定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成27年5月21日(木)

午前10時00分 〜 午前11時10分

 

 

第2 出席者 山谷委員長、長谷川、山本、前田、奥野、川本各委員

金長官、坂口次長、栗生官房長、辻生活安全局長、

三浦刑事局長、鈴木交通局長、高橋警備局長、川邉情報通信局長

村田審議官(サイバーセキュリティ担当)

小田部生活安全企画課長

 

 

第3 議事の概要

 

1 議題事項

(1)犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行規則の一部を改正する規則案について

官房長から、少年院法の施行に伴い、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行規則第12条について所要の改正を行う同規則の一部を改正する規則案について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)サイバーセキュリティ戦略本部第2回会合の開催について

審議官(サイバーセキュリティ担当)から、サイバーセキュリティ戦略本部の第2回の会合が5月25日に開催され、新たな「サイバーセキュリティ戦略」についての討議等が行われる予定である旨の報告があった。

 

(3)川崎市川崎区における死傷者多数を伴う簡易宿泊所火災の発生について

刑事局長から、5月17日に発生した、川崎市川崎区における死傷者多数を伴う簡易宿泊所火災について報告があった。

 

(4)改正関税法の適用による指定薬物密輸入事件について

刑事局長から、本年4月に指定薬物を密輸入しようとしたとして、5月13日、改正関税法を初適用して、被疑者を関税法違反等で逮捕した旨の報告があった。

 

(5)自動車安全運転センター評議員の任命の認可について

交通局長から、長官専決により、5月19日付けで自動車安全運転センター評議員の任命の認可を行った旨の報告があった。

 

(6)邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会検証報告書について

警備局長から、2月10日以降、シリアにおける邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会を開催してきたところ、5月21日に開催される第5回検証委員会において検証報告書がとりまとめられる予定である旨、併せて、同報告書案における警察関連部分について報告があった。

奥野委員より、「報告書案では、1月20日の動画公開後の対応において、警察庁本庁の人的態勢が必ずしも十分ではなかったとのことだが、これは、事案対応時だけの態勢が不十分だったものか、それとも、恒常的、全体的な態勢が不十分だったものか」旨の発言があり、警備局長から、「後者の意味である。日頃は分析、情勢把握を行いつつ、事案発生時には速やかに移行し、様々な指示・指令等に専従できるための態勢を構築する必要がある」旨の説明があり、奥野委員より、「最近のテロ事件の深刻性、重要性を考えてみれば、警察はこれまでも態勢の整備を進めてはいるものの、全体を見てみるとまだまだ不十分だと言える。アラビア語の専門家の育成等長期的に取り組まなければならない問題はあるが、短期間で対応すべき課題もある。いつまた、このような事件が起きるか分からない情勢にあるので、可能なものはできるだけ速やかに態勢を構築していただきたい」旨の発言があり、長官から、「現在、政府の検証と今後の対策の検討が進んでいるが、これを受ける形で、警察庁におけるテロ対策強化のためのプログラムを策定しているところであり、今後、報告させていただきたい」旨の説明があった。

 

3 その他

(1)生活安全局長から本年5月に東京都内で開催された祭礼について、開催前に「祭り行きますから」等と動画共有サイトに配信し、祭礼主催者に小型無人機の持ち込みや飛行禁止を求める貼り紙を作成させるなどして業務を妨害した事件について、5月21日、被疑者を威力業務妨害罪で逮捕した旨並びに昨年11月、神奈川県大磯町内において、小型無人機で撮影した映像を送信するための無線装置を設置し、無許可で無線局を開設した事件について、5月20日、被疑者を電波法違反で検挙した旨の報告があった。

 

(2)刑事局長から、本年3月12日に発生した、大阪市浪速区における警察官に対する殺人・公務執行妨害等事件について、5月19日、被疑者を検挙した旨の報告があった。

 

(3)交通局長から、本年10月31日に任期満了を迎える自動車安全運転センター理事長の次期選任に係る同センターの方針について報告があった。

 

 (4)議事終了後、委員長より、「御案内のとおり、山本委員におかれては、任期満了により近く御退任になる。山本委員より御退任に当たっての御挨拶を賜りたい」旨の発言があり、山本委員より、「私が弁護士になって43年だが、弁護士として生きてきた中で体験したこと、見たり聞いたりしたこととは全く違ういろいろなことを体験できたことについて、大変ありがたいことだった。5年という期間は決して短くはないが、今にして思うとあっという間に過ぎたと思う。本当に、楽しく、周りの人みんなから、ある意味では敬意を払っていただきながら、仕事ができたことについて、大変ありがたかった。5年の間、大過なく仕事ができたのは、ここにいらっしゃるみなさん方をはじめとして、警察庁あるいは各都道府県警察の本部の方々の御尽力、御協力だったと思う。改めて、御礼を申し上げたい。仕事をさせていただいた中で、警察庁の課題にどう対応したらよいかということを考えたときに、弁護士会あるいは弁護士がもう少し協力してくれたら、課題の解決にプラスではないかと思うことが少なからずあった。ただ、具体的に、そういう方向に進めるようにということを心がけた部分はあったのだが、実際に体験してみて、なかなか厳しい部分があるということもよくわかった。公安委員を離れて、また弁護士に戻った中で、少しでも感じたことを実現できるようにやってみたいと思っている。ただ、どこまでできるかということはわからないので、そういう気持ちで今後取り組んでいくということをお話しさせていただくとともに、みなさんのこれからのますますの御活躍を併せて祈念させていただいて、御挨拶とさせていただきたい。本当にありがとうございました」旨の挨拶があった。

委員長より、「山本委員には、平成22年5月から5年間、国家公安委員会委員の重責を果たしていただいた。平成22年と言えば、刑法犯認知件数などにおいて治安の改善が見られる一方で、未公開株や社債の取引を装う金融商品等取引名目の詐欺等、また、振り込め詐欺以外の特殊詐欺の被害が多発し始めたという時期であり、国民の体感治安は依然として改善しているとは言えない状況の中で、警察を中心に政府を挙げて治安対策を推進しているという時期であった。就任以来の現在に至るまで、山本委員におかれては、豊富な御体験、高い御見識、治安対策上の諸課題について多角的な視点から御指摘をいただいた。また、女性や子供が被害者となる犯罪への対応については、被害者に寄り添った真摯な御意見・御示唆をたくさんいただいた。多忙な中で、全国各地で公安委員会委員との意見交換を積極的に行なっていただいたほか、各都道府県警察の視察を通じて、職員の士気高揚にも配意していただいたところであり、本当に感謝をしている。審議を大変充実したものとしていただき、御礼を申し上げるとともに、今後益々の御健勝、御活躍をお祈り申し上げたい。誠にありがとうございました」旨の送辞があった。