定例委員会の開催状況

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第1 日 時 平成27年4月9日(木)

午前10時00分午前11時40分

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第2 出席者 山谷委員長、山本、前田、奥野、川本各委員

金長官、坂口次長、栗生官房長、辻生活安全局長、

三浦刑事局長、鈴木交通局長、橋警備局長、川邉情報通信局長

村田審議官(サイバーセキュリティ担当)

野村国家公安委員会会務官

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第3 議事の概要

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 1 議題事項

(1)国家公安委員会に対する審査請求事案の裁決について

国家公安委員会会務官から、国家公安委員会に対する審査請求事案の裁決について説明があり、原案どおり決定した。

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(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

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 2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

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(2)国際刑事警察機構(ICPO)シンガポール総局との連携の強化について

審議官(サイバーセキュリティ担当)から、4月13日に開所される国際刑事警察機構(ICPO)シンガポール総局(IGCI)のトップである総局長に警察庁職員が就任するほか、同総局を通じて、サイバー犯罪対策分野における各国捜査機関との捜査協力及び技術支援を推進するとともに、官民連携を含む諸対策の全世界的規模での展開に積極的に貢献していく旨の報告があった。

川本委員より、「警察庁職員が総局長に就任するなど、この分野では日本の警察が各国をリードしているものと思うが、この分野において日本の警察が各国に貢献できることは何か」旨の発言があり、審議官(サイバーセキュリティ担当)から、「国によっては、予算が不足しているために、人材を十分に確保できておらず、捜査がなかなか進められない状況にあることから、日本警察としては、人材育成の点で貢献できると考えられる。この点について、総局長とも相談しながら進めてまいりたい」旨の説明があった。

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(3)自主防犯活動を行う地域住民・防犯ボランティア団体の活動状況について

生活安全局長から、平成26年12月末現在の自主防犯活動を行う地域住民・ボランティア団体の結成状況、活動状況について報告があった。

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(4)群馬県高崎市における硫酸使用傷害及び器物損壊事件の検挙について

刑事局長から、4月2日に群馬県高崎市内のショッピングセンターにおいて被害者に硫酸を散布し傷害を負わせるなどしたとして、同月7日、群馬県警察が被疑者を傷害罪及び器物損壊罪で通常逮捕した旨の報告があった。

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(5)警察庁・英国内務省間意図表明文書の締結について

警備局長から、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会開催に向けて、英国内務省とのセキュリティに関する協力関係を強化するため、警察庁・英国内務省間で意図表明文書を締結する予定である旨の報告があった。

奥野委員より、「前回の東京オリンピック時とも全く情勢は異なっており、昨今のイスラム教過激派テロの影響で、国際スポーツ大会に対する警備状況も大きく変化していると思われる。そのような状況の中で、英国から最新の情報を提供してもらうのは有効であるが、英国からは、どのような情報が提供されるのか。入場者のチェック等入場者を管理する技術は、ヨーロッパの方が進んでいるのではないか」旨の発言があり、警備局長から、「ロンドン大会のときには、相当のサイバー攻撃が仕掛けられており、また、英国は、長年にわたるIRAとの戦いやロンドンサミットの際の地下鉄テロ等を経験していることから、テロ対策部門に関する情報を共有してまいりたい。また、入場者の管理方法についても、カメラの設置やゲートでのチェック等はヨーロッパの方が進んでいると思われるので、これらの中から、法制面等日本で運用するための様々な条件に見合ったものを導入してまいりたい」旨の発言があった。

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(6)平成27年度標的型メール攻撃対処訓練の実施について

情報通信局長から、平成27年度標的型メール攻撃対処訓練の実施について報告があった。

前田委員より、「訓練対象者には、全職員から長官、次長を除いているが、長官、次長も対象とすべきではないか」旨の発言があり、長官から、「訓練対象とさせていただきたい」旨、情報通信局長から、「公安委員会での提案を踏まえ、幅広く訓練してまいりたい」旨の説明があった。

 

 3 その他

(1)生活安全局長から、平成26年8月、神奈川県の警察署で行方不明者届を受理した認知症の男性について、警視庁の警察署管内で取り扱った際に保護不要とし、その後、同署管内において死体で発見された事案について報告があった。

奥野委員より、「取り扱った警察官に認知症に関する認識がもう少しあれば避けられたと思われる。事案当時は、認知症の方の保護についてマスメディアで大きく取り上げられた時期からあまり日にちが経っていないこともあり、現場の警察官にはまだ徹底されていなかったのではないか。現場への指導・教養や、登録情報と多少の幅があっても検索で発見できるようなシステムの運用等改善点はいろいろとある。この事案を受けて、警視庁、警察庁では、現場に対して指示・通達は出しているのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「警視庁では、今回の事案を踏まえて、保護取扱時においては、先入観を持たず、あらゆる可能性を想定して対応するよう、地域課長会議において、警視庁本部の地域指導課長が指示をしているほか、執務資料も発出して指導の徹底を図っている。また、警察庁においても、全国生活安全・地域担当部長会議において指示することとしたい」旨、長官から、「昨年の問題を受けて警察庁が発出した通達では、認知症と判明したら、幅広く照会するように指示しているが、今回の取扱いでは、認知症という認識がなかった。この点について、認知症に関する指導・教養の問題が突きつけられており、新たな対応が必要になっていると思う。行方不明者が届け出られた2日後に取扱いがあり、さらにその2日後に亡くなられていることを重く受け止め、対応策を講じてまいりたい」旨の説明があった。

山本委員より、「保護者の方、身内の方に対して、認知症の方に連絡先がわかるものを付すなどの措置をできる限り講じてもらうよう、働きかけや広報をすることが必要である。これが徹底されれば、さほど多くの対応手段を講じなくても、身内の方に速やかに連絡が行くようになると思うので、是非ともこの点について考えてもらいたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「昨年の今頃からマスコミでも取り上げられており、介護施設の方等にもそのような措置をしていただくよう働きかけをしてきた。今後も、働きかけを進めてまいりたい」旨の説明があった。

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(2)刑事局長から、元暴力団員が上告していた兵庫県西宮市における公営住宅明渡訴訟について、3月27日、上告を棄却した最高裁判決があった旨の報告があった。