定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年9月21日(木)

午前10時00分 午前10時55分

 

 

第2 出席者 奥野、北島、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、樹下刑事局長、桝田交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、10月4日付け地方警務官1名の人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)不動産特定共同事業法の一部を改正する法律の施行に伴う関係国家公安委員会規則の整備に関する規則案に対する意見の募集について

刑事局長から、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律の施行に伴い整備される関係国家公安委員会規則案に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。

 

2 報告事項

(1)メキシコにおける地震被害に対する国際緊急援助隊・救助チームの派遣について

官房長から、現地時間9月19日に発生したメキシコにおける地震被害に対する国際緊急援助隊・救助チームの派遣について報告があった。

北島委員より、「国際緊急援助隊の派遣は、警察にとって非常に重要な国際協力の分野だと理解しているので、現地での健闘に期待したい」旨の発言があった。

安藤委員より、「未だに余震もあることから、無事に勤めを果たしていただきたい」旨の発言があった。

 

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、静岡県警察の巡査による準強制わいせつ等事案に関し、同県警察は、同巡査を9月21日に免職処分とする予定である旨の報告があった。

奥野委員より、「本件は、職務質問の際に女性の身体に着衣の上から触ったものだが、そもそも、女性に対してそのような確認を必要とする場合には、女性警察官を呼ぶことになっているのか」旨の発言があり、首席監察官から、「女性の身体に触れる所持品検査を行う必要がある場合には、男性警察官が行うのではなく、女性警察官の臨場を要請することとしており、また、こうした取扱いが職員共通の認識となっている」旨の説明があった。

安藤委員より、「明文化するまでもない当然のことではあるが、この点について敢えて確認する機会は、今まで無かったのか」旨の発言があり、首席監察官から、「本件においても、当該警察署においては、女性に対し職務質問、所持品検査を行う必要がある場合を想定した訓練が行われており、関係職員において、どのような対応をとるべきであったかという点についての認識はあったと認められるところである」旨の説明があり、奥野委員より、「各都道府県で、職務質問の訓練がいろいろな形で行われているが、女性を対象とした想定事案をもっと取り入れる必要があるのではないかと思う。本件を機会にしっかりと実施してもらいたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「本件の発生を受けて、全国の警察にも注意喚起をしたのか」旨の発言があり、首席監察官から、「警察庁においても、今回発生した事案の概要と、留意すべきポイントについて、全国に改めて注意喚起をすることとしている」旨の説明があった。

 

(3)平成29年上半期における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況について

生活安全局長から、平成29年上半期における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況について報告があった。

北島委員より、「刑法犯少年の検挙人員、人口比が13年連続して減少しており、評価したい。子供の性被害対策については、昨年4月に国家公安委員会に政府内の総合調整機能が内閣官房から移管され、本年4月に犯罪対策閣僚会議で児童の性的搾取等に係る対策の基本計画が策定されているが、この基本計画においては、警察庁の役割が最も大きいと思うので、今後ともしっかりと頑張っていただきたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「刑法犯少年の検挙人員が減少傾向にあることは良いが、一方で、今まで現れていた事案が潜在化したり、少年犯罪の低年齢化が進んだりする方向にあるのではないかと心配される」旨、奥野委員より、「検挙人員のうちの知能犯の増加は、特殊詐欺の増加が原因だとは理解できるが、それ以外にも、少年非行が潜在化しているのではないかとの懸念はある。深夜にコンビニエンスストアの前にたむろしていた非行少年はどこに行ってしまったのかなどの議論も国家公安委員会で以前にあったが、少年の問題行動が以前に比べて本当に減少しているのか、少年は非行に走らずに真面目に生活を送るようになったのかどうかまでは報告では見えてこない。警察では、補導員等が現場で子供の非行実態を見ていることから、児童相談所や学校関係者とも連携しながら実態を把握し、年間報告の際にその分析を聞いてみたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「少年非行の問題について、数が減っているという中で潜在化していないかという御指摘については、現場の実態を把握してまいりたい。今まで多数を占めていた窃盗を中心とする街頭犯罪は、刑法犯全体の減少と軌を一にする形で減ってきている一方で、御指摘の問題意識は引き続き持ちながら、現場の声も聞いていきたい。低年齢化については、触法少年が減少している点も踏まえて、フォローしてまいりたい」旨の説明があった。

安藤委員より、「再犯者率が今回減少したのが一時的なものかどうかが気になる。本来、少年は可塑性に富み、劇的に変わっていく場面も見聞きしてきた。今回示された統計データだけではなく、何故再犯者となるのかなどの原因まで把握、分析していただき、その結果を教えていただきたい。非行少年に対しては、教育的な配慮や保護的措置がとても大事であるが、立ち直り支援活動は警察だけの役目ではないものの、警察が先駆的に取り組み、他機関にも広がっている例もあるので、先程の分析結果も踏まえながら、関係機関と連携して取組を広げていってもらいたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「今まで再犯者率が高いのは凶悪犯、粗暴犯だったが、上半期の統計を見てみると、そこの再犯者率はかなり下がり罪種によっては初犯者の方がむしろ多くなっているものもある。ただ、この傾向がこの後も続くのかというところは、慎重に見てまいりたい。再犯防止のための非行少年の立ち直り支援の取組については、他機関とも更に連携し、地域社会の協力をいただきながら、子供達の立ち直りにとってより良い形になるよう努力してまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)暴力団によるみかじめ料等をめぐる最近の動向について

刑事局長から、暴力団によるみかじめ料等をめぐる最近の動向について報告があった。

北島委員より、「最近、暴力団対策が様々な切り口で進められている点を評価したい。特に、損害賠償請求は非常に効果的ではないかと思う」旨の発言があった。

安藤委員より、「これまでの警察の暴力団対策の取組に対し国民から信頼が寄せられた結果、本件のような事件検挙や損害賠償請求訴訟の提起につながったのだと思うので、この信頼の輪を更に広げていっていただきたい。損害賠償請求訴訟等の支援に関しては、今後も、必要な情報提供を続けていく努力が警察として必要である」旨の発言があった。

奥野委員より、「みかじめ料徴収に係る事案の摘発は、被害者側の協力が無いと難しいが、銀座での恐喝事件はよく検挙できた。世間的には、かなりの注目を集めたと思う。工藤會への警察の厳しい取締りの結果も、このようなところに及んでいるのではないか。全国の繁華街でも、みかじめ料徴収に係る事案の摘発が更に続くよう期待している」旨の発言があった。

 

(5)第48回全国白バイ安全運転競技大会の開催について

交通局長から、10月7日及び8日に茨城県ひたちなか市において開催される第48回全国白バイ安全運転競技大会について報告があった。

奥野委員より、「白バイの殉職受傷事故防止については、国家公安委員会でも話題になり、27年に警察庁は殉職受傷事故防止対策を講じた。その後、殉職受傷事故がかなり減ったと聞いていたが、最近の報告によると、本年は8月20日現在で、殉職事故は0件だが受傷事故は13件発生しており、対策を講じる以前の状況にほぼ戻っているようだ。13件の事故の負傷程度は様々だが、白バイの事故では、大きな後遺症が残り、一生苦しむような重要事故もあり得るので、殉職事故が0件であっても安心はできない。対策から2年経つので、受傷事故を起こさない白バイの運用が忘れられてはいないか、白バイ隊員に対する教育が甘くなっていないか、もう一度注意喚起をお願いしたい」の発言があり、交通局長から、「四輪に比べて二輪というのは危険性が高い乗り物であるので、我々としても白バイの受傷事故防止対策は重要だと考えている。御意見を頂いたとおり、2年前に各種対策を講じたところであるが、その効果が薄れているのではないかという懸念もあるので、発生した事故の実態等を分析して、事故原因等を各白バイ隊員によく理解させることで、受傷事故防止の更なる徹底に努めてまいりたい」旨の説明があった。