定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成25年12月5日(木)

午前10時00分 午前11時40分


第2 出席者 古屋委員長、長谷川、髙木、山本、前田、奥野各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長
首席監察官


第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「12月19日付け地方警務官2名の人事案件につい
て発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「大阪府警察における捜査不適切等事案に関し、
同府警察においては、警部補等の懲戒処分を予定しているとともに、
警察庁長官は、本事案を惹起せしめた行為・監督責任により、同府
警察本部警務部付を懲戒手続きに付する必要があると認め、国家公
安委員会に申立てを行う」旨の説明があった。
 山本委員より、「事件処理の責任の所在に曖昧な部分があったので
はないか」旨の発言があり、首席監察官から、「警察本部の指導に中
途半端なところがあり、また、警察署も警察本部の指導が入ったこ
とで主体性が薄れた部分があった」旨の説明があった。
 前田委員より、「現場のトップがしっかり事態を掌握しておく必要
がある」旨、委員長より、「かつては非常に多忙な警察署であったが、
人口、産業等地域の状況の変化により、仕事の質等が変わってしま
うところもある。署長等の人事については、こうした警察署を取り
巻く環境や仕事の内容とうまくマッチングするようにしておくこと
が大切である」旨の発言があった。
 これらの議論を経て、国家公安委員会において、同警務部付の規
律違反について懲戒審査会に審査を要求することを決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答
を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、そ
の内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)「『世界一安全な日本』創造戦略」(案)について

官房長から、本年5月の犯罪対策閣僚会議において決定された「犯
罪に強い社会の実現のための新たな行動計画の策定の基本方針につ
いて」に基づき、内閣官房を中心に検討が行われてきた「『世界一安
全な日本』創造戦略」(案)の概要及び今後の予定について報告があ
った。

(3)平成25年度警察庁補正予算(案)の概要について

官房長から、平成25年度警察庁補正予算(案)の概要について
報告があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「警視庁の巡査長が、拳銃を所持して失踪等し
た事案に関し、警視庁は、12月6日、同巡査長を懲戒免職処分と
するとともに、監督責任として、上司を所属長注意の措置とする予
定である」旨の報告があった。

(5)三鷹市における女子高校生被害殺人事件に係る相談対応等の確認
結果等及び警察庁における今後の対策について

生活安全局長から、10月8日に東京都三鷹市において発生した
女子高校生被害に係る殺人事件に関し、警視庁における相談対応等
の確認結果及び今後取り組むストーカー対策について、並びに人身
安全関連事案に対処するための警察庁における今後の対策について
報告があった。
 髙木委員より、「加害者の『危険性判断チェック票』には、加害
者や被害者の傾向等について、よく当てはまるとか当てはまらない
とか記入するようになっているが、誰がその答えを記入することと
なるのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「この『危険性判
断チェック票』のうち、加害者についての項目と被害者についての
項目は、被害者が相談に来られた際に記入していただくものである。
加害者についての項目は、例えば、『注目を浴びたい、褒められた
いという欲求が強い』など、加害者に関することについて、被害者
の方が知り得る範囲で、『よく当てはまる』など5つの選択肢の中
からどれに該当すると思うか丸を付けていただくものであり、被害
者についての項目は、『相手の話に付き合ってしまう』かどうかな
ど、まさに御自身に関することについて同様に記入していただくも
のである。そして、これらの回答をその場で判定プログラムに入力
することにより、危険性の判定結果が出てくるという仕組みになっ
ている」旨の説明があり、髙木委員より、「被害者の方がこれらの
質問に答えるのはなかなか難しい気がする」旨の発言があり、生活
安全局長から、「試行段階ではもっと項目数が多く細かいものであ
ったが、被害者の御負担や時間の制約などを考えるとできるだけ簡
便でその場で判断できるものがよいということで、試行を重ね、こ
のような形に収斂したものである。なお、このチェック票は、被害
者の方に御協力をいただける場合に用いるものであり、従来どおり、
警察官が被害者の方のお話を聞いて危険であると判断すれば、迅速
に対応するということに変わりはなく、問題がないと思っていた事
案が実は問題のあるものであったという漏れが生じないよう、科学
的に研究いただいたこうした手法をアシストとして用いることによ
り、危険性についての判断の適切さを担保していこうとするもので
ある」旨の説明があった。
 奥野委員より、「この対策は、現段階で考え得る範囲の対策を講
じたものであると思うが、それでもなお警察の目から抜け落ちる事
案もあるのではないかと思う。警視庁の対策の最後に記載されてい
るが、学校や関係機関などの協力を得て具体的な施策に取り組んで
いただきたいと思う。本件については、高校が関係することとなっ
たが、大学であるとか、また、最近では相談を受け付けているNP
O法人も増えているので、そういう機関との連携を密にして、情報
が警察に入ってくるような具体的な施策を速やかに講じていただき
たいと思う」旨の発言があり、生活安全局長から、「御指摘の点に
ついては、特に最近各方面から御指摘をいただいていることでもあ
り、意識して働き掛けをしてまいりたい。また、先日、都の女性相
談センターに視察にお伺いして意見交換をさせていただいたほか、
先日開催されたストーカー行為等の規制等の在り方に関する有識者
検討会においては、NPOの方からのヒアリングが行われたり、厚
生労働省や文部科学省も出席されている中で、有識者から、『警察
だけでなく、各省庁にもしっかり考えていただかなければならない』
旨の御意見が出されていたところであり、関係機関の連携を密にし
て、全体的に取り組んでいけるようにしていく必要があると考えて
いる」旨の説明があった。
 山本委員より、「一旦検挙して身柄を拘束した加害者が、釈放後
再び犯行に及ぶという事案も発生しているので、身柄拘束した加害
者のその後の動向について、伝えることのできる部分とそうでない
部分があると思うが、どの範囲でどういう形で被害者に伝えていく
のか意識して、場合によっては被害者に情報提供をする必要がある
こともあろうかと思われる」旨の発言があり、生活安全局長から、
「これまでも事案に応じて連絡をとらせていただいているが、更な
る充実を図りたい。加害者がずっと恨んでいたりすると、釈放後次
の犯行に及ぶおそれも出てくるので、加害者の再犯防止についても、
法務省とも一緒に考えなければいけないと思う」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「『危険性判断チェック票』の中で、加害者や
被害者を表す用語が設問によってまちまちであり、回答する側から
したら分かりにくいのではないか」旨の発言があり、生活安全局長
から、「御指摘を踏まえ、検討したい」旨の説明があった。

