定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成27年5月28日(木)

午前10時00分午前11時45分

 

 

第2 出席者 山谷委員長、長谷川、前田、奥野、川本、北島各委員

金長官、坂口次長、栗生官房長、辻生活安全局長

三浦刑事局長、鈴木交通局長、川邉情報通信局長

塩川審議官(警備局担当)、桑原首席監察官

 

 

第3 議事の概要

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、警視庁の巡査長が女性にわいせつな行為をしたとして4月22日に逮捕された事案に関し、同庁は、6月12日、同巡査長を懲戒免職処分とする予定である旨、鳥取県警察の一般職員が4月29日に酒気帯び運転で物損事故を起こして逃走した事案に関し、同県警察は、6月5日、同職員を懲戒免職処分とする予定である旨並びに岩手県警察の技術職員が5月17日に酒気帯び運転で速度違反をした事案に関し、同県警察は、5月29日、同職員を懲戒免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(3)第18回統一地方選挙における違反取締状況について

刑事局長から、第18回統一地方選挙における違反取締状況について報告があった。

 

(4)指定暴力団五代目工藤會の代表者等の検挙について

刑事局長から、平成26年5月26日に発生した男性に対する刃物使用組織的殺人未遂事件について、5月22日、福岡県警察が指定暴力団五代目工藤會総裁、会長等4人を逮捕した旨の報告があった。

 

(5)平成27年春の全国交通安全運動の実施結果等について

交通局長から、5月11日(月)から20日(水)までの間実施された「平成27年春の全国交通安全運動」の実施結果等について報告があった。

 

(6)警察庁国際テロ対策強化要綱について

審議官(警備局担当)から、警察庁国際テロ対策推進本部において決定する予定である「警察庁国際テロ対策強化要綱」について報告があった。

北島委員より、「今後、取り組むべき重点に、「外国人コミュニティとの連携の強化」とあるが、これはイスラムコミュニティを念頭に置いたものか、それとももっと幅広く考えているものか」旨の発言があり、審議官(警備局担当)から、「イスラム系だけではなく様々な外国人コミュニティも対象として、交通安全講習や防犯講習等を実施することを念頭に置いている。このような活動を通して、いろいろなコミュニティと警察との意思疎通をよくしていくことで、治安の維持向上につながることを期待しているものであり、最初からテロ対策に向かっていくものではない」旨の説明があった。

奥野委員より、「この要綱で様々な対策が掲げられているが、これを必ず実行に移すようにしてほしい。また、国際テロ発生時に派遣されるTRT−2はうまく機能しているのか。現地で十分機能しているのか懸念している。一番重要なことは、日本の情報収集能力、態勢の強化だと思っているが、情報収集活動に関わる人員の増員、レベルアップもさることながら、情報収集活動は相手方と長い付き合いを通じての信頼関係構築が欠かせない世界でもあり、他部署に異動せず継続的に担当ポストにとどまるような人事措置も必要ではないか」旨の発言があり、審議官(警備局担当)から、「本要綱は、期限を切って、概ね5年を目途として施策を推進することとしているので、是非実現させるよう努力してまいりたい。TRT−2については、各方面から評価はいただいているものの、まだまだ不十分であり、本要綱でも課題として記載しているものである。また、担当者の人事については、海外での勤務を含めて繰り返し携わってきている実態は出てきている」旨、長官から「外事や国際テロ対策部門の職員は、若いときから留学したり在外公館に出向したりして、専門的な職員も育ってきている」旨の説明があった。奥野委員より、「今後は、海外の邦人関連施設がテロの対象となる可能性もあり、今回のシリアにおける邦人殺害テロ事件より、更に重大な事件が起き得ることを念頭に置いて態勢強化も含め対処していただきたい」旨の発言があった。

 

(7)広域緊急援助隊発足20周年記念式典及び展示訓練の実施について

審議官(警備局担当)から、広域緊急援助隊発足20周年記念式典及び展示訓練の実施について報告があった。

 

(8)皇太子殿下の第26回全国「みどりの愛護」のつどい御臨席等に伴う警衛警備について

審議官(警備局担当)から、皇太子殿下は、5月29日から30日までの間、第26回全国「みどりの愛護」のつどい御臨席等のため、宮崎県へ行啓になる予定であり、これに伴い所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

 

(9)外為法違反事件被疑者の逮捕について

審議官(警備局担当)から、平成22年1月、貿易会社役員の男らが炭素繊維を中国に不正に輸出した事件について、5月26日、兵庫県警察が被疑者3人を外国為替及び外国貿易法違反で通常逮捕した旨の報告あった。

 

3 その他

 (1)会議冒頭、北島委員から就任の挨拶があった。

 

(2)生活安全局長から、全国の女性警察官の交番配置状況等について報告があった。

奥野委員より、「先日、品川区内で発生した中国人留学生による刺傷事件で、現場に臨場した女性警察官が負傷したが、1人でパトロールしていたのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「本来であれば、警察署から指令を受けて臨場する場合には、防刃衣や防刃手袋等を装着するよう指令を聞きながら現場に行くのだが、今回は別件の取扱いから戻る途中、たまたま現場で事案を直接把握したことから、警察署からの指令を受ける前であり、手袋をはめたり警棒を取り出したりするなどの準備が十分ではないままにとっさに飛び込んでしまった。彼女は剣道や逮捕術の有段者でもあり、普段から相当訓練もしてはいたが、このような結果になってしまった」旨、長官から、「あまり状況がわからぬまま近づいていって、というのが今回の状況であったろうと思われる。刃物を持った男がいるということであれば、交番には必ず男性もいるので、女性一人で行かせることはない」旨の説明があり、奥野委員より、「女性警察官の交番配置が増えると、今回のような事案がまた起き得るのではないかという懸念がある。訓練を受けた女性警察官でも、男性の体力に圧倒されることがあり、特に犯罪者は尋常では考えられない力を出すこともあり得るので、今回の事件を検証していただきたいと思う」旨の発言があり、生活安全局長から、「彼女自身は本当に勇敢に対処したと思うが、この事案については、今後に活かせることはないか確認しなければならないと思うので、本人から現場の状況等を聞き、教訓事項があれば活かしていきたい」旨の説明があった。

 

(3)刑事局長から、志布志事件に係る国家賠償請求訴訟の判決について報告があった。

奥野委員より、「志布志事件が発生した後、警察も猛省し、その後の再発防止策をいろいろ講じているが、今回、こういう国賠訴訟の判決が出たということで、これを真摯に重く受け止め、市民の警察という意識を再認識していただきたい。一方で、選挙違反の捜査・摘発が後ろ向きになってはいけない」旨の発言があり、刑事局長から、「御指摘のとおり、本事件は、いろいろな反省、教訓を数多く含むものであり、かつてこのような事件があったということを組織として忘れないようにしていかなければならないと思う。また、正に、現在、統一地方選挙の取締りも行っているところであるが、そのような点にも留意しながら、各都道府県警察の捜査状況についてより細かく把握、指導するようにしているところである」旨の説明があった。