生した大阪府北堺警察署における
誤認逮捕事案について、大阪府警察において、その検証結果をとり
まとめたところであり、同府警察において、その内容を当事者に対
し御説明した後、これを公表することとしている。委員長からは、
ベテラン捜査員の大量退職・世代交代の時期が続いていることを踏
まえ、こうした事案の発生を防ぎ、また、事件捜査をしっかり進め
ていくため、捜査や捜査指揮のノウハウ等を組織として継承してい
くことが必要となっており、そのためには、特に管区警察局におけ
る捜査研修の強化や退職警察官の活用が効果的ではないかという認
識を各委員にお伝えいただきたいとのことであった。警察庁として
も、この事案を重く受け止めており、ベテラン捜査員の技能の組織
的な伝承、捜査幹部の指揮能力の向上等が課題であることが明らか
となったことから、先ほど申し上げたような点を踏まえ、管区警察
局や退職警察官等を活用しつつ、捜査技能、捜査指揮のノウハウ等
を計画的、体系的に伝承する取組を進めることとしている」旨の報
告があった。
 長谷川委員より、「今回の事案では、重要な証拠であるはずの防
犯カメラ画像を入手しようとしたものの、結果的には押収されない
ままとなっていた。今般、警察庁において、防犯カメラ捜査に関す
るマニュアルを作成するとのことであるが、やはりそれぞれの手順
がなぜ必要とされているのか、その理由を捜査員に理解してもらう
ことができるものとしなければいけないと思う。そうしなければ、
また、なにか問題が起きたときに、ある手順が飛ばされたりするよ
うなことが起きてしまうおそれがある」旨の発言があり、刑事局長
から、「マニュアルについては、御指摘の点に留意しつつ、また、
捜査員にとってわかりやすいものといたしたい」旨の説明があった。
 前田委員より、「管区警察局にあっては、捜査研修や各府県の状
況や施策に関する情報共有等にもっと力を入れてもらいたい。賞揚
など、こうした取組を活性化するための対応も検討してもよいので
はないか」旨の発言があった。
 山本委員より、「仮にある県が何らかのマニュアルを作成したと
しても、そうしたことを吸い上げる工夫がなければ、他の府県では
なかなか分からないということになる。府県からどのような要望が
あるのかまず掴んで、これに関する必要な情報を、管区内あるいは
全国で共有するという発想が重要であり、逐次、そうした情報を取
り上げ、また、日々の活動がなされる中で、必要な事項も見えてく
ると思うので、これらを集約・共有していくという取組をしていか
なければならないと思う」旨の発言があった。
 奥野委員より、「現在の警察が抱える問題を象徴するような事案
である。ベテラン捜査員の大量退職、若手捜査員の増加によって、
捜査技能の伝授が進んでいない。そうだとすると、中堅捜査幹部に
よる指揮・指導が重要となるが、この部分が不足していると感じる。
中堅幹部も含めた能力向上を徹底しなければいけないのではないか」
旨の発言があった。
 山本委員より、「捜査の基本が欠落していたわけであるが、大阪
は犯罪発生が多く、街頭犯罪抑止総合対策本部という刑事課とは別
の体制で処理をする中で、捜査経験の少ない捜査員が捜査に従事し
ていたなどという環境面についても、考える必要があると思う」旨
の発言があり、刑事局長から、「大阪府警察も御指摘のような問題
意識を持っており、こうした事件についての警察署における処理体
制などについても改善を図ることとしている」旨の説明があった。