定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成26年4月17日(木)

午前10時05分 午前11時30分


第2 出席者 古屋委員長、長谷川、髙木、山本、前田、奥野各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長
首席監察官


第3 議事の概要

1 議題事項

(1)犯罪被害者等給付金の裁定(大阪府・滋賀県)に対する審査請求
事案の審理状況及び裁決について

官房長から、犯罪被害者等給付金の裁定に対する審査請求事案の
審理状況及び裁決案について説明があり、原案どおり決定した。

(2)「国家公安委員会関係産業競争力強化法第十二条の規定に基づく内
閣府令の特例に関する措置を定める内閣府令案」について

交通局長から、「国家公安委員会関係産業競争力強化法第十二条
の規定に基づく内閣府令の特例に関する措置を定める内閣府令案」
に関し、3月7日から4月5日までの間に実施した意見募集の結果
及び同内閣府令案の概要について説明があり、原案どおり決定した。

(3)「警察法施行令及び道路交通法施行令の一部を改正する政令案」等
について

交通局長から、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰
に関する法律の施行に伴う警察法施行令その他の関係法令の一部改
正案に関し、3月7日から4月5日までの間に実施した意見募集の
結果及び同改正案の概要について説明があり、原案どおり決定した。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答
を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、そ
の内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)警察官による殺人容疑事案の発生について

首席監察官から、「警視庁の巡査が、4月11日頃、埼玉県狭山市
内において、女性を殺害し自殺した疑いのある事案が発生した」旨
の報告があった。

(3)スクールサポーターの活動状況について

生活安全局長から、スクールサポーターの活動状況について報告
があった。
 奥野委員より、「スクールサポーターに関しては、教育現場におけ
るいじめ問題、少年非行問題への対応として非常に有効であると思
い、注目しているところであり、各都道府県の公安委員や少年警察
の担当者と意見交換をした際には必ずといっていいほど話題になる。
重要施策として推進しているということであり、効果的な活動事例
についての報告があったが、逆に、どうもやはりうまくいかないと
いうような話はないのだろうか。警察OBが学校になかなか溶け込
めないとか、問題を処理するに当たって障害があるといったような
問題があるのであれば、それを正して改善していけばいいと思うの
だが、各都道府県警察からそのような問題点について報告はなされ
ているか」旨の発言があり、生活安全局長から、「各都道府県警察か
らの報告は、効果的な事例が中心となる傾向があるが、委員御指摘
の点についても関心を持って見てまいりたい。ただ、現場レベルで
は、各都道府県の公安委員とスクールサポーターとの対話の機会が
あり、現場の苦労話を含めた情報交換はなされていると思う」旨の
説明があった。
 山本委員より、「従前は、学校というものは、警察を入れることに
消極的だったように思うが、いじめ問題などを背景としてスクール
サポーターの数が非常に増えてきたということで、それは良いこと
だと思う。かつては、社会的なルールを子どもたちに教えるのは家
庭や地域の役割であったが、今ではそのような力が非常に落ちてき
ており、せっかくこのような制度があるので、スクールサポーター
には、いじめの防止のみならず、大きな意味で、社会的なルールを
子どもたちに身に付けさせる役割を担っているという意識を持ちな
がら活動してもらいたい。奥野委員からも御指摘があったように、
うまくいったこと、いかなかったことを含めて情報を共有し、学校
と良好な関係を保ちつつ、活動していただきたい」旨の発言があっ
た。

(4)鳥インフルエンザへの対応状況について

生活安全局長から、4月12日に熊本県内の農場において多数の
鶏が死亡していることが発見されたことにより判明した鳥インフル
エンザへの対応状況について報告があった。

(5)平成26年春の全国交通安全運動の実施結果等について

交通局長から、「平成26年春の全国交通安全運動が、4月6日か
ら15日までの間実施され、各都道府県警察において、運動の重点
等に沿った様々な取組が実施されるとともに、通学路における全国
一斉取締りを実施し、1万2,759件の交通違反を検挙した。期
間中の交通事故死者数は、前年同期比マイナス10人の95人であ
り、統計で確認できる昭和29年秋の運動時以降、期間中の交通事
故死者数としては最少となった」旨の報告があった。

(6)オバマ・アメリカ合衆国大統領来日に伴う警察措置について

警備局長から、「オバマ・アメリカ合衆国大統領は、4月23日か
ら25日までの間、日米首脳会談等のため国賓として来日予定であ
り、これに伴い、所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

(7)国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案に関
する国賠訴訟の一審原告側控訴について

警備局長から、国際テロ対策に係るデータのインターネット上へ
の掲出事案に関する国賠訴訟の一審原告側控訴について報告があっ
た。

(8)サイバーフォースセンターにおける最近のインターネット観測状
況について

情報通信局長から、サイバーフォースセンターにおける最近のイ
ンターネット観測状況について報告があった。
 奥野委員より、「暗号化ソフト『OpenSSL』の脆弱性を突い
た攻撃が急増したということであり、国内での被害はまだ出ていな
いというが、この攻撃の発信元はだいたい掴めているか」旨の発言
があり、情報通信局長から、「4月9日から約1週間の観測結果では、
9割弱が中国からのアクセスであった。ただし、検知した発信元が
踏み台にされている可能性や、世界中のセキュリティ会社や研究者
が脆弱性のあるサイトについて調査のためのアクセスをしているこ
とも想定され、検知されたアクセスがすべて攻撃とはいえないとい
うことには注意しなければならない。いずれにしても、インターネ
ットはセキュリティ上の問題というものを常に抱えているが、その
中でも、今回の脆弱性は『ハート・ブリード』、致命的な脆弱性とい
われているものであり、その対策法が公開されているので、各企業
に急いで対応していただきたいものである。このように脆弱性があ
る以上、各企業には、空振りになってもいいから迅速に対応してい
ただくのが危機管理の鉄則であり、そのような対応が一般ユーザー
の安心につながると思う」旨の説明があり、奥野委員より、「サイバ
ーフォースセンターが、かなり早い段階で不審なアクセスを発見し、
すぐ行動を起こして、迅速に広報し、各機関に警告を発したという
ことは適切な対応だったと思う。このようなインターネット上の危
機管理は時間との勝負であり、素早い対応が被害の発生と拡大を食
い止めることになると思うので、今後も警察からこのような臨機応
変の対応をしていただきたい」旨の発言があり、情報通信局長から、
「今回は、観測を始めてからまだ間がなく、十分な分析はできてい
なかったが、早めにお知らせした方がいいということで、情報提供
を行ったものであり、今後ともそのように対応してまいりたい」旨
の説明があった。

3 その他

(1)官房長から、「航空機内で行われた犯罪その他ある種の行為に関す
る条約」改正議定書の採択について報告があった。

(2)交通局長から、4月13日に兵庫県内及び大阪府内でそれぞれ発
生した警察車両による死亡事故の概要について報告があった。