定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成28年3月17日(木)

午前10時00分 〜 午前11時35分

 

 

第2 出席者 長谷川、奥野、川本、北島、木村各委員

金長官、栗生官房長、種谷生活安全局長、三浦刑事局長、井上交通局長、沖田警備局長、川邉情報通信局長

白川審議官(サイバーセキュリティ担当)

 

 

第3 議事の概要

 

1 議題事項

(1)警察法施行令の一部を改正する政令案等について

官房長から、47都道府県警察の地方警察職である警察官の定員を994人増員することなどを内容とする警察法施行令の一部改正案、長官官房にサイバーセキュリティ・情報化審議官を設置することなどを内容とする警察庁組織令の一部改正案等について説明があり、原案どおり決定した。

奥野委員より、「今回の改正は、サイバーセキュリティ対策や国際テロ対策を念頭に置いたものと思うが、例えば、外事課への外事情報調整室の設置では、どの程度の増員となるのか」旨の発言があり、官房長から、「増員については、組織改正によって新たに組織が設置されるとしても、その組織について直ちに措置されるものではなく、最近の情勢を受けて、外事情報部を含め、国際テロ対策やサイバーセキュリティ対策の強化等全庁的な重要課題について予定されている」旨の説明があった。

 

(2)国家公安委員会の権限に属する事項の専決区分の見直し()について

官房長から、国家公安委員会の権限に属する事項の専決区分の見直しについて説明があり、原案どおり決定した。

川本委員より、「専決区分の見直しは、形式から実質へということで非常に良い。もっと警察庁に任せてよいことはあると思うので、不断の見直しをしていただきたい」旨の発言があった。

木村委員より、「専決区分の見直しは事務合理化のためという説明だが、私は、国家公安委員会の権限を警察庁に委任し、迅速な執行を行うため、という考え方の方が良いと思う。いずれにせよ、しっかりと見直しを進めていただきたい」旨の発言があった。

北島委員より、「私も、今回の専決区分の見直しについては、歓迎の意を表明しておきたい」旨の発言があった。

 

(3)警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律施行令の一部を改正する政令案について

官房長から、介護給付の月額の改定を行うことを内容とする「警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律施行令」の一部改正案について説明があり、原案どおり決定した

 

(4)犯罪被害者等給付金の裁定(兵庫県・北海道)に対する審査請求事案の審理状況及び裁決について

官房長から、犯罪被害者等給付金の裁定に対する審査請求事案の審理状況及び裁決案について説明があり、原案どおり決定した。

奥野委員より、「児童が被害に遭った場合、収入がないので、障害給付基礎額のベースが最低額となり、非常に低い給付額にならざるを得ない。これを引き上げるには法令改正が必要なのか」旨の発言があり、官房長から、「そのとおりである」旨の説明があった。

 

(5)児童の性的搾取等に係る対策に関する業務の基本方針について

生活安全局長から、児童の性的搾取等に係る対策に関する総合調整等の業務を国家公安委員会において行うことを内容とする「児童の性的搾取等に係る対策に関する基本方針」(閣議決定案)について説明があり、原案どおり決定した。

川本委員より、「日本社会は、この問題の認知が著しく遅れており、国際的に本当に恥ずかしい思いをしてきたので、ようやく政府としての重要課題となってよかった。是非、本気で取り組んでいただきたい」旨の発言があった。

木村委員より、「少子化社会と言われている中で、やはり子供を大事にすることが重要である。基本方針はもちろんだが、具体的にどうするかが問題であり、警察や我々も含めて、いろいろとアイディアを出しながら真剣に考えていく必要がある」旨の発言があった。

 

(6)国家公安委員会関係警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律施行規則の一部を改正する規則案について

刑事局長から、規定されていた「死体調査等記録書」の様式を廃止することを内容とする、「国家公安委員会関係警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律施行規則」の一部改正案について説明があり、原案どおり決定した。

長谷川委員より、「効率的に捜査を行うために、各都道府県警察で過去に作成された記録書を全国的に検索できるようにするのが良いのではないか」旨の発言があり、刑事局長から、「各都道府県警察が整備している現行のシステムを踏まえ、どのようなことが可能なのか研究することとしたい」旨の説明があった。

 

(7)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)警察庁におけるワークライフバランス等の推進のための取組計画の策定について

