定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成30年9月13日(木)

午前10時50分 〜 午前11時55分

 

場 所 国家公安委員会室

 

 

第2 出席者 小此木委員長、川本、北島、木村、安藤、小田各委員

栗生長官、三浦次長、松本官房長、白川生活安全局長、露木刑事局長、北村交通局長、村田警備局長、村田情報通信局長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

 

(1)犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案について

刑事局長から、平成30年北海道胆振東部地震による被害の状況等に鑑み、本人確認方法等に関し特例を設けることを内容とする「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案」について説明があり、原案どおり決定した。

北島委員より、「過去の災害でも対応していることであり、今回も速やかに対応することは非常に良いと思う」旨の発言があった。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)明治150年記念平成30年度全国警察柔道選手権大会及び全国警察剣道選手権大会の開催について

官房長から、9月25日に明治150年記念平成30年度全国警察柔道選手権大会及び全国警察剣道選手権大会が開催される旨の報告があった。

 

(2)第38回ASEAN警察長官会合(ASEANAPOL)の開催結果について

官房長から、9月3日から5日までの間、ブルネイにおいて開催された第38回ASEAN警察長官会合(ASEANAPOL)の結果について報告があった。

北島委員より、「治安問題に係る地域間協力を進めていく上では、ASEANAPOLの機会は非常に大事であり、この関係の成長に期待感を表明したい」旨の発言があった。

 

(3)平成30年上半期における交通死亡事故の特徴等について

交通局長から、平成30年上半期における交通死亡事故の特徴等について報告があった。

川本委員より、「交通事故死者のうち高齢歩行者の法令違反の数が多いことは徹底して広報するとともに、違反を把握した警察官がしっかりと注意することも徹底していただきたい。また、先日、薄暮帯にタクシーに乗車したら、運転手に注意喚起する無線が流れていた。そのような取組を運動として広げても良いと思う」旨の発言があり、交通局長から、「全国ハイヤー・タクシー連合会も全国交通安全運動の主催団体となっており、業界内でも様々な取組が進められている」旨の説明があった。

木村委員より、「全国交通安全運動とも関連して、シートベルトや自転車のヘルメットの着用を更に徹底させてほしい。最近、安全サポート機能を備えた車両が多いが、その機能が交通事故抑止に効果があることを示す統計はあるのか」旨の発言があり、交通局長から、「警察庁にはないが、自動運転に関する意見交換会を関係団体と行うこともあるので、その機会にでも確認したい」旨の説明があった。

安藤委員より、「今後の対策を考える上で、非常に分かりやすい統計分析をしていただいたと思う。今後も、この分析結果を活用していただきたい」旨の発言があった。

北島委員より、「全省庁的にエビデンスに基づく政策立案という考えが進められているが、警察では、交通分野で特にこの考えが浸透しているという印象である」旨の発言があった。

小田委員より、「高齢者に対する交通安全教育や啓発は、どのような形で行っているのか」旨の発言があり、交通局長から、「地区単位で高齢者を集めた講習会を開催しているほか、地域によっては、医療機関の待合室にチラシを置かせてもらったり、反射材を街頭で配布したりしている。また、運転シミュレーターや横断歩道シミュレーターを活用した参加体験型の講習により、高齢者の自覚を促すことも実施している」旨の説明があった。

 

(4)平成30年秋の全国交通安全運動の実施について

交通局長から、平成30年秋の全国交通安全運動の実施について報告があった。

川本委員より、「歩行者の横断歩道での事故が諸外国と比べて多い。信号のない横断歩道脇に横断者が立っているときの一時停止義務が徹底されるよう、よく検討していただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「交通局内でも議論しており、取締りの強化と広報啓発とのバランスも考慮しながら進めてまいりたい」旨の説明があり、木村委員より、「一方で、通学路にある信号のない横断歩道は、通学時間帯に多数の横断者がいるため、なかなか車両が通行できないことがある。その点は、歩行者の協力も必要だと思う」旨の発言があり、交通局長から、「歩行者の横断需要が一定以上のものには信号機を設置するよう基準を設けている。また、押ボタン式信号機を設置したり、横断歩道近くでは、いわゆる横断旗を持った整理員が保護・誘導したりするなどしている」旨の説明があった。

安藤委員より、「警察庁以外にも運動の主催団体があるが、運動の総括や次回への対策の検討をどのようにしているのか、機会を見て教えていただきたい。また、自転車運転手のヘルメット着用の関係団体への働き掛けも更に進めていただきたい」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)北島委員から、シンガポール・インドネシアへの視察結果について報告があった。

小田委員より、「視察したインドネシアの交番は職員が全員女性だというのは、どのような趣旨か」旨の発言があり、北島委員から、「コミュニティとの接触には女性の方が向いているという現地警察署の考えで、実験的に設置したとのことである」旨の説明があった。

川本委員より、「民主化の度合いや軍との関係も日本と異なるシンガポールやインドネシアの警察に対して、日本が協力できる枠組みは技術的な面が大きいと理解してよいのか」旨の発言があり、北島委員から、「そのとおりだと思う。インドネシアの国家警察委員会は、日本の国家公安委員会を参考にしたと先方から説明を受けたが、委員会のメンバーに閣僚が3名入っていたり、警察OBが入っていたりと、異なっている面も多い」旨の説明があった。

 

(2)木村委員より、「大阪府で発生した被疑者逃走事案に対する現在の対応状況はどうか」旨の発言があり、刑事局長から、「大阪府警察で追跡捜査を継続しており、近隣府県でも宿泊施設等に対する一斉捜査を行っているが、発見に至っていない。近々、大阪府警察OBが拠出した懸賞金を活用して広く国民に捜査協力をお願いする予定である」旨の説明があった。