定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年9月1日(金)

午前10時00分 〜 午前10時55分

 

 

第2 出席者 奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、吉田刑事局長、桝田交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

長官から、9月15日付け警視総監の人事案件及び警視総監の任免に伴う承認依頼等の手続について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集について

交通局長から、人の力を補うため原動機を用いる自転車の基準及び原動機を用いる身体障害者用の車椅子の基準をそれぞれ改正することを内容とする「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した

木村委員より、「原動機を用いる身体障害者用の車椅子の高さの基準を120cmに引き上げることに安全性の問題はないのか。また、引き上げることで、ユーザー側の快適性の向上や事業者側の経済的なメリットはあるのか」旨の発言があり、交通局長から、「原動機を用いる身体障害者用の車椅子の高さの基準の引上げは、高齢者の体格の向上に合わせることにより、車椅子の利用者の利便性の向上に資するものと考えている。また、引上げ後の高さは、現在、歩行者として扱われている手動の車椅子と同様であるため、安全性に特段の支障が生じることはないものと考えている」旨の説明があった。

安藤委員より、「人の力を補うため原動機を用いる自転車の補助率を最大3に引き上げることは、事業者からの要請に適うものであることは分かるが、事業以外の利用も想定されているのか」旨の発言があり、交通局長から、「リヤカーを牽引するという形態に鑑みれば、現在のところ、荷物の運搬が基本的な需要として想定されている」旨の説明があった。

奥野委員より、「配送業務専用の電動アシスト自転車については、狭い道路をリヤカー付きで走る宅配業者を最近目にすることが多い。性能の高い電動アシスト自転車が導入されれば、利便性だけでなく、業務量の拡大が問題となっている宅配の配達員の負担軽減にもつながることから、警察も支援すべきだと考える」旨の発言があり、交通局長から、「今回の改正は、配達員の負担軽減や女性の活躍という観点からも非常に効果があるものと考えており、幅広く活用していただけるように、改正内容の周知に努めてまいりたい」旨の説明があった。

川本委員より、「電動アシスト自転車に関しては、子供の送り迎えをする親御さん方の需要が大きい。今回の改正のように、世の中の変化に応じて様々な規制が変わっていけば良いと思う」旨の発言があった。

 

  報告事項

(1)平成29年度警察庁総合防災訓練の実施状況について

本日行われている平成29年度警察庁総合防災訓練に関して、警備局長から総合防災訓練の概況について、交通局長から交通対策訓練の概況について、情報通信局長から情報通信関係訓練の概況について、それぞれ報告があった。

安藤委員より、「本日行った訓練での課題等をどのように集約するのか、後日教えていただきたい」旨の発言があった。

 

(2)平成29年度全国警察柔道選手権大会及び全国警察剣道選手権大会の開催について

官房長から、9月5日、平成29年度全国警察柔道選手権大会及び全国警察剣道選手権大会開催される旨の報告があった。

 

(3)ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議における「ギャンブル等依存症対策の強化について」の決定について

生活安全局長から、8月29日にギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議」において取りまとめられた「ギャンブル等依存症対策の強化について」について報告があった。

北島委員より、「ギャンブル等依存症対策については、関係省庁が連携してオールジャパンで取り組むこととなっているが、警察庁の比重、責任が大きいと思うので、警察庁はこの点を自覚して頑張っていただきたい」旨の発言があった。

木村委員より、「網羅的に対策を講じているとは思うが、ギャンブル等依存症には更にしっかりと取り組むべきである。関係者も多く、なかなか難しいとは思うが、利用に上限を設けるなどもっと規制を強化するなどして、ギャンブル等依存症対策を強力に進めるべきである」旨の発言があった。

安藤委員より、「ギャンブル等依存症が深刻だと言われているが、どれだけ具体的に深刻な事態を引き起こしているのかという実態が正確には見えていないのではないか。厚生労働省が実態調査を行うのならば、それにより把握された具体的実情を直視して、それを踏まえた取組を更に強力に推進していただきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「ギャンブル等依存症は、自己管理ができないとなかなか抜け出すことが難しいために、更に強硬な規制措置を採るべきとの考え方には共感する部分もある。ただし、個人の遊びの自由に国家がどこまで干渉できるのかという問題もあるだろう。今回の決定により、警察が管理するぱちんこに対しても出玉規制を始めとする各種対策を講じることとなるが、これらの施策がどの程度効果を上げることができるのか未知数の部分もある。その効果を分析評価するなどのフォローアップをしっかりとしてほしい。その結果、目立った効果が無いとすれば、対策を見直す、新たな対策を検討するということも必要ではないか」旨の発言があった。

生活安全局長から、「依存症の実態把握は必要だと思っている。現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構において全国調査が行われており、今月にもその結果が公表されると聞いているので、その内容、また、業界における調査や相談機関での実態把握等をしっかりと踏まえながら、ぱちんこへの依存防止対策に取り組んでまいりたい。また、依存防止対策の更なる強化が必要との御指摘もあったが、今回の風営法施行規則改正による出玉規制の強化が実際にどのように効いてくるのか、また、自己申告プログラムの拡充も含め、業界の自主的な取組がどれだけ効果を有するのかなどについても、しっかりとフォロ-アップしていきたい。さらに、今回の取りまとめにおいては、関係行政機関が十分に連携して必要な取組を徹底的かつ包括的に講じていくという政府の姿勢が示されており、関係閣僚会議でも、官房長官からその旨の指示がなされているので、関係省庁とも連携して、しっかりと取り組んでまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)皇太子殿下の第32回国民文化祭・なら2017及び第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会御臨場に伴う警衛警備について

警備局長から、9月2日から3日までの間、第32回国民文化祭・なら2017及び第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会御臨場のため、皇太子殿下が奈良県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

 

(5)安倍内閣総理大臣のロシア連邦訪問に伴う警護警備について

警備局長から、9月6日から7日までの間、東方経済フォーラム出席及び首脳会談等のため、安倍内閣総理大臣がロシア連邦を訪問する予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

 

  その他

(1)本会議は、川本委員が庁外から電話を利用して参加する方式により開催された。

開会時には、奥野委員が電話会議システムにより会議を実施する旨を告げた後、各委員が互いに適時的確な意見表明ができる通話状態にあることを確認した。また、会議の終了時には、奥野委員が通話状態に異状がなかったことを確認した。

 

(2)警備局長から、8月29日における北朝鮮による弾道ミサイル発射への対応について報告があった。

木村委員より、「Jアラートが発せられた際にどう行動すべきかがあまり浸透されていないと思う。不安感を払しょくする意味でも、その点をアピールした方が良いと思う」旨の発言があり、警備局長から、「今回のような事案については、なるべく窓から遠ざかる、地下があれば地下に入るというような行動をとるよう市町村等から住民の方々に情報提供がなされているものと承知している。Jアラートについて、「鳴っているあれは何だ。」というような110番もずいぶんあったと聞いており、我々としても広報啓発活動には協力したいと考えている」旨の説明があった。

奥野委員より、「被害の把握については、一番早いのは、住民からの110番通報ではないか。住民からの情報収集のネットワークが一番充実しているのは警察なので、今後も北朝鮮のミサイル発射時には、異変があれば些細なことでも警察に通報してもらうよう、広報を徹底すべきだと思う」旨の発言があった。