定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年3月23日(木)

午前10時00分 〜 午前11時40分

 

 

第2 出席者 松本委員長、奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、

吉田刑事局長、井上交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

大澤サイバーセキュリティ・情報化審議官

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、4月9日付けを始めとする暴力団対策法審査専門委員2名の任命について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行令による銃刀法施行令の一部改正について

生活安全局長から、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の制定に伴い新設された罪を猟銃の所持許可の欠格事由に係る罪に追加することを内容とする、銃砲刀剣類所持等取締法施行令の一部改正案について説明があり、原案どおり決定した

 

(3)「児童の性的搾取等に係る対策の基本計画(案)」について

生活安全局長から、国家公安委員会の総合調整の下、関係府省連絡会議において策定する「児童の性的搾取等に係る対策の基本計画(案)」及び意見募集の結果について説明があり、原案どおり決定した

北島委員より、「非常に良い基本計画が策定されたと思う。関係者の努力を評価したい。また、1ページ目で、児童にとっても「世界一安全な国、日本」であることを内外に示していかなければならない旨が記載されている点を非常に重く受け止めたい。児童の性的搾取については国際的にも強い関心が持たれていることから、今後、基本計画に示されている施策を関係省庁とともにしっかりと進めていただきたい」旨、奥野委員より、「過日、神奈川県に視察に行った際、同県警察ほか6県警察が摘発した児童ポルノ事件について、捜査担当者から、被害児童を更に傷つけないよう十分配慮して慎重に捜査を進めたと聞いた。この種事件は被害者が少年・少女であるだけに、被害者への対応が大切である。今回の基本計画では被害児童の保護・支援が重点課題とされており、関係機関と連携の上、被害者支援対策を強化してもらいたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「児童の性的搾取等に対しては、取締りについて警察がしっかり取り組むことはもちろん、関係機関と連携して被害児童の保護に当たることが重要であると認識している。御指摘を踏まえて、しっかりと取り組んでまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)平成29年度国家公安委員会・警察庁交通安全業務計画(案)について

交通局長から、平成29年度国家公安委員会・警察庁交通安全業務計画(案)について説明があり、原案どおり決定した

川本委員より、「とても分かりやすく、簡潔、丁寧に作成されたと思う。役所的な用語には注釈を設けて分かりやすく説明している点も良い。都道府県警察が交通安全施策の基準とする本計画はとても重要であるので、関係行政機関と連携して、しっかりと取り組んでいただきたい」旨の発言があった。

木村委員より、「とても良くできており、内容には異論が無い。しかし、一番重要なのは、本計画に記載された対策について、各都道府県でどのように実施を徹底させるかである。例えば、後部座席のシートベルトの着用率がなかなか向上しない点については、業界団体との連携をより一層徹底すべきであり、また、着用率の目標を策定した上、達成するために誰が何をするのかを実施計画化し、年度明けには、何が実施できたか、どこまで目標が達成されたかなどを総括するということが必要ではないか」旨の発言があった。

安藤委員より、「とても分かりやすくかつ必要なものが網羅されていて良い。一方、28年の検討結果を踏まえて、新たなものを追加したとのことであり、計画内容がどんどん膨れ上がってしまうのではないかと懸念する。また、計画上は優先順位付けがなされていなくとも、少なくともそれを意識して施策を進めていく必要があるのではないか」旨の発言があり、交通局長から、「本計画は法定計画であり、施策の優先順位付けについては、慎重な検討が必要である。警察庁としては、交通事故の統計分析により事故実態を把握し、これを踏まえた具体的な取組について、春と秋の交通安全運動や全国会議等において都道府県警察に指示するなどの方向付けを行っているところである」旨、長官から、「その点については、今後、全国交通部長会議等において説明していく予定である。各都道府県警察には、それぞれの交通事故の情勢を分析した上で必要な施策を考えてもらうようにしたい」旨の説明があった。

 

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)平成28年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について

サイバーセキュリティ・情報化審議官から、平成28年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について報告があった。

川本委員より、「非常に厳しい情勢の下、日本サイバー犯罪対策センターと連携しながら一生懸命に取り組んでおり、とてもよいと思う。ホームページに注意喚起情報を掲載しているとのことだが、メールマガジンのような形態でも情報提供された方がより効果的ではないか」旨の発言があった。

