定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成28年4月7日(木)

午前10時15分 〜 午前11時35分

 

 

第2 出席者 河野委員長、長谷川、奥野、川本、北島、木村各委員

金長官、坂口次長、栗生官房長、種谷生活安全局長、

三浦刑事局長、井上交通局長、沖田警備局長、川邉情報通信局長

 

 

第3 議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、4月15日付け暴力団対策法審査専門委員6名の任命について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)児童の性的搾取等に係る対策に関する関係府省庁連絡会議の設置について

生活安全局長から、犯罪対策閣僚会議の下に設置されている児童ポルノ排除対策ワーキングチームを廃止し、国家公安委員長を議長とする「児童の性的搾取等に係る対策に関する関係府省庁連絡会議」を設置することについて説明があり、原案どおり決定した。

 

(3)神戸山口組の指定の確認について

刑事局長から、兵庫県公安委員会から受理した神戸山口組に対する指定暴力団としての指定の確認請求について、審査専門委員の意見聴取を終えたことから、本日、国家公安委員会による確認を求め、兵庫県公安委員会に通知する旨の説明があり、原案どおり決定した

北島委員より、「速やかに指定されることになったことを評価したい」旨の発言があった。

奥野委員より、「この後は、特定抗争指定暴力団としての指定も考えられるが、指定暴力団として速やかに指定することにより、かなりの動きを封じ込めることができるのではないかと思う。しかし、一般市民を巻き込むような対立抗争に発展する可能性もあり、しっかりと対応していただきたい」旨の発言があり、刑事局長から、「特定抗争指定暴力団等の指定は、神戸山口組の指定後、両団体間の暴力行為の発生状況を踏まえ、的確に判断してまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)「国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令案」について

警備局長から、「国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法施行令」の一部を改正する政令案について説明があり、原案どおり決定した。

 

(5)「国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律施行令案」等に対する意見の募集について

警備局長から、「国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律施行令案」等に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した。

 

(6)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)違法中継サーバを利用した不正アクセス行為の実態解明と被害防止対策の推進について

生活安全局長から、平成27年11月に警視庁等15都道府県警察による合同捜査本部が検挙した中継サーバ事業者等による不正アクセス法違反事件において、企業サイトに対する不正アクセス事案に関する情報を発見したことから、不正アクセスの対象となった各社に対し、同捜査本部が不正アクセス事案の被害防止対策について要請した旨の報告があった。

 

(3)平成27年度「総合セキュリティ対策会議」報告書について

生活安全局長から、平成27年度「総合セキュリティ対策会議」報告書について報告があった。

北島委員より、「数箇月の議論を経て、立派な報告書が作成されたという印象である。警察の課題、民間事業者の課題がかなり浮き彫りになっており、難しいものもあるがしっかりと取り組んでいただきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「サイバー犯罪捜査でプロバイダ等に対し差押えを行うには、プロバイダの多くが拠点を持つ東京まで捜査員が令状を持って出張するケースが多く、これが地方の警察に大きな負担となっていると聞く。この手続は刑事訴訟法を改正しなければ変えられないのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「そのとおりである。現在、サイバー犯罪対策部門の一部においては、地方の警察から警視庁に捜査員を派遣する全国協働捜査方式等を採用しており、これを活用して警視庁が差押許可状を執行することも可能であるが、プロバイダ等に対する差押えは、他部門でも必要であり、それらの部門では、捜査元の道府県警察で令状を請求して、東京まで出張して執行しなければならない」旨の説明があり、奥野委員より、「時代や状況が大きく変化しているので、捜査手続も変えていかなければならない。簡易な手続が可能となるよう、できる限り速やかに改正されるべきである」旨の発言があった。

委員長より、「執行においては、タブレットで令状を示すことはできないのか」旨の発言があり、刑事局長から、「令状の様式も規定されており、書面で令状を示さなければならない」旨の説明があった。

川本委員より、「議論を広げて、国の制度をアップデートしていく必要がある」旨の発言があり、生活安全局長より、「問題提起の形にとどまってはいるが、今後の大きな問題として議論してまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)埼玉県朝霞市内における女子中学生誘拐事件の検挙について

刑事局長から、平成26年3月、埼玉県朝霞市内において女子中学生が行方不明になった事案について、本年3月27日、埼玉県警察等が同女を保護するとともに、同月31日、被疑者を未成年者誘拐罪で通常逮捕した旨の報告があった。

木村委員より、「被害者の発見以降、連日ワイドショー的な報道が続いているが、被害者及び家族の方への影響を考慮すると、警察から報道機関への情報提供の在り方を再考する必要があるのではないか」旨の発言があり、刑事局長から、「マスコミの独自取材に基づく報道も相当あり、警察だけで報道をコントロールすることは難しい。しかし、警察としては、被害者の方の名誉、プライバシーに関する部分は絶対に守らなければならないという点は認識しており、二次被害に至らないよう配慮している」旨の説明があった。

 

(5)「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン案」に対する意見の募集等について

交通局長から、昨年10月に設置された「自動走行の制度的課題等に関する調査検討委員会」がとりまとめた「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン案」に対して意見の募集を行う旨、並びに本年2月に日本が正式メンバーとなった国際連合欧州経済委員会道路交通安全作業部会の第72回セッションが3月29日から4月1日までの間に開催された旨の報告があった。

木村委員より、「現在、警察庁や国土交通省において様々な検討がなされているが、国民レベルではどのようなメリット、デメリットがあるのかという点を、もう少しアピールする必要があるのではないか」旨、奥野委員より、「ガイドラインが策定されたことは歓迎したい。自動走行についての警察としての重要な課題は、刑事上の責任の問題と交通規制の在り方だと思う。非常に難しい課題であり、また、我々の想像よりも技術開発が早く進む可能性もあるが、警察の交通行政の大きな転換にもなり得るので、しっかりと取り組んでいただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「調査研究は本年度も継続することとなっており、御指摘の点を含めて、更に研究を進めてまいりたい」旨の説明があった。

 

(6)G7広島外務大臣会合に係る警護警備について

警備局長から、4月10日及び11日、G7外務大臣会合が広島市において開催される予定であり、所要の警護警備を実施する旨の報告あった。

 

(7)平成27年における情報技術解析の実施状況について

情報通信局長から、平成27年における情報技術解析の実施状況について報告があった。

北島委員より、「昨年度、高度情報技術解析センターとサイバーフォースセンターに視察に行って、非常に難しい業務をしているという印象を受けた。今後とも、頑張っていただきたい」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)交通局長から、長野県軽井沢町における大型貸切バス転落事故の発生を受けた長野県警察、自由民主党及び国土交通省の取組について報告があった。

木村委員より、「先日、訪日外国人観光客数を2020年までに4千万人、2030年までに6千万人とする目標を政府で決定するなど、今後、バスの需要は高まってくるだろう。国土交通省が中心となって行うものではあるが、先進安全技術が搭載された新型車への代替の促進等今後の取組が進むよう、警察庁が国土交通省と意見交換したり、あるいは国土交通省をサポートしたりすることも必要ではないかと思う」旨の発言があった。

川本委員より、「取組は良いが、今までの規制の方法では間に合わない部分がたくさんあると思う。特に、国土交通省が行う監査事務の補完は、少し遅れがちな感じがする。警察庁としても、国土交通省とよく連携をして、事故を風化させないようにしていただきたい」旨の発言があった。