定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年10月5日(木)

午前10時00分 午前11時40分

 

 

第2 出席者 小此木委員長、奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、樹下刑事局長、桝田交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)平成30年度採用候補者(国家公務員採用総合職・一般職試験合格者)の内定について

官房長から、平成30年度採用候補者(国家公務員採用総合職試験・一般職試験(大卒程度試験)合格者)の内定状況について報告があった。

木村委員より、「国家公務員は、民間企業と異なり途中採用で人材を確保することが難しいので、できる限り安定的に採用することが良いと思う。今回は、採用計画に照らし合わせるとどのように評価できるのか」旨の発言があり、官房長から、「例えば、総合職の警察官は毎年20名弱を目安にしており、本年も例年どおり採用できた。最近は、採用活動が終わるとすぐに次年度の採用に向けて、警察庁の魅力等を伝えたりする説明会を重ね、警察庁に入庁しようという意思を持って受験してもらおうという方針を採っている」旨の説明があった。

安藤委員より、「まず、今回の採用に関わった方々をねぎらいたい。また、採用が厳しい時代だが、多彩な人材が確保できたと受け止めるので、その人材をどう育てていくのかという点に注目したい。女性の採用が定着してきたということだが、警察という組織の中で持てる能力を十分に発揮できるよう、職場環境の整備や人材育成に思い切って取り組んでいただきたい」旨の発言があった。

北島委員より、「全体として応募人数が減少している中、他省庁との比較ではどうだったか」旨の発言があり、官房長から、「最近は、3省庁に訪問する仕組みとなっているが、その中でも例年並みに確保できたという印象である」旨の説明があった。

 

(2)全国殉職警察職員・警察協力殉難者慰霊祭の開催について

官房長から、10月19日に全国殉職警察職員・警察協力殉難者慰霊祭が開催される旨の報告があった。

木村委員より、「仕事が原因で病気になったり亡くなられたりすることがないようにするために、健康管理や働き方について、その仕組みの面であるとか、日々の職場での対応をどのようにするのがよいのかよく考えていく必要がある」旨の発言があった。

 

(3)監察の取扱い事案について

官房長から、警視庁の巡査長による住居侵入・窃盗事案に関し、同庁は、同巡査長を10月6日に免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(4)第86回国際刑事警察機構(ICPO)総会の開催結果について

刑事局長から、9月26日から29日までの間、中華人民共和国の北京において開催された第86回国際刑事警察機構(ICPO)総会の結果について報告があった。

奥野委員より、「加盟国の供出金は、国連の分担金に連動するのか。また、ICPOの幹部ポストの数も供出金の負担率に関係するのか。ICPOは、歴史的に見ても欧州諸国の影響力が強い組織と理解しているが、最近は人材や資金面で中国の影響力が増しつつあるのか」旨の発言があり、刑事局長から、分担金の分担率については、現在日本は約12%であり、中国は約3.7%であるが、その分担率を国連の分担金の割合に近づける方向で議論がなされており、将来的には両国の負担割合の差も減少する見通しである。人材については、幹部ポストと分担金分担率は必ずしも連動せず、中国の具体的数値は把握していないが、ICPO本部がリヨンにあるため、アジア諸国よりはヨーロッパ諸国の採用比率が高いのが現状である」旨の説明があり、奥野委員より、「日本警察が派遣しているICPOのシンガポール総局の幹部ポストは、アジア地域の各国警察との連携、関係強化のために大きく貢献していると思う。今後も、特にアジア地域での日本警察の影響力を維持してほしい」旨の発言があった。

川本委員より、「金融業界でも、国際関係機関等に派遣するなどして国際的な人材育成を進めてきた。警察の今後の国際的な活動への取組に期待するとともに、人材育成にどのように取り組んでいくつもりなのか教えていただきたい」旨、木村委員より、「警察は、在外公館や国際機関に積極的に派遣して、国際的人材を育成するのが良いと思う。今後の育成をどのように考えるかについて教えていただきたい」旨の発言があり、刑事局長から、「ICPOでの勤務は、実際に勤務した者の話では、警察業務に従事する上でも非常に有益であり、また、他国の者と直接連絡を取れる関係を構築することができるなど、国際化という観点からも、派遣には大きな成果があると考えていることから、規模の点は別としても、ICPOへの人的貢献は、引き続き検討して参りたい」旨の説明があった。

北島委員より、「日本警察は、限られたリソースの中で、かなりの人材派遣や国際協力をしていると認識している。日本警察がこれまで行ってきた技術協力等の面で、引き続き活躍していただければと思う」旨の発言があった。

委員長より、「先日、メキシコに派遣した国際緊急援助隊の代表の方々から帰国後の報告を受けたが、日本の国際緊急援助隊は国連からも高く評価されているし、代表の報告も控えめながら自信を持ったものであった。先般、ASEAN+3及び日・ASEAN国際犯罪閣僚会議に出席した際も、日本警察が感謝されていると感じた。また、メキシコという遠い国から派遣の要請を受けたことは誇りに思うし、日本の活動は素晴らしいと思った」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)警備局長から、オウム真理教対策における現状と課題について報告があった。

北島委員より、「団体規制法に基づく観察処分の更新決定の取消しを求める訴訟で、先日、東京地方裁判所が更新決定を違法とする判決を出したが、それに対して控訴されるのか」旨の発言があり、警備局長から、「所管省庁である法務省において、対応を検討しているものと思われる」旨の説明があった。

木村委員より、「オウム真理教が活発化した当時は、バブル崩壊前後で経済的な落ち込み等社会不安が背景にあったと思う。現在でも社会不安をもたらすかもしれない要素はあり、現団体も資産を増やしているようなので、再び地下鉄サリン事件のような事件起こさないよう、引き続きしっかりと把握し、必要な対策を講じていただきたい。現在でも海外活動が活発だが、政治的な意図等はないのか」旨の発言があり、警備局長から、「現在のところ、海外における政治的意図については把握されていない」旨の説明があった。

安藤委員より、「判決が確定して実際に観察処分ができなくなった場合には、警察の活動に何らかの影響が生ずるのか」旨の発言があり、警備局長から、「観察処分があることのメリットは、彼らの財産や人員が法律上の義務として届出されることで、オウム真理教の情報を入手できることにある」旨の説明があった。

奥野委員から、「ロシア政府はオウム真理教に対する警戒感が強いようだが、ロシア国内では信者が増加しているのか」旨の発言があり、警備局長から、「ロシア国内でも活動しているとみられ、警察は、信者の増減を含め、各国治安機関と情報交換を行っている。過去には、ロシア人信者が麻原の奪還を図るテロを企てたなどとして、ロシア国内で逮捕されており、ロシアの治安機関においても教団の動向に関心を払っているものとみられる」旨の説明があった。