奥野委員より、「昨年、不正プログラム「Mirai」に感染した家庭電化製品等のIoT機器を利用した大規模なサイバー攻撃が発生したため、注意喚起を行っている旨の報告があった。その後、身近な家庭電化製品等のIoT機器が狙われることに対し、技術的な防御対策は講じられるようになったのか」旨の発言があり、サイバーセキュリティ・情報化審議官から、「IoT機器のユーザ名・パスワードを攻撃者に推測されにくいものに変更するということが、防御対策の入口である。現在観測されている状況では、IoT機器が発信元や標的と考えられる日本国内からのアクセスは少数である」旨の説明があった。

 

(3)インターネットバンキングに係る不正送金の国際的な被害防止対策について

サイバーセキュリティ・情報化審議官から、コンピュータウイルスを利用したインターネットバンキングに係る不正送金事犯を捜査していたドイツ警察から、国内のコンピュータウイルスの感染端末情報等の提供を受けたことから、警察庁が関係省庁・団体と連携し、被害拡大防止のための注意喚起をインターネットバンキング利用者等に対して行うこととした旨の報告があった。

 

(4)平成29年春の全国交通安全運動の実施について

交通局長から、平成29年春の全国交通安全運動等の実施について報告があった。

安藤委員より、「先ほどの業務計画の内容が具体的な運動の中で重点を設定して進められていることが分かった。また、運動に当たり策定した資料「子供等の交通事故について」は、様々な視点から統計を分析してとても分かりやすい。国民に対して分かりやすく注意喚起している貴重な資料なので、学校、地域や保護者の方に幅広く協力してもらったり、交通安全に対する意識を高めてもらったりするために、もっと積極的に広報して周知させるべきではないか」旨の発言があった。

北島委員より、「資料を策定し、全国重点の「歩行中・自転車乗用中の交通事故防止」を強力に進めていこうという趣旨が明確であり、評価したい」旨の発言があった。

奥野委員より、「春・秋の全国交通安全運動については、以前からメリハリをつけ、常に内容を工夫、検討するように申し上げているが、今回は子どもの交通事故に関する詳しい調査・分析結果が資料として用意されており、新入学児童を交通事故から守るという春の全国交通安全運動の趣旨に基づき、焦点を定めて運動に取り組もうという意欲を感じ、評価したい。ただし、運動に関して、全国重点と警察の重点取組に分けてそれぞれで項目を立てているが、重複する部分もあるのではないかと思う。現場では、混乱は生じていないのか」旨の発言があり、交通局長から、「全国交通安全運動は、内閣府や警察庁等の10府省庁のほか、都道府県、市区町村及び関係団体が主催しているものである。全国交通安全運動においては、運動の基本及び全国重点に関する主な推進項目が設定されているが、その中でも高齢運転者に関する取組等、警察において重点的に行う取組を御報告したところである」旨の説明があった。

川本委員より、「資料「子供等の交通事故について」は、最初に全体のポイントが示されておりとても分かりやすい。男の子の方が事故に遭いやすいことや、運転手も気が急ぎがちな朝の7時から8時に事故が多いことなどが指摘されており、保護者を中心に様々な方にこれを周知させてもらいたい。海外では低年齢の児童に保護者が必ず付き添わないと罪になることもあるが、日本は平和なだけに、7歳くらいでも独りで歩いている。それが当然だと思われているが、だからこそ、小学校低学年の事故が多いことをよく理解してもらう必要がある」旨の発言があった。

安藤委員より、「交通安全の広報用ポスターに注目度の高いポケットモンスターのキャラクターを使うこととしたアイディアは素晴らしい」旨の発言があり、交通局長から、「昨年、運転中のスマートフォン使用によるとみられる痛ましい死亡事故が数件発生している。そのため、警察庁においてキャラクターに関する権利を有する会社等と意見交換を実施し、同会社の協力を得て、広報啓発用ポスター資料を作成するとともに、都道府県警察に対して、同ポスター資料を活用した広報啓発活動を推進するよう指示するなどしたところである」旨の説明があった。

 

3 その他

(1)警備局長から、3月22日にロンドンの国会議事堂付近において発生したテロ事件の概要と国内での重要施設警備に万全を期すことについて報告があった。

奥野委員より、「日本の国会議事堂についても、どのような事態にも対処できるよう、引き続き警備体制の点検をお願いする」旨の発言があった。