定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年8月24日(木)

午前10時00分 午前11時15分

 

 

第2 出席者 小此木委員長、奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、吉田刑事局長、桝田交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、9月7日付けを始めとする地方警務官8名の人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則案について

生活安全局長から、ぱちんこへの依存問題に係る実態を踏まえ、客の過度な遊技を抑制するため、遊技球の獲得性能に係る基準を見直すことなどを内容とした、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則案及び同規則案に対する意見の募集結果について説明があり、原案どおり決定した

木村委員より、「本規則案には賛成である。一方、本施策はギャンブル依存症対策として一定の成果はあるだろうが、これだけでは依存症は無くならないと思うので、これで終わりにせず、その次の対策も考える必要がある」旨の発言があった。

北島委員より、「出玉規制についての意見調整がうまくいくか心配であったが、意見募集結果も踏まえた上で非常に良い仕事をしたと思うので、心から敬意を表しておきたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「パブリックコメントが1万4千件余りに達したことは、この課題に対する関心の高さがうかがえる。賛否両論で多数の意見が寄せられた中で、今回の規制の必要性を非常に丁寧に説明している点はとても良いと思う。管理者の業務が追加された点については、管理者の総括管理の下でその業務を分担して合理的にやればよいことを、機会があれば事業者に対して丁寧に説明してもらいたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「パブリックコメントでも一部指摘されているように、理屈だけで見ると出玉規制により依存症が減るように思われるが、依存症は個人の性癖の問題でもあるので、どこまで減るのかはやってみなければ分からない部分もある。それでもこうした施策を講じるからには、抜け穴がないように、きちんとぱちんこ機器の管理等を徹底するよう、業界を指導していただきたい」旨の発言があった。

川本委員より、「管理者にはしっかりと責任を持って対応してもらうことを徹底していただきたい。これまで、ぱちんこを含めて依存症対策に国を挙げて取り組むことが日本では無かったので、今回、警察庁を含め内閣全体でこのような形で進められることに非常に期待している」旨の発言があり、生活安全局長から、「依存症防止対策はこれからが重要であり、今後、より知見を深めながら、厚生労働省等による調査研究等の結果も参考にしていきたい。また、各団体にも丁寧に説明を行い、業界ともしっかりと意思疎通をして取り組んでいきたい」旨の説明があった。

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)平成30年度警察庁予算概算要求(案)の概要について

官房長から、平成30年度警察庁予算概算要求(案)の概要について報告があった

北島委員より、「たいへん良い概算要求となったと思う。今後、要求の実現に向けて委員長と共に頑張っていただきたい」旨の発言があった。

 

(2)監察の取扱い事案について

官房長から、栃木県警察の巡査長による道路交通法違反等事案に関し、同県警察は、同巡査長を8月25日に免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(3)前山梨市長らによる贈収賄事件の検挙について

刑事局長から、平成28年度の山梨市職員の採用に当たり賄賂を受け取ったなどとして、警視庁・山梨県警察合同捜査本部が前山梨市長ら3名を8月21日に通常逮捕した旨の報告があった。

北島委員より、「政治・行政の構造的不正事案、特に贈収賄事件は密室で行われることが多いことから検挙しにくいところがあると思われるが、国民の関心が高く、今回の事件が検挙できたことはとても良かったと思う」旨の発言があった。

奥野委員より、「今回の贈収賄事件の検挙を評価するが、国民は真に摘発すべき汚職事件の検挙を求めており、全国の捜査第二課の更なる奮起を期待したい。近年、汚職や公職選挙法違反等内偵捜査型の事件の検挙が減少している背景として、社会の意識変化等が挙げられるが、不正の事実は掘り起こせば把握できると思うので、情報収集を始めとした捜査技術の向上を図ってもらいたい」旨の発言があった。

川本委員より、「平成28年度の実績評価書でも、「政治・行政・経済の構造的不正の追及の強化」を△と評価していたが、今後もしっかりと取り組んでいただきたい。今回の検挙の端緒は何であったのか」旨の発言があり、刑事局長から、「別事件である前山梨市長の元妻による詐欺事件の捜査の過程において、本件容疑を把握し、捜査を進めた結果、検挙に至ったものである」旨の説明があった。

 

(4)平成29年度総合防災訓練の実施について

警備局長から、9月1日の「防災の日」を中心とした「防災週間」に、国家公安委員会及び警察庁並びに都道府県警察が各種防災訓練を実施する旨の報告があった。

 

3 その他

(1)交通局長から、運転中の携帯電話使用等対策について報告があった。

川本委員より、「携帯電話使用等(保持)違反が繰り返される傾向が他の同じ罰則、反則金、基礎点数の違反と比較すると著しく高いということは、現在の罰則が再犯を抑制するレベルには無いということではないか。海外では、2回の違反で運転免許が停止になる国もあることから、ペナルティの強化が必要ではないか。携帯電話や自動車の機器も日々発達していることから、警察においてもその実態の把握に努めていただきたい。また、ハワイ州ホノルル市では、道路横断時のいわゆる「歩きスマホ」を禁止することとしたという報道もあるが、日本では、自転車に乗ったまま携帯電話で通話している人も依然として見受けられることから、その点も課題と思う」旨の発言があった。

木村委員より、「スマートフォン等を使いながらの運転は飲酒運転と同じくらい危険であるため、飲酒運転と同程度に罰則を重くするべきではないか」旨の発言があった。

安藤委員より、「スマートフォン等を見ながら運転することの悪質性や危険性が国民には十分に認識されていないのではないかと思われるため、それらに対する国民意識の調査も含めて、対策をしっかりと検討していただきたい。また、スマートフォン等を保持せずに注視することについても、運転の注意力がそがれ、危険性が高いことは同様であり、今後の課題として検討していただきたい」旨、木村委員より、「海外の取締りの実態も調べてみるべきだ」旨の発言があった。

北島委員より、「手で保持しない形態の使用への対応策について検討することが非常に大事だと思う。また、画像目的使用を原因とする事故が増加していることから、そのような事故への対策を急ぐ必要がある」旨の発言があった。

奥野委員より、「いわゆる「歩きスマホ」が一向に無くならないように、スマートフォンには中毒性があるのではないか。中毒性があるのだとすれば、運転中のスマートフォン等の操作に対する罰則を強化したとしても根絶できるかどうかは疑わしい。今後は、自動車の運転中はスマートフォン等の電子機器を使用できないような措置をとるなどハード面での規制も必要になるかもしれない。近年、自動車業界では様々な通信機能を備えた自動車の開発が進み、通信機能等が初めから組み込まれた「コネクティッド・カー」市場が拡大すると言われており、一部の国々では運転中にこうした電子機器の使用を不能とする自動車も開発されていると聞く。日本でも、こうした自動車に搭載される電子機器だけではなく、スマートフォン等の携帯型の電子機器も運転中は使用できないようにするような施策を、警察庁と関係府省庁等が協力して検討してもよいのではないか」旨、川本委員より、「ニューヨークやサンフランシスコでは、カーナビは使われなくなってきており、スマートフォンを代わりに使っているようである。最近の技術の進歩は早く、通話装置と画像装置を分けて規制するという現在の概念では対応することが難しくなると思うので、規制の在り方については柔軟に考えていただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「愛知県一宮市では小学生が犠牲となる事故が発生しており、愛知県知事等が国家公安委員会委員長に対する要請に訪れるなど各自治体等から運転中の携帯電話使用等対策に関する要請を頂いている。これらの要請も踏まえながら、運転中の携帯電話使用等対策を引き続き推進してまいりたい」旨の説明があった。