定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和元年12月5日(木)

午前10時00分 〜 午前11時15分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 武田委員長、木村、安藤、小田、川本、北島各委員

栗生長官、松本次長、中村官房長、白川生活安全局長、露木刑事局長、北村交通局長、大石警備局長、彦坂情報通信局長

難波首席監察官

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

   官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

  

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について 

官房長から、国会の状況について報告があった。

 

(2)第10回ASEAN+3国際犯罪閣僚会議等の開催結果について

   官房長から、第10回ASEAN+3国際犯罪閣僚会議等の開催結果について報告があった。

   川本委員より、「国際社会での日本の存在感を高めるためにも、このような国際会議には大臣を始め幹部職員が積極的に参加していただきたい」旨、北島委員より、「このような国際会議等において、二国間の警察実務についても交流を進める機会を持ったことは良いことであると思う」旨、小田委員より、「ASEANには北朝鮮と国交がある国もあることから、このような国際的枠組みを拉致問題解決のためにも活かしていただきたい。また、ASEAN各国に対して、日本警察はどのような貢献ができるのか」旨の発言があり、官房長から、「サイバー犯罪等に関するセミナーや、アジア・太平洋薬物取締会議(ADEC)等に招へいするなどし、関係を深めており、その旨会議において紹介した」旨の説明があった。

 

(3)令和2年度警察庁予算の査定状況等について

官房長から、令和2年度警察庁予算の査定状況等について報告があった。

川本委員より、「政策の効果を検証するということも心がけていただきたい。また、日本の厳しい財政状況に鑑み、より効率的な予算運用も心がけていただきたい」旨、北島委員より、「警察庁の組織改正要求に関し、最近の治安状況を捉えたタイムリーな要求をするようにしていただきたい」旨、安藤委員より、「国民の安心・安全を守るという観点に立ち、国民の納得を得られるような予算の編成や見直しを行っていただきたい」旨、木村委員より、「予算の執行状況について総括を行い、その効果を測るなどして次の予算に活かす取組も検討していただきたい」旨の発言があった。

 

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、茨城県警察の事務職員による業務上横領事案に関し、同県警察は、同事務職員を免職処分とする予定である旨の報告があった。

木村委員より、「横領事案等を防止する観点から、金銭や通帳等について、警察本部で集中的に管理するなど、管理方法を工夫していただきたい」旨、安藤委員より、「鍵等重要物品の管理についてはこれまでも指導が行われていると承知しているが、更なる対策についても検討いただきたい」旨、小田委員より、「このような事案の防止のため、会計管理に従事する者について、適切な頻度で人事異動を行うことが必要ではないか」旨の発言があった。

 

(5)分裂した山口組の最近の情勢と対策について

刑事局長から、分裂した山口組の最近の情勢と対策について報告があった。

 

(6)アフガニスタンにおける邦人医師に対する襲撃事件について

警備局長から、アフガニスタンにおける邦人医師に対する襲撃事件について報告があった。

北島委員より、「日本政府もNGOもアフガニスタンの支援に取り組んでいるところ、今回の事件が発生したことは非常に残念なことである」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)交通局長から、全国交通安全運動の「全国重点」の見直しについて報告があった。

   木村委員より、「分かりやすくするために重点項目を絞るという方針は理解するが、項目を絞るに当たっては、飲酒運転やシートベルトについての状況もよく踏まえて検討を進めていただきたい。また、「歩行者」や「運転者」という整理は、誰が何に気をつけるのかというのが分かりやすくなると思う」旨、安藤委員より、「「歩行者」、「運転者」及び「自転車」で項目を整理するのは良い考えである。「高齢運転者等の安全運転の励行」に関しては、高齢者に限らず、広く自動車の運転者に安全運転を働き掛けるようにしていただきたい」旨の発言があった。

 

(2)議事終了後、12月6日をもって任期満了となる川本委員より、「支えて下さった皆様に心から感謝する。多くの方に支えられ、無事に5年間務めることができた。日本において特筆すべき民主的な国家公安委員会という会議体に参加し、仕事ができたことは本当に貴重な機会であり、ありがたく思っている。国家公安委員会での業務はとてもやりがいがある仕事だった。国家公安委員会で実質的な議論をし、それを警察が受け止め、実行に移してくれた。国民を守るという目的のために、どのようにすれば現場が最高のパフォーマンスを上げることができるか毎週考え抜くことにより、警察はずいぶん変化したと思う。今朝も自宅近くの警察署に伺い、署長に御挨拶したが、国家公安委員会で議論した合理的な職務執行についてのお話が出て、委員会での議論が少しずつ形になっているのを拝見し、とても嬉しく思った。もちろん変化への抵抗もあったと思うが、社会と人々はどんどん変化していく中で、自分たちが変わらないと社会から遅れていくという認識が警察の中にも芽生えたと思う。この5年間、警察職員の方々を始め、勇気のある誠実な人達に出会い、様々なことを学んだ。これは私の財産である。これほど多くの勇気のある人が日本にいることを知ったのは本当に心強いことだった。日本の治安は財産だと皆さん簡単に言うが、それは1日で成るものでもなく、毎日の積み重ねや信頼でできていると思う。先日、大阪で誘拐された小学6年生の女子が、どうしたらよいか分からなