定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年10月19日(木)

午前10時00分 午前11時10分

 

 

第2 出席者 奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、樹下刑事局長、桝田交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

交通局長から、自動車安全運転センター役員の選任の認可について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」について

交通局長から、人の力を補うため原動機を用いる自転車の基準及び原動機を用いる身体障害者用の車椅子の基準をそれぞれ改正することを内容とする「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」及び同府令案に対する意見の募集結果について説明があり、原案どおり決定した

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)殉職事案の発生について

官房長から、10月16日、愛媛県警察の女性警察官が交通取締り業務に従事していたところ自動車と衝突し、同日亡くなった殉職事案について報告があった。

奥野委員より、「警察官になって間もない20歳の若さで、女性警察官としてやりたいこともあり、希望に胸を膨らませて張り切って仕事をしていただろうと思う。大変痛ましい事故で、心から哀悼の意を表する」旨の発言があり、長官から、「来週の全国交通担当課長等会議においても、訓示の中で特記して、再発防止について指示する」旨の説明があった。

木村委員より、「一部の報道で、事故現場はゾーン30のエリア内であったが、速度規制が守られていなかったことが本件に繋がったとの記事があった。それが本件の発生原因というわけでもないだろうが、そもそも、ゾーン30において規制速度が遵守されていないところもあるようなので、運転者にゾーン30であることを確実に認識させるような対策を検討していただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「御意見を頂いたとおり、ゾーン30内における生活道路の安全を確保するための対策について、引き続き、道路管理者と連携しながら、しっかりとやってまいりたい」旨の説明があった。

 

(2)平成29年度全国警察柔道大会及び全国警察剣道大会の結果について

官房長から、10月17日に開催された平成29年度全国警察柔道大会及び10月16日に開催された平成29年度全国警察剣道大会の結果について報告があった。

安藤委員より、「剣道大会を視察したが、団体戦ということもあってチーム一丸で日ごろの鍛錬をぶつけ合い、とても迫力があった。その鍛錬が沈着冷静かつ的確な判断に結び付くことが見ていて感じられた。また、剣道については、女子の部を設置したとのことだが、大会に参加したいと思っている女性警察官も多くいると思うので、そのような女性警察官に対するサポートもお願いしたい」旨の発言があった。

 

(3)会計検査院の平成28年度決算検査報告(見込)について

官房長から、会計検査院の平成28年度決算検査報告(見込)のうち、警察庁に関して掲記される予定の事項の概要等について報告があった。

奥野委員より、「都道府県警察に整備されたDNA型鑑定に用いる分注機及び一括定量装置が、鑑定機会が少ない又はソフトウエア入力作業が煩雑だなどの理由で使用されていなかったとのことだが、何故そのような実情が警察庁に届かなかったのかが疑問だ」旨の発言があり、官房長から、「その辺の情報の流れに不十分な点があったと思う。高額な装置を整備している以上、警察庁でも使用状況を把握することが必要だったと思う」旨の説明があった。

川本委員より、「PDCAサイクルを意識して、整備した資器材や設備の使用状況は、十分にチェックしていただきたい」旨、木村委員より、「警察庁でも、事前に内部の監査をしっかりとしていれば把握できたのではないか。どの組織でもPDCAサイクルが回っていない部分はあるので、もう一度よく点検してもらいたい。また、資器材等を整備するときには、担当者の能力、意識を高め、効率的に整備していくように気を付けていただきたい」旨の発言があり、官房長から、「警察庁による会計監査において、既に資器材の使用状況についてもよく見るようにしたところである」旨の説明があった。

安藤委員より、「十分に使われていなかった資器材等については、今回の指摘を受けて無理に使用頻度を上げるようなことが無いように注意してもらいたい」旨の発言があり、長官から、「使われてない資器材は、需要が高いところに管理換をするなど効率的に活用されるようにしていく」旨、官房長から、「ソフトウエアについては、改善して新たに整備し直した。今回の指摘を受けたからと言って、形の上だけで使用実績を上げるような指導はしない」旨の説明があった。

 

(4)平成29年上半期におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について

生活安全局長から、平成29年上半期におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について報告があった。

