定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年9月28日(木)

午前10時00分 午前11時20分

 

 

第2 出席者 小此木委員長、奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、樹下刑事局長、桝田交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)「全国犯罪被害者支援フォーラム2017」の開催について

官房長から、10月6日に「全国犯罪被害者支援フォーラム2017」が開催される旨の報告があった。

北島委員より、「昨年のフォーラムを傍聴したが、内容も良く、多くの来場者を迎えることができて盛況であった。昨年同様の成功を収められるよう、本年も期待したい」旨の発言があった。

安藤委員より、「今回のプログラムでは3点に注目している。1点目は、性犯罪被害者支援の充実を目指すというテーマが時宜にかなったものだと思う。2点目は、性犯罪被害に遭われた方が講演することは、被害者支援に対する理解を求める上で強いインパクトを持つと思う。3点目は、被害者支援の実務者によるパネルディスカッションは、現場の声がメッセージとして伝わってよい。これらはいろいろと工夫された点だと思うので、成功を期待できるのではないか」旨の発言があった。

 

(2)第8回ASEAN+3及び第3回日・ASEAN国際犯罪閣僚会議の開催結果について

官房長から、9月21日にフィリピン共和国において開催された第8回ASEAN+3及び第3回日・ASEAN国際犯罪閣僚会議の結果について報告があった。

委員長より、「会議では、国際テロ対策、薬物対策、サイバーテロ対策等を各国と協力して進めること等が議論され、そして、日本からの様々な部門での支援、協力に対する各国からの謝意も表明された。それぞれの国もいろいろな治安上の課題に直面しており、それぞれが連携し、気持ちを共有しながら対応していかなければならないと強く感じた。また、北朝鮮による拉致問題についても、その解決に向けた私の思いを発信し、各国にも共有していただいたと思う」旨の発言があった。

北島委員より、「日本警察の国際協力について考えた場合に、ASEANとの関係は非常に重要である。今後も、委員長に御出席いただき、ASEAN及び中国、韓国との関係を深めていくことに期待したい」旨の発言があった。

 

(3)メキシコにおける地震被害に対する国際緊急援助隊・救助チームの派遣結果について

官房長から、現地時間9月19日に発生したメキシコにおける地震災害への国際緊急援助隊・救助チームの派遣結果について報告があった。

 

(4)国家公安委員会委員のイスラエル・英国視察について

官房長から、川本国家公安委員会委員のイスラエル・英国視察について報告があった。

川本委員より、「視察では40人以上の方と非常に濃密な議論ができた。サイバーセキュリティの現状、オリンピック開催に向けた取組について説明を受け、意見交換をしたほか、視察を通じて日本警察の業務の在り方や風土について気付いた点もあるので、今後の公安委員会での議論に生かしていけるのではないかと思う。日本警察のネットワーク作りに貢献できれば嬉しいと思うとともに、連携の強化が非常に大切だと感じた」旨の発言があった。

 

(5)いわゆる「JKビジネス」の営業実態等の調査結果について

生活安全局長から、いわゆる「JKビジネス」の営業実態等の調査結果について報告があった。

木村委員より、「店の数も思ったより少なく、東京、大阪以外にはあまり拡散していないので、今がJKビジネスを撲滅するチャンスではないか。事業者及び利用客の取締強化等の対策、児童への教育、広報啓発を強化していただきたい。特に、児童がJKビジネスで働く動機は様々あるだろうが、JKビジネスで働くことで結果的にはもっと不幸な事態になるという点をもっと広報すべきである。事業者側も潜在化するなど取締りから逃れようとするだろうが、子供達をこのような犯罪からしっかりと守るという姿勢を貫いていただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「確かに東京、大阪がほとんどであるが、例えば愛知では、平成27年に青少年保護育成条例を改正して規制を始め、取締りを強化するなどして、JKビジネス店の数も減っているという報告を受けていた。今回こうした各都道府県警察の取組がこの数字にも出ていると思っている。客については、法令による厳正な取締りをするほか、そもそもこういった子供の性を対象とするようなビジネス、それを求める大人達という、社会的な風潮を許さないということを社会一体となって啓発していくことが大事だと思っている。このことは、子供の性被害防止プランにも掲げられていることから、しっかりと取り組んでいきたい」旨の説明があり、木村委員より、「児童の教育の点では、教育委員会としっかりと連携を取って進めていただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「従来、JKビジネスの実態等について、関係都道府県警察から現場の教育関係者に説明すると、現場の教育関係者から「危ない実態であることがよく分かった」という声があるとの報告を受けており、引き続き、教育関係者と連携して取り組んでまいりたい」旨の説明があった。

