定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年1月12日(木)

午前10時30分 〜 午前11時15分

 

 

第2 出席者 松本委員長、長谷川、奥野、川本、北島、木村各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、種谷生活安全局長、

吉田刑事局長、井上交通局長、松本警備局長、川邉情報通信局長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)沖縄県警察官の増員等について

官房長から、昨年12月、沖縄県において「沖縄県警察職員の定員に関する条例の一部を改正する条例」が成立、1月1日に施行されたことで、沖縄県警察官の定員が100人増員したことなどについて報告があった。

北島委員より、「増員された分を速やかに確保するため、1月中旬から他の都府県警察の警察官を沖縄県警察に出向させるが、これに当たり、沖縄県の情勢や歴史等について出向者に研修することとしたのは非常に大事であり、良いことだと思う」旨の発言があった。

川本委員より、「昨年10月に沖縄県警察官の増員に関する警察法施行令の改正について議論した際、長谷川委員より、増強前と増強後でのデータを分析して施策の効果を検証すべきとの意見が出されたが、その点をしっかりと行っていただきたい」旨の発言があり、官房長から、「前後のデータを比較して、どのような変化が生じたのかよく見ていきたい」旨の説明があった。

 

(2)監察の取扱い事案について

官房長から、28年12月17日、兵庫県警察の巡査部長が覚せい剤取締法違反で現行犯逮捕された事案に関し、本年1月13日、同県警察は、同巡査部長を免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(3)高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議の開催について

交通局長から、「高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議」を開催する旨の報告があった。

北島委員より、「有識者会議において良い結果が得られることについて期待感を表明しておきたい。特に地方において見られることだが、高齢者の移動手段をどのように確保していくかという点は大きな問題であり、その点も議論されるのか」旨の発言があり、交通局長から、「今回の有識者会議では、高齢者の移動手段の確保に関する施策を担当している国土交通省総合政策局公共交通政策部交通計画課長にも関係府省の一員として参画していただいている。総理の御指示の3点のうちの2点目の「社会全体で高齢者の生活を支える体制の整備」については主に、自動車の運転に不安を感じる高齢者が公共交通機関等を利用しやすくするために必要な方策を幅広く検討するということであるので、その点も十分意識して検討を進めてまいりたいと考えている」旨の説明があった。

川本委員より、「兼職制限がかけられている企業の会社員がマイナンバー制度の導入により、雇い主の許可を取らずに運転代行業のアルバイトをできなくなったため、運転代行業者がドライバーを確保できず、倒産したという実態が一部にある。代替手段のドライバーの確保という点については、兼職制限にも踏み込んで検討する必要があると思うが、公共交通機関を所管する国土交通省だけでは難しいので、関係機関がしっかりと連携して対応してもらいたい」旨の発言があり、交通局長から、「働き方改革の一環として、兼業規制を緩和する方針の検討が始まったという報道も新聞等で拝見している。御指摘の運転代行業については、飲酒運転の防止対策の側面も強いところであるが、御指摘のとおり移動手段の確保という問題とも関連するので、運転代行業の実態をよく精査したいと考えている」旨の説明があった。

奥野委員より、「平成28年の交通事故死亡者数は、暫定値ながら4,000人を割り込み、昭和24年以来の3,000人台に減少したということだが、これは、警察当局はもとより関係機関、一般市民の協力等交通安全に取り組んだ多くの方々の努力の成果と受け止めており、評価したい。2020年までに2,500人以下に減らすという政府目標達成にはまだ遠いが、更に1人でも減らす努力を続けてほしい。今回の有識者会議は6月までに結論をまとめるとのことだが、その後の作業はどのように進むのか」旨の発言があり、交通局長から、「一定の提言を本年6月までにとりまとめ、例えば警察庁及び関係府省において、提言の内容を平成30年度予算の概算要求に何らかの形で反映するということを考えている。ただし、本年3月12日に施行される改正道交法の施行状況を見極める必要があるので、免許制度の在り方については、提言の取りまとめ後も継続して検討を続ける必要があると考えているところである」旨の説明があり、奥野委員より、「今年の警察の交通政策上の最大の課題は、高齢運転者による事故防止対策であり、高齢者による事故は今後も続くことが懸念される。できるだけ速やかに対策を取りまとめるようにしていただきたい」旨の発言があった。

木村委員より、「半年くらいで全てまとまるような対策ではないと思うので、6月以降もフォローすることが必要である。川本委員の発言のとおり、社会の様々な部分に影響を与えることなので、継続的に検討していただきたい」旨の発言があった。

長谷川委員より、「今回、会議の開催に関して高齢運転者の事故に関する様々な分析結果の説明を受けたが、とても良かった。有識者会議の場では、報道の印象にとらわれず、正確なデータを基に有識者の方々から御意見をいただくことが必要なので、この分析結果をまず説明していただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「第1回有識者会議でも、高齢運転者に係る交通事故分析について説明した上で、議論していきたいと考えている」旨の説明があった。

川本委員より、「交通事故死亡者数が4,000人を割り込んだことは賞賛されるべきことである。しかし、報道を見ると、様々な施策の組み合わせの結果であると交通局が説明していたようだが、もう少し踏み込んで、統計分析の高度化やエビデンス・ベースドの政策を試みたことを説明すると、世の中全体もそちらの方向に関心が向くのではないかと思う」旨の発言があった。

 

(4)革マル派非公然アジトの摘発等について

警備局長から、1月10日、革マル派幹部活動家による有印私文書偽造・同行使事件に関連し、警視庁等が非公然アジトを摘発した旨の報告があった。

木村委員より、「極左暴力集団は組織が減退しているという話も聞くが、依然として活動を続けていることから、やはり注意しておく必要がある。最近の極左暴力集団の情勢はどのようになっているのか」旨の発言があり、警備局長から、「主要な勢力としては、革マル派と中核派であり、現在、武装闘争は控えているものの、過去には内ゲバ等で多くの死者を出しており、襲撃の実行犯は今でも組織に残っているものと思われる。他方、革労協については、勢力は小さいものの、飛翔弾を発射する能力を依然として有しており、ここ数年でも飛翔弾発射事件を引き起こしている」旨の説明があり、木村委員より、「昔の赤軍のように、中東の勢力とつながったりしないのか。また、若い世代はいないのか」旨の発言があり、警備局長から、「現時点では海外の武装勢力とつながることは考えにくい。また、大学における極左暴力集団は、以前に比べれば減少しているものの、一部の大学では、いまだ一定数が活動しており、大学でのオルグ活動も見られる」旨の説明があった。

 

3 その他

(1)木村委員より、「先日の新聞で、京都府警察で捜査や犯罪抑止対策にビッグデータを活用しており、今度、警視庁でも始めるという記事を見た。このような取組は、早期に全国的に展開するべきではないか」旨の発言があり、長官から、「このような先進的な取組事例については、様々な機会を通じて各都道府県警察に紹介し、考える材料を提供したい」旨、生活安全局長から、「各県においてそれぞれ取り組んでいるところもあるので、紹介してまいりたい」旨の説明があり、木村委員より、「民間企業においてもAIやIoTをどのように導入するのかなどは非常に難しいものだが、積極的に進めてみて、必要があれば少しずつ修正を加えていくということが必要だと思う。警察庁の生産性の向上についても、後日、改めて説明していただきたい」旨の発言があった。