木村委員より、「思春期の児童は非常に感受性が高い上に、いろいろなことに好奇心も高くなって、コミュニティサイト等にアクセスしているのだろう。学校で指導してもなかなか伝わっていない状況も見られる。学校や保護者ではなく、若い世代から教えてもらうことも重要かと思う。各都道府県警察の取組の中で参考になる意見があれば、是非、全国に紹介してもらいたい。この問題は簡単には行かないので、様々な手段を講じて、児童の意識を少しでも良い方向に向けてあげたいと思う」旨の発言があった。

安藤委員より、「子供の性被害防止に向けた教育機関と連携した取組を更に進化、展開させていくことに期待したい。性犯罪被害防止に関する教育は難しいが、正しい情報を児童に提供することが大人の責務だと思うので、正確な情報を学校で提供してもらうよう、文部科学省に働きかけをしていただきたい。また、被害児童数が最も多いサイトの運営会社が、7月に発足した青少年ネット利用環境整備協議会にまだ加入していないので、加わってもらうよう、警察庁からも働きかけをお願いしたい」旨の発言があった。

北島委員より、「本年4月の犯罪対策閣僚会議において策定された、児童の性的搾取に係る対策の基本計画に基づいて、しっかりとこの問題に取り組んでもらいたい」旨の発言があった。

川本委員より、「この問題はこれまでに何度も議論されているが、社会全体のアラートのレベルがまだ低いと感じる。性的な側面でのタブーもあり、社会全体に広がらないことをどう乗り越えるかが課題であるので、どのようにすればしっかりと児童に届くのか、更に検討していただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「本年4月、子供の性被害防止プランを策定し、その具体的施策として一番目の柱に、「児童の性的搾取等の撲滅に向けた国民意識の向上及び国民運動の展開」を掲げており、正に今御指摘をいただいた社会全体の意識を上げる、アラートのレベルを高めるという取組である。このプランの取組は始まったところであるので、関係省庁、関係機関と連携しながら、また、創意工夫を凝らしながら取り組んでまいりたい」旨の説明があった。

奥野委員より、「フィルタリングの必要性については、これまでも国家公安委員会で何度も指摘されているが、被害児童のうち9割以上が被害当時にフィルタリングを使用していない。保護者がフィルタリングを利用しなかった理由も、「特に理由が無い」が6割を占めており、保護者の無関心ぶりがうかがえる。改めて、児童がコミュニティサイトに起因する事犯の被害者になるのは大人の責任だと実感させられる。スマートフォン等の購入時にフィルタリングをプリインストールするなどの措置が効果的だと思うが、来春に施行される改正青少年インターネット環境整備法では、その措置を販売業者等に努力義務として求めるだけで、フィルタリング利用がどこまで徹底されるか不安である。警察は、販売業者の協力が得られるよう、今後の動向に注視していただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「改正青少年インターネット環境整備法では、契約者又は使用者が青少年であるかどうかの確認を始め、フィルタリングの説明や有効化措置等が携帯電話キャリアや販売店に義務として課せられるほか、携帯電話端末等の製造事業者に対しても、フィルタリングソフトをプリインストールするなど、その利用を容易にする義務が課せられることなどから、事業者をはじめ、関係省庁も今回の改正をかなり重く受け止めていると承知している。これまでも販売店などの現場でしっかりとフィルタリングの利用を促すという、様々な事業者レベルの取組がなされてはいたが、法改正を契機として、フィルタリングの利用率が更に向上するように関係省庁、関係事業者等と連携して取り組んでまいりたい」旨の説明があった。

 

(5)特定異性接客営業等の規制に関する条例違反事件の検挙について

生活安全局長から、10月8日にJKビジネス店の経営者が17歳の少女を接客業務に従事させた事案ついて、7月1日に施行された東京都の特定異性接客営業等の規制に関する条例を初めて適用し、警視庁が同経営者を10月14日に同条例違反で検挙した旨の報告があった。

北島委員より、「7月に施行されてから初めての検挙ということで、更に成果が出てくることに期待したい」旨の発言があった。

 

(6)皇太子殿下の高知県行啓(第20回全国農業担い手サミット開会式御臨席等)に伴う警衛警備について

警備局長から、10月23日から24日までの間、第20回全国農業担い手サミット御臨席等のため、皇太子殿下が高知県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。