官房長から、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の成立を受け、従来の「警察庁における女性職員の活躍と全職員のワークライフバランス等の推進のための取組計画」を改正し、新たに策定した「警察庁におけるワークライフバランス等の推進のための取組計画」について報告があった。

北島委員より、「非常に立派な取組計画であり、しっかりと進めていただきたい。意識改革が最も重要であり、その上で、幹部の率先した休暇取得、国会対応のスリム化ができるかどうかについて、特に関心がある」旨の発言があった。

木村委員より、「ある意味では、本件は業務改善運動である。5年計画ではあるが、時折進捗状況を報告していただきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「特に関心を持ったのが、仕事と子育てや介護を両立する職員への支援として、警察大学校等の教養の在り方を検討するという点である。警部昇進後の教養のために警察大学校に4か月入寮することは女性には非常に負担であるとの意見が現場でも聞こえてくる。このような長期入寮を伴う教養について、どのように見直す方針か」旨の発言があり、官房長から、「一部の教養については、入寮制を通勤制に改めることを試験的に始めており、それ以外の各種教養についても見直しの検討を進めている。本取組計画に示されたことについては、実行できるものと考えており、進捗状況については報告させていただきたい」旨の説明があり、奥野委員より、「警察は、特殊な現場を持つ組織であり、「同じ釜の飯を食う」ことで一体感を持つことも必要だと思う一方、警察大学校での長期研修は、育児等の家庭事情を伴う女性職員には大きな負担となり、昇任を希望しない、退職するなど優秀な人材を失うという負の側面もある。代替コースを用意するなど見直しが必要ではないか」旨の発言があり、長官から、「警察官に任命された直後は教育の一環として、全員が警察学校に宿泊して研修を受けることも意味はあると思う。しかし、年齢を重ね警部に昇任した場合には、異なる対応でもよいのではないかとの考え方もあると思う」旨の説明があり、奥野委員より、「途中でも良いので、検討状況をまた教えていただきたい」旨の発言があった。

川本委員より、「取組計画に盛り込まれた事項は、しっかりと長官からの命令体系に組み込んだ形で職員に示すべきである。また、取組計画には、育児等により勤務時間に制約のある職員が自分を追い込んだり、両立支援制度の利用に引け目を感じずに済むよう、時間外勤務を当然とする意識を改革するとか、案件に応じ管理職員が直接連絡・調整を行うなどして効率的かつ迅速な意思決定を行うよう努めるといった、当たり前と思われる表現もあるが、このようなこと一つ一つを管理職員にしっかりと指示していただきたい。また、警察大学校における研修に際しての4か月の入寮は、問題ではないかと思う」旨の発言があった。

 

(3)平成27年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢について

審議官(サイバーセキュリティ担当)から、平成27年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢についての報告があった。

 

(4)防犯ボランティア団体の現況及び活動支援に向けた取組について

生活安全局長から、27年12月末現在の防犯ボランティア団体の現況及び活動支援に向けた取組について報告があった。

北島委員より、「サイバー空間における防犯活動のボランティアは、若い方でないとなかなか難しいと思われるが、大事な課題であるので、警察としても推奨して推進させていただきたい」旨の発言があった。

木村委員より、「少年犯罪や少年が被害に遭う犯罪の防止は重要であるが、学校や親だけで防止することは困難であり、地域のコミュニティによる防犯活動もどこまで抑止力になるかどうか分からない。やはり、警察OBが地域のボランティア団体と連携して子供への指導を行うなど、地域における防犯機能を質的に向上させることが大事だと思う」旨の発言があった。

川本委員より、「若い方がサイバーボランティアに参加してもらうことは非常に良い。サイバー犯罪では少年による犯罪ばかりがマスコミで大きく捉えられているが、サイバーボランティアへの参加を長官表彰するなどして地位向上を図っていただきたい」旨の発言があった。

 

(5)平成27年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等の対応状況について

生活安全局長から、平成27年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等の対応状況について報告があった。

木村委員より、「ストーカーは病気なので、その防止は非常に難しい。警察も警告したりしているが、どうしたら一番実効性があるのか、予防面でも検討する必要があるのではないかと思う」旨の発言があり、生活安全局長から、「最近では、ストーカー行為を認知したら、できるだけ早い段階で加害者の身柄を拘束するようにして先制的に対策を講じている。また、釈放されたときには、行政手段である警告や禁止命令を行っている。」旨の説明があった。

 

(6)平成27年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について

生活安全局長から、平成27年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について報告があった。