定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年2月2日(木)

午前10時00分 〜 午前11時25分

 

 

第2 出席者 長谷川、奥野、川本、北島、木村各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、

吉田刑事局長、井上交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、2月13日付けを始めとする地方警務官66名の人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)遺失物法施行規則の一部を改正する規則案について

生活安全局長から、拾得物の費用請求権等の権利の放棄等に係る規定の改正等を内容とする遺失物法施行規則の一部を改正する規則案及び意見の募集結果について説明があり、原案どおり決定した

 

(3)原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案について

警備局長から、国際原子力機関の勧告等を踏まえ、我が国の原子力利用における安全対策の一層の強化を図るため、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律、放射性同位元素等による放射性障害の防止に関する法律、放射線障害防止の技術的基準に関する法律を一括して改正する法律案について説明があり、原案どおり決定した。

 

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)平成28年の特殊詐欺認知・検挙状況等について

刑事局長から、平成28年の特殊詐欺認知・検挙状況等及び特殊詐欺事件対策について報告があった。

北島委員より、「犯行グループの壊滅に向けた今後の取組としては、通信傍受、協議・合意制度の活用を念頭において推進することが非常に大事だと思う。また、犯行使用電話への対策については、総務省との協議が必要ではあるが、今後ともしっかりと進めていただきたい」旨の発言があった。

木村委員より、「高齢者対策においては、家族だけではなく社会で高齢者を守るという視点が重要だと思う。交番や駐在所が地域コミュニティの中心となってネットワークを構築するべきではないか。先日、岩手県盛岡市内の駐在所を視察し、女性の駐在所長から話を聞いたが、様々な相談を受けたり、防犯の啓発をしたりして、地域コミュニティの中心として活動していた。そのような取組の推進についても検討していただきたい」旨の発言があり、刑事局長から、「地域コミュニティを通じた高齢者に対する被害抑止の取組を各県で工夫しながら進めており、警察官だけでなく、例えば、高齢者と接触がある民生委員にも活動してもらっている。福岡県では、高齢者がよく行く寺の僧侶に御協力をいただき、このような手口が広まっているという講話をしてもらうなど、様々な機会を捉えて高齢者のコミュニティに接触して啓発をする取組をしている。また、社会全体では、いろいろな業種の方が、高齢者を守る意識を高めるような取組も行っている。このような取組を更に進めていきたい」旨の説明があり、木村委員より、「高齢化社会が進むと、町内会や民生委員の方も含めてみんなで守っていかなければならなくなることから、警察における交番・駐在所の役割が大きくなるのではないか。是非とも、交番・駐在所をしっかりと活用していただきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「被害抑止のため、警察、家族、地域社会が様々な取組をしているが、電話が来ると注意事項をすっかり忘れてしまい、冷静な判断ができなくなって騙されてしまうのが特殊詐欺である。実際、高齢被害者のかなりの割合が特殊詐欺の危険性について何らかの機会に話を聞いて知っていたとの調査報告もある。啓発活動に限界があるならば、システム的に被害を阻止せざるを得ない。そこで、今、一部の都府県で進められている、一定期間ATMでの振込実績がない高齢者のATM振込限度額をゼロ円等小額に設定するという取組を、更に多くの金融機関に協力を求めていくことは難しいのか」旨の発言があり、刑事局長から、「警察としては、効果がある対策であると認識している。利用者に対する利便性の問題があるが、地域の信用金庫では、システムの改修に手間が掛らない、利用者も顔見知りの方が多いので理解が得られやすいなどの事情があると聞いている。金融機関によってはシステムが他機関と接続しているといった技術的な問題もあると聞いており、財務局、金融庁とも連携をしながら、コストとベネフィットとの関係も考えて、広げていきたいと考えている」旨の説明があり、奥野委員より、「限度額がゼロ円等になると不便さを感じる高齢者もいるだろうが、特殊詐欺の阻止につながることから、若干のサービス低下を招くとしてもやむを得ないのではないだろうか。是非、これは推進していただきたい」旨の発言があり、刑事局長から、「被害実態をあまねく一般の方に知っていただき、不便があるのは、このような背景があるからだということをしっかりと説明をしながら、対策を取っていくことが必要である」旨の説明があり、川本委員より、「システムの問題を挙げていたが、大手金融機関の方が対策を進めやすいのではないか。その点をよく調べていただきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「特殊詐欺の検挙人員は、暴力団構成員等が3割前後を占めている。特殊詐欺の所管は捜査第二課だが、暴力団対策を専門とする組織犯罪対策部門の協力を得るなど、部門間の連携、協力、情報共有をもっと強化すべきだと考える」旨の発言があり、刑事局長から、「連携は改善されてきているが、主として暴力団対策部門が持っている情報と、捜査第二課が持っている情報の共有について、まだ改善の余地があると思われるので、今後進めていきたい」旨の説明があった。

木村委員より、「末端の受け子の検挙に留まり、主犯格まで検挙できていないように思う。暴力団が関与しているとの話も聞くが、実際に主犯格までたどり着き、暴力団の関与が解明された事例はあるのか」旨の発言があり、刑事局長から、「解明されているケースもあり、首魁として、暴力団や、暴力団ではないが一番の首領的な者を検挙したいという例もある。ただ、組織の上層部までたどり着かない場合も多く、今後、課題として取り組んでいく必要がある

川本委員より、「特殊詐欺は富裕な高齢者が被害に遭っているだけなので、警察はもっと他のことに資源を投じるべきではないかとの意見も聞かれるなど、世論と警察の取組との間に温度差を感じる。世間の関心を更に高めるため、暴力団が関与していることなど特殊詐欺の被害実態をもっと周知していただきたい。また、中長期的な課題を検討するに際しては、現状の取組の延長だけではなく、数年先まで見たときにどのような問題が出てくるのかという視点で説明をお願いしたい。今日の特殊詐欺事件対策であれば、通信傍受、協議・合意制度を活用していく場合に考えられる問題等についてもう少し説明していただきたい」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)次長から、1月24日から27日までの間、ミャンマーを訪問し、同国内務大臣及び警察長官と我が国の警察協力に関して会談した結果について報告があった。