(6)第22回全国小学生作文コンクール「わたしたちのまちのおまわ
りさん」の受賞者の決定等について

生活安全局長から、「第22回全国小学生作文コンクール「わたし
たちのまちのおまわりさん」の内閣総理大臣賞等の受賞者が決定し、
12月14日、東京都内において表彰式が行われる」旨の報告があ
った。

(7)在コンゴ民主共和国日本国大使館に対する現住建造物等放火事件
の被疑者検挙について(警視庁)

刑事局長から、「警視庁は、6月20日に在コンゴ民主共和国日
本大使館において発生した火災に関し、12月2日、当時同大使館
において勤務し、会計事務を担当していた職員を現住建造物放火の
罪で通常逮捕した」旨の報告があった。

(8)業務上横領事件の検挙について(警視庁・鹿児島県警察)

刑事局長から、「警視庁・鹿児島県警察合同捜査本部は、大阪市
内に本社を置く損害保険代理業等を営む会社の代表取締役であった
者が、平成19年9月中旬頃から平成20年1月下旬頃までの間、
業務上預かり保管中の3,000万円を横領したとして、12月3
日、業務上横領の罪で通常逮捕した」旨の報告があった。

(9)総務省による「特別の法律により設立される民間法人等の指導監
督に関する行政評価・監視」の調査結果に基づく勧告について

交通局長から、総務省行政評価局による「特別の法律により設立
される民間法人等の指導監督に関する行政評価・監視」の調査結果
に基づき、自動車安全運転センターに関し、国家公安委員会(警察
庁)が受けることとなった勧告の概要等について報告があった。

(10)外為法違反事件被疑者の逮捕について

警備局長から、「北朝鮮に不正に貨物を輸出した外国為替及び外
国貿易法違反の疑いにより、11月29日、福岡県警察、山口県警
察、北海道警察及び福島県警察合同捜査本部は、福岡県内に居住す
る貿易会社役員を、また、警視庁、青森県警察、鹿児島県警察、第
七管区海上保安本部及び第十管区海上保安本部合同捜査本部は、東
京都内に居住する貿易会社役員ら3名を、それぞれ通常逮捕した」
旨の報告があった。

(11)人事院総裁賞の受賞決定について

情報通信局長から、「12月11日に行われる第26回人事院総
裁賞の授与式において、東北管区警察局情報通信部、岩手県情報通
信部、宮城県情報通信部及び福島県情報通信部が、同賞を受賞する
ことが決定した」旨の報告があった。

(12)第14回アジア大洋州地域サイバー犯罪捜査技術会議の開催につ
いて

情報通信局長から、「アジア大洋州地域の各捜査機関間におけるサ
イバー犯罪捜査技術力の向上を図ることを目的とした第14回アジ
ア大洋州地域サイバー犯罪捜査技術会議が、12月9日から11日
までの間、東京都内において開催される」旨の報告があった。

3 その他

(1)刑事局長から、「11月14日の定例会議で報告した第46回衆議
院議員選挙における公職選挙法違反事件に関し、警視庁・鹿児島県
警察合同捜査本部は、戸別訪問、買収等の資金として使用されるこ
とを知りながら現金の供与・交付等を行ったとして、12月4日、
再逮捕となる者3名を含む被疑者4名を、買収罪でそれぞれ通常逮
捕した」旨の報告があった。

(2)刑事局長から、「11月14日の定例会議で報告した求職者支援制
度を悪用した詐欺等事件に関連して、大阪府警察は、この詐欺事件
の被疑者であるNPO法人の役職員3名が、独立行政法人の非常勤
嘱託職員に対し、求職者訓練に対する抜き打ち検査日の漏洩に対す
る謝礼等として現金を供与し、嘱託職員がこれを収受したとして、
11月30日、4名を贈賄及び加重収賄の罪でそれぞれ通常逮捕し
た」旨の報告があった。