奥野委員より、「東京都では7月1日に特定異性接客営業等の規制に関する条例が施行されて以降、閉店したり、サービス内容を変更したり、無店舗型営業に切り替えたりする店が増えたが、一方で、取締りの強化を受けて、少女達の中にはツイッター等を使ったいわゆる援助交際に流れているものもいると聞く。店で働いていた時は、警察が店側を検挙するとともに少女を救済することもできたが、今は、少女達が見えないところに入り込んでいるのではないか。お金が欲しい少女達と、少女達のサービスを求める大人が存在する限り、この世界でJKビジネスのようなものを完全に無くすることは難しいが、警察は見えない実態についても情報を集め、更なる対策を考えてほしい」旨の発言があり、生活安全局長から、「御指摘の東京都の条例とそれに基づく新たな動きというのは、しっかりと見てまいりたい。そういった少女の問題は、インターネット利用というところが大きく、コミュニティサイトに起因した性被害を撲滅していくために厳正な取締り、実態把握とともに場を提供している事業者の対策も必要である。新しい事業者の協議会も立ち上がったところなので、そこと連携をしながら、事業者によるサイトの監視あるいはブロックといった自主的な取組が促進されるよう努めてまいりたい」旨の説明があった。

安藤委員より、「今回のような調査は、今後、定期的に行う予定なのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「定期的に見ていく必要があると思うので、次回は、本年末の時点で調査を行い、例えば東京から他県へ流出するような動態的な動きも見ていきたい」旨の説明があり、安藤委員より、「東京都以外でもJKビジネスを規制するため、条例改正等を検討しているとのことだが、規制のための制度を構築することが大事だと思う。JKビジネスという名称は合法的なイメージがあり、子供達は単なるアルバイトととらえているかもしれないので、その実態と被害に遭う危険性を訴えて、理解を得るようにしてもらいたい。その時は、一方的に話すのではなく、話を聞いた子供達がどう思ったのか、自分たちはどうすることにしたのかなどの反応を直接聞く機会を設けて、場合によってはそれらを集約することも意味があるのではないか」旨の発言があり、生活安全局長から、「こういった条例による規制について、それぞれの県で、知事部局を含めて今、議論が行われているところであり、しっかりと支援をしてまいりたい」旨の説明があった。

北島委員より、「JKビジネスが欧米諸国から非難されている状況も考えると、東京都の規制条例が施行されたことを大きな機会として、各種法令を適用した厳正な取締りを徹底していただきたい」旨の発言があった。

川本委員より、「警察はよくやっているとは思うが、JKビジネスで働いているお金に困っている児童に対しては、辞めた後にどうサポートするのかというプロセスもセットに考えないと解決しないので、内閣で連携して考えていただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「児童及び家庭の支援については、子供の性被害防止プランにも掲げられているが、単なるメニューに終わらないように、御指摘の実質的な連携を図るため関係省庁と情報共有するとともに、この全体のプランについて官民の連携を図る官民協議会の枠組みも使いながら、具体的な施策が推進されるように努力をしていきたい」旨の説明があり、木村委員より、「JKビジネスの問題については総理御自身も様々な機会で言及されているようなので、内閣でもしっかりと議論していただければと思う」旨の発言があり、委員長より、「これまでの議員生活で感じたところでは、弱者が対象になるなど犯罪が陰湿になっているのではないかと思う。国民全体で話し合うことも必要だと思う」旨の発言があった。

 

(6)高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議に係る分科会の開催について

交通局長から、高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議からの提言を踏まえて調査研究を行うため、同有識者会議の下で3つの分科会を開催する旨の報告があった。

