定例委員会の開催状況

第１　日　時　平成２７年７月１６日（木）

午前１０時００分 〜 午前１１時０５分

第２　出席者　山谷委員長、長谷川、前田、奥野、川本、北島各委員

金��長官、坂口次長、栗生官房長、三浦刑事局長、

鈴木交通局長、��橋警備局長、川邉情報通信局長

島根審議官（生活安全局担当）

第３　議事の概要

１　議題事項

（１）人事案件について

官房長から、７月２４日付けを始めとする警視総監を含む地方警務官３７名の人事案件及びこれに伴う承認の求め等の手続について説明があり、原案のとおり決定した。

（２）　「平成２６年度実績評価書（案）」等について

官房長から、「平成２６年度実績評価書（案）」及び「平成２６年度政策評価実施結果報告書（案）」についてそれぞれ説明があり、原案どおり決定した。

北島委員より、「昨年度と比べ、達成状況の◎の数は同数、○が増えて△が減っている。特殊詐欺対策については、設定された目標自体、達成することが難しいものであったと思う。重要犯罪、重要窃盗犯の検挙の向上については〇から◎の評価になっており、実質を見ても検挙率が向上し、全般的に改善が見られており、評価したいと思う」旨の発言があった。

長谷川委員より、「業績目標「科学技術を活用した捜査の更なる推進」の業績指標「ＤＮＡ型データベースの活用件数」の達成状況が〇となっているのは、被疑者ＤＮＡ型記録がデータベースに登録された遺留ＤＮＡ型記録に一致した件数が前年度より減少したからか、であるとすると、これを増加させるためには何が必要なのか」旨の発言があり、刑事局長から、「基本的には、被疑者ＤＮＡと遺留資料から採取したＤＮＡの両方のＤＮＡ型に係るデータベースを一層充実させることである」旨の説明があり、長官から、「ＤＮＡ型が存在する遺留資料で、鑑識活動を徹底すれば採取できるものについては、その全てを取り切れてはいないと考えている。これらも取り切ることでＤＮＡ型の登録も増え、結果としてヒット件数も増加することとなる」旨の説明があった。

川本委員より、「分量も減少し、言葉使いもわかりやすくなっている。また、省庁によっては全部〇、全部◎という所もある中で、△もあるということで評価できると思う。ただ、犯罪の絶対数が減少している状況では、犯罪の認知件数を過去５年間の平均値よりも減少させるという業務目標は〇になって当然であるし、サイバー犯罪も、実態が増加している状況で検挙件数が増加するのは当然であり、◎と評価してもあまり説得力がないという感じがする。警察の業務は非常に数値化が難しいと思うが、もう少し効果の測定の仕方、目標設定について考えていただきたい。例えば、取調べの適正化については、指導や研修の実施が業績指標に掲げられているが、指導や研修をしたことにより結果がどうなったかというのはわからないので、業績指標として適切なのかどうか。また、難しいとは思うが、例えばスピード化というのはとても大事なので初動捜査について目標設定したり、国民の体感治安、とりわけ増加している外国人観光客がどのように考えているかなどを参考指標としたり、さらに、警察における資源配分の在り方についても考えていただければと思う。なお、政策評価は、中央省庁が全てをコントロールしているということを前提して行われているが、この考え方自体、政府全体として改めていただきたいという問題意識を持っている」旨の発言があり、長谷川委員より、「警察活動を評価する場合の指標の立て方は難しい。社会の方が変わっていったことにより個々人の防犯意識が高まり犯罪が減ったとしても、警察の取組の成果だとするかどうか。認知件数の減少は、全て警察の取組のおかげと言い切れる訳ではない。だから、警察の取組によって向上したことが明確にわかる指標を立てる工夫が必要である」旨の発言があり、官房長から、「両委員の犯罪の認知件数の減少等に関する御指摘については、結局、それらは全て参考指標だという考え方もあり得る。その場合には、国民の協力や社会的サービスの進展の影響もあってこのような結果が出ている、などと指標の立て方に関する考え方を評価書の柱書き等に記載するようなことも検討してみたい」旨の説明があった。

