定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成25年12月26日(木)

午前10時00分 午前10時55分


第2 出席者 古屋委員長、長谷川、髙木、山本、前田、奥野各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長


第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「1月10日付けを始めとする地方警務官15名の人
事案件について発令していただきたい」旨、「1月17日付けを始め
とする内閣承認人事5名の人事案件について内閣に承認を依頼して
いただきたい」旨、「1月22日付け警視総監の任免について内閣総
理大臣に承認を依頼したい」旨及び「1月22日付け警視総監の任
免について東京都公安委員会に同意を求めるよう依頼したい」旨の
説明があり、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答
を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、そ
の内容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する異議申立てに係る決定について(行政機関個
人情報保護法及び行政機関情報公開法関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関個人情報保護
法及び行政機関情報公開法関係の異議申立てに係る決定について報
告があった。

(2)平成26年度警察庁予算(案)の概要について

官房長から、平成26年度警察庁予算(案)の概要について報告
があった。

(3)平成25年(1月~11月)の110番通報の概要等について

生活安全局長から、本年1月から11月までの間の110番通報
の概要等について報告があった。
 長谷川委員より、「#9110番がもっと国民に知られていたら、
全体の4分の1を占める緊急性のない110番通報を減らすことが
できると思うが、どのように国民に周知しているか」旨の発言があ
り、生活安全局長から、「『110番の日』には、警察相談の場合は
#9110番がある旨の広報をしているほか、各都道府県警察や警
察署で何かお知らせを作るときには、相談の電話はこちらへという
お知らせを載せるなど、できるだけ周知を図るようにしており、以
前に比べると知られるようにはなったと思うが、更にアピールして
いく必要があると思う」旨の説明があり、長谷川委員より、「一人一
人の心に残るように見てもらう工夫をしないといけない。今のよう
なやり方では、国民に知れわたっていくのが遅い」旨の発言があり、
生活安全局長から、「ウェブサイトにも掲載したり、『110番の日』
などでは、緊急のものは110番、相談等については#9110番
を利用していただきたいとアピールしている」旨の説明があった。
 委員長より、「広報予算はどれくらいあるのか。広報戦略を工夫し
なければならない」旨の発言があり、生活安全局長から、「直ちには
お答えできないが、警察からのお知らせのようなものには、たいて
い#9110番が載っている。急を要しない通報が多くなされると、
緊急通報の受付に影響が出ることとなるので、少しでも緊急通報に
対応できるよう振り分けをすることが重要であり、そのアピールの
ために『110番の日』を設けている。来年の『110番の日』に
は、政府広報にも入れてもらうなど広報をするので、報道機関にも
御協力いただいてアピールをしたいと思う」旨の説明があった。
 奥野委員より、「あまり『110番の日』にこだわらず、日常的に
いろいろな形でアピールする方がよい」旨、委員長より、「駅のコン
コースなどいろいろなところに、警察の広報ポスターのほか、政府
の拉致問題対策本部や内閣官房の国土強靱化対策室などのポスター
を掲示していただいているが、#9110番の記載は見かけない」
旨、長谷川委員より、「普通に歩いているときに見るようなところに
はないと思う。携帯電話の画面に表示するという方法もあるのでは
ないか」旨の発言があり、生活安全局長から、「例えば暴力団情報な
ど、個別のテーマに関するポスター等であれば、そこには個別の情
報収集ダイヤルが明示されている場合の方が多いと思う」旨の説明
があった。
 前田委員より、「緊急性のない110番通報であっても、そのまま
受けているという実態があるのではないか。緊急性がないものは他
の窓口にかけ直していただきたい、というくらいのことをしないと
こうした通報は減らないと思う。都道府県警察の通信指令室も困っ
ており、緊急性のない110番通報をする人に対して、良識を持っ
ていただきたい、ということを伝えるくらいでないといけないので
はないか。そのような電話への対応のために緊急性のある通報がつ
ながらないということが最悪であり、警察が悪いわけではないのだ
から、割り切ってそのような対応をしてもよいと思う」旨の発言が
あり、生活安全局長から、「そこはアピールしてまいりたい」旨の説
明があった。
 委員長より、「119番でも、救急車がタクシー代わりに使われる
といった問題が深刻となっているが、これはパブリックサービスの
本旨を逸脱しており、有料化するかどうか、ということが真剣に検
討されたことがある。110番は、緊急性を要するものであり、ど
のような広報戦略が良いのか検討が必要であると思う」旨の発言が
あった。
 長谷川委員より、「緊急性のない通報が25%というのは多いと思
う」旨、前田委員より、「明らかに多いし、減少しないということは、
国民の側に問題があるのか、警察の対応が甘すぎるかのどちらかで
あるが、警察がきちんと対応しないと警察自身が困るのではないか。
24時間動いているのは警察と消防しかないからか、停電になって
も110番に通報がなされるということで、現場は困っている」旨
の発言があり、次長から、「確かに警察イコール110番という印象
が強いので、別の印象付けをすることが必要かも知れない」旨の説
明があった。

(4)京都市山科区における拳銃使用会社社長殺人事件の発生について
(京都府警察)

刑事局長から、12月19日、京都市山科区において発生した拳
銃使用による会社社長殺人事件の概要及び捜査状況について報告が
あった。

(5)福岡県北九州市内における漁業協同組合長に対する拳銃使用殺人
事件の発生について(福岡県警察)

刑事局長から、12月20日、福岡県北九州市内において発生し
た拳銃使用による漁業協同組合長殺人事件の概要及び捜査状況につ
いて報告があった。
 委員長より、「国家公安委員会委員長に就任した際に、総理から暴
力団を始め組織犯罪対策の強化について御指示を頂いている。暴力
団関係者による可能性の高い犯行であり、メンツにかけて、是非犯
人の検挙と事案の解明に取り組んでいただきたい」旨の発言があっ
た。

(6)交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する提言
について

交通局長から、12月26日付けで、民間有識者等で構成する「交
通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会」
から提言がなされた「交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の
在り方に関する提言」の内容及び提言を踏まえた今後の対応につい
て報告があった。
 奥野委員より、「報告にもあったように、管区警察局を通じた指導
だとか、各都道府県公安委員会や警察署協議会からの意見聴取など、
提言を踏まえ、方向を定めて具体策が作られると思うが、特に現場
への説明の徹底をお願いしたい。各県の公安委員会や警察本部を訪
ねた際に、この取締り等の在り方の見直しについて話題となるが、
国での議論が相当誤解されて受け止められていることもあるという
感じがしており、今後、具体策を詰めていく中で、よく説明をする
とともに現場の声を聞く必要があるのではないかと思う」旨の発言
があり、交通局長から、「御指摘のとおりであり、1月に管区別のブ
ロック会議を開催し、交通局の幹部が手分けして、丁寧に説明し、
また、意見もよく聞いてまいりたい」旨の説明があった。
 委員長より、「交通事故抑止に資する取締り・交通規制の在り方に
ついては、春先に各委員から御指摘があり、私も全く同感であった
ので、長官とも相談の上、見直しの検討を始めることとなったもの
であり、6月の全国警察本部長会議で正式に発表させていただき、
それに先立って交通局の課長クラスにより取締りの先進国といわれ
るヨーロッパの4か国を視察していただいたところである。真に事
故抑止に資する取締り、取り締まられた側もある程度納得する取締
りというものの提言をしていただきたいということで、懇談会を立
ち上げ、私もできる限り出席させていただき、懇談会の委員の皆さ
んからは積極的に良い御意見をたくさん頂いた。この提言が出され
てからが大事であると考えており、警察としても真摯にこれを受け
止め、提言の趣旨を実行できるような体制、仕組を作っていただき
たい。日本の警察は世界一であるが、交通警察は国民の皆さんから
の評判があまり良くない。全国8千万人のドライバーがいる中で、
毎年780万人の方が取締りを受けており、乱暴な計算ではあるが、
10年に1回は取締りに遭遇することになる。これまで抜本的な見
直しをしてこなかった分野であるので、よろしくお願いしたい。ま
た、現場の警察官に意識改革をしていただく一方で、深夜などの交
通事故多発時間等に取締りをしたら大幅に人事評価を上げるなど、
交通事故抑止に資する業務の適切な評価についても、現場の警察官
の士気にもかかわってくるので、是非ともそういう総合的な対応を
お願いしたいと思う。各委員におかれても、各都道府県において、
正しく理解され、推進がなされるよう、お力添えいただきたいと思
うし、長官にあっても、指導力を発揮され、しっかりとした取組を
お願いしたい」旨の発言があった。