北島委員より、「3つの分科会においては、どのようなスケジュールで作業が進められるのか」旨の発言があり、交通局長から、「まず、「認知症への対応」として設置する分科会及び「視覚障害への対応」として設置する分科会については、今年度中に第1回目の会合を開き、論点や調査事項の整理等を行いたいと考えている。前者については、認知症の者と安全運転との関係についてエビデンスの蓄積がないため、医師等の御協力を得ながら、まずは認知症の方の運転能力に関するデータを収集していくことから始めたいと考えており、ある程度時間がかかると考えられる。後者については、新しい視野検査器の試作機が既に開発され、これを使用して来年度に高齢者講習において実験を行うことを予定しており、実験結果等を取りまとめ、新しい視野検査の活用方法について結論を出すことを目指している。最後に、「その他の加齢に伴う身体機能の低下への対応」として設置する分科会については、本年10月に第1回会合、年度内に第2回会合の開催を予定している。本テーマについては、ある程度時間をかけてじっくりと検討を進めていく必要があると考えている」旨の説明があった。

奥野委員より、「3つの分科会のテーマの中では、「その他の加齢に伴う身体機能の低下への対応」が特に難しいと考えるが、現在でもアクセルとブレーキの踏み間違い事故が絶えないという実態もあり、この問題についての速やかかつ十分な議論を期待している。特に、実車による運転能力試験や限定条件付免許の導入の可否について、分科会でどのような議論がなされるのか関心がある」旨の発言があり、交通局長から、「本テーマについては、まずは、外国制度の調査を行い、実際の運用状況や対象者の絞り込み等について具体的に確認した上で、試案を作成していくことになると考えている。仮に実車実験を行うとしても、運転免許試験場において実車実験を実施すること自体は現在も運転免許試験を行っていることから可能であると思われるが、実車実験の試験項目や合格基準の策定に相応の時間がかかると考えられる。いずれにせよ、更なる高齢化の進展に対応するため、科学技術の進歩も見据えながら、採り得るべき方策は積極的に取り入れつつ、ペースを上げながら、検討を進めてまいりたい」旨の説明があった。

川本委員より、「海外の状況の調査に関しては、来日している海外企業の社員等から話を聞く方が海外に調査に行くよりもスピードアップが図られる。アンテナを高くして、海外の企業の技術動向等も把握し、関係者の来日の機会をとらえて情報収集を図るという面での国際連携も考えてはどうか」旨の発言があり、交通局長から、「可能な限り多くのチャンネルを活用し、効率的に情報収集を図ってまいりたい」旨の説明があった。

木村委員より、「視野障害の影響は特に夜間に出てくると思うので、高齢者の夜間の運転を制限することも検討が必要ではないか。高齢者によるアクセルの踏み間違い事故の原因は、ちょっとした刺激ですぐに興奮してしまい、冷静な判断ができなくなるという高齢者の精神的な特徴ではないかと思うので、その点への対応について分科会で検討してもよいと思う。高齢運転者の事故・違反状況に係るデータの収集・分析はすぐにできるのではないかと思う。海外の実態を調査する場合には、国内外の民間企業も活用しながら縦横無尽に進めてもらいたい」旨の発言があった。

 

(7)高速道路における100km/hを超える規制速度の試行開始について

交通局長から、「高規格の高速道路における速度規制の見直しに関する提言」を受けて選定された2区間において、100km/hを超える規制速度の試行を開始する旨の報告があった。

北島委員より、「2区間のうち、静岡県の区間は6月に視察に行き準備が進んでいるという状況を確認したが、岩手県の区間は、いつごろに試行開始となりそうか」旨の発言があり、交通局長から、「岩手については、施設の整備が11月中に完成予定であり、早ければ12月から運用できるものと承知している」旨の説明があった。

安藤委員より、「今後、100km/hを超える規制速度の試行が見込まれる区間はあるのか」旨の発言があり、交通局長から、「昨年3月の提言において、新東名については、御殿場JCTから浜松いなさJCTの間での検討が示されており、その区間が一つの候補として考えられる。今回、距離を縮減して試行しているが、この結果を見ながら、どのような条件の下であれば拡大できるのか、あるいは、120km/hで走行することができるのかしっかりと検討してまいりたいと考えている」旨の説明があった。

 

(8)天皇皇后両陛下の愛媛県行幸啓(第72回国民体育大会御臨場等)に伴う警衛警備について

警備局長から、9月29日から10月1日までの間、第72回国民体育大会御臨場等のため、天皇皇后両陛下が愛媛県へ行幸啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

 

3 その他

(1)官房長から、最近の国会の状況について報告があった。