（３）国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

２　報告事項

（１）国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

（２）警察庁長官に対する開示請求に係る決定について（行政機関情報公開法関係）について

官房長から、警察庁長官に対する行政機関情報公開法関係の開示請求に係る決定について報告があった。

（３）平成２７年上半期の刑法犯認知・検挙状況と今後の犯罪抑止対策について【暫定値】

審議官（生活安全局担当）から、平成２７年上半期の刑法犯認知・検挙状況（暫定値）と今後の犯罪抑止対策について報告があった。

長谷川委員より、「年齢層別の検挙人員について、６５歳以上の検挙人員が１４歳から１９歳までの検挙人員を上回ったとのことだが、単にその数値だけをとらえても、母数の多さを表しているに過ぎず、結論は出せないはず。現にそれぞれの年齢層１，０００人当たりの検挙人員を比較すれば、依然として１４歳から１９歳の方が６５歳以上よりずっと多くなっている」旨の発言があった。

（４）五代目工藤會に係る特定危険指定処分取消請求訴訟の判決結果について

刑事局長から、五代目工藤會に係る特定危険指定処分取消請求訴訟の判決結果について報告があった。

（５）平成２５年改正道路交通法施行後１年間の運用状況について

交通局長から、平成２５年改正道路交通法施行後１年間の運用状況について報告があった。

奥野委員より、「１年間運用して効果がはっきり出ているので、道路交通法を改正してよかったと思っている。しかし、法改正当時にも指摘されていたが、なかなか医師の協力が得られないという問題があるので、医師の理解を求める方策をもう少し強化する必要があるのではないか」の旨の発言があり、交通局長から、「認知症対策関係の今年の道路交通法改正の際でも、医師の協力確保は大きな課題となっている。あくまでも任意の制度であり、それぞれの医師の立場もあるだろうが、一方で、協力関係を強化する必要があるというのは御指摘のとおりであり、私どもも問題意識を持っていることから、医師会等関係機関との連携も含め、より一層協力を求めていきたいと思う」旨の説明があり、奥野委員より、「都道府県警察には、各医師会や地域の医師に理解を求め、重点的に働き掛けていただきたい。病気を持つ運転手には生活もあって、運転免許を取り消すというのは相当厳しい判断だと思うが、やはり事故を防ぐにはやむを得ないという基本的な考え方を理解してもらうことに尽きる」旨の発言があった。

（６）天皇皇后両陛下の国際第四紀学連合第１９回大会御臨席等に伴う警衛警備について

警備局長から、７月２６日から２８日までの間、天皇皇后両陛下が国際第四紀学連合第１９回大会御臨席等のため、愛知県へ行幸啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

（７）皇太子殿下の平成２７年度全国高等学校総合体育大会御臨場等に伴う警衛警備について

警備局長から、７月２７日から２９日までの間、皇太子殿下が､平成２７年度全国高等学校総合体育大会御臨場等のため、和歌山県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

３　その他

（１）前田委員より、「７月１３日に開催された全国公安委員会連絡会議に出席した感想を述べたい。交通行政について、その都度個別に実施されている様々な施策については各公安委員にも周知されているようだが、例えば、実勢速度の大幅な乖離を踏まえた速度規制の見直しのように長年かけて行われているものについては、最初の時点では都道府県警察から公安委員会に対して説明しているものの、その後に継続的な説明をしていないために、その施策自体があまり知られていない。長期間にわたる施策については、各県の本部長から公安委員会に継続的に報告するようにしてもらいたい。また、一部の県のみで試行している施策は全国的には公表していないため、知られていないが、全国展開するために試行している訳なので、各公安委員会に対してもある程度は説明した方がよい」旨の発言があり、交通局長から、「速度規制の見直しについては、全国本部長会議において既に指示しているが、改めて、公安委員会にタイミングを見ながら適切な報告をするよう都道府県警察に指導したい」旨の説明があり、長官から、「長期間にわたり取組を行っているものについては、交通以外の分野でも共通して言えることだと思われるので、他局においても報告するように指導してまいりたい」旨の説明があった。