定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成28年4月14日(木)

午前10時00分午前11時00分

 

 

第2 出席者 河野委員長、長谷川、奥野、川本、北島、木村各委員

金長官、坂口次長、栗生官房長、種谷生活安全局長、

井上交通局長、川邉情報通信局長

白川審議官(国際担当)、露木審議官(刑事局担当)、斉藤審議官(警備局担当)

 

 

第3 議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、5月10日付け地方警務官1名の人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)平成28年度国家公安委員会・警察庁交通安全業務計画()について

交通局長から、平成28年度国家公安委員会・警察庁交通安全業務計画()について説明があり、原案どおり決定した。

奥野委員より、「高齢者による法令違反に起因する死亡事故が多いものの、高齢者に対する交通安全教育、広報啓発の効果を上げるのが難しいことは、これまでも本委員会で指摘されてきた。本業務計画の実施項目としても、「歩行者の法令違反に対する指導」が明記され、高齢歩行者への安全指導を地域の会合や自宅訪問を通じて進めていくとあるが、高齢歩行者の交通ルールを周知させ、理解を求めることは容易ではなく、従来どおりの方法では違反者は減らないだろう。もっと効果的な方策はないのか」旨の発言があり、交通局長から、「最近では、例えば、車両が走ってくるシーンを疑似的に再現して、模擬横断歩道を歩くといった、実際の横断行動を体験できるシステムを活用したりして、教育を効果的に行えるようにしている」旨の説明があり、奥野委員より、「昨年の道交法改正で、高齢者のドライバーを対象として、臨時認知機能検査と臨時講習制度を導入したが、高齢歩行者対策は含まれていない。発想を転換し、法令違反の高齢歩行者を積極的に取り締まることは考えられないのか。最近の歩行者の法令違反に対する取締りは数件のみであり、事実上なされていないのが現状である。自転車の運転者の取締りも従前より多く行われるようになったが、歩行者は、依然として「被害者」、「交通弱者」と位置付けられている以上、交通事故の第一当事者となるような悪質な法令違反があっても取締りはできないということか」旨、委員長より、「歩行者は交通弱者ではあるが、法令違反により多くの死亡事故につながっているという現状を考えると、放置できないのではないか」旨の発言があり、交通局長から、「高齢歩行者を積極的に取締り対象と位置付けるように方針転換することは困難であるが、法令違反となるような行動をしている高齢歩行者に対しては、現場において指導・警告を積極的に行うことにより、啓発効果を上げてまいりたい」旨の説明があり、奥野委員より、「高齢歩行者に対する広報啓発は、工夫を凝らしていただきたい」旨の発言があった。

川本委員より、「高齢者の自転車運転者も法令違反が多いと思うが、その点はしっかりと取り締まるべきではないか」旨の発言があり、交通局長から、「そのとおりである」旨の説明があり、川本委員より、「高齢者との接触の機会が少ないために教育が難しいとのことだが、今回、民生委員のほか、社会福祉士との連携も明記しており、コミュニケーションをとる機会を増やしていただきたい。なお、警察は、社会のルールを犯してきた者や安全・安心に特に関心が高い者とのチャンネルはあるが、普通の高齢者のような善意の一般市民とはあまり接点がなく、その点の意識も薄いように見える。交通安全教育に限らず、接触や啓蒙の機会を確保するためには、もう少し工夫が必要ではないか」旨の発言があり、長官から、「高齢者に直接アプローチする機会が、免許保有者以外はなかなか無いということが問題である。法令違反をした横断歩行中に死亡事故がこれだけ多いということをうまく伝えれば、高齢者も気をつけると思うが、そのためにはあらゆるツールを使うことが必要である。例えば、インターネットを使って高齢者を啓発するという発想は無かったが、家族や周囲の方がこの実態を知れば、高齢者に対してかなり注意喚起するので、それなりの効果が上がると思う。このように、高齢者への啓発のために高齢者以外の方の協力を得るということも必要である」旨の説明があり、委員長より、「朝のテレビのニュースで取り上げてもらえば高齢者にも見てもらえると思う」旨の発言があった。

木村委員より、「交通量が多く、事故も発生している都心の交差点でも、右折信号機が設置されていないところがある。本業務計画においても、信号機の効果的な整備が明記されていることから、安全・安心な街づくりのためにも、積極的な右折信号機の設置について御検討いただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「交差点における右折車と直進車との事故防止及び交通の円滑化の観点から、矢印信号を出して右折と直進を分離する信号機の整備を進めているところであり、今後とも整備してまいりたい」旨の説明があった。

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)平成27年における出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策について

生活安全局長から、平成27年における出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策について報告があった。

北島委員より、「先日、奥野委員と一緒に「青少年のスマホ利用のリスクと対策」をテーマとした警察政策フォーラムにうかがった。ある有識者から、利用者がフィルタリング利用の敷居が高いことから、もっと簡単に利用できるように改善すべきとの指摘があったが、フィルタリングの普及のためにはこの点が重要であるので、しっかりと進めていただきたい」旨の発言があった。

川本委員より、「ブランド力のある事業者のアカウントが犯罪に利用されているということは、あまり世間に周知されていないが、親としても衝撃的な話だと思う。この点をどのように周知させるかが課題である」旨の発言があり、生活安全局長から、「アメリカに本社がある大手事業者のアカウントが犯罪に利用されるケースが多いことは同事業者にも連絡しており、また事業者の了解を得て、警察庁から報道機関にも情報提供をしている。複数のアカウントを取得できる点は、既にアメリカ国内でも問題になっている。アメリカ本社で対応してもらわなければならない問題ではあるが、日本支社に対しても、日本側から問題点をしっかりと申し入れなければならない」旨の説明があった。

 

(3)G7広島外務大臣会合に係る警護警備結果について

審議官(警備局担当)から、4月10日及び11日に広島市において開催されたG7外務大臣会合に係る警護警備結果について報告があった。

奥野委員より、「今回の警備は結果的に何ごとも無く終わったが、実施に至るまでの過程、準備とともに、想定外のことへの対応等、たいへんな苦労があったと思う。先日のベルギーでのテロ事件の発生もあり、今回の外相会合では、日本の警備力、警察力に対して世界的に高い関心が示されていたのではないかという印象がある。これからが本番なので、引き続き緊張感を持って頑張っていただきたい」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)審議官(国際担当)から、G7外務大臣会合で採択された共同コミュニケにおける警察関連事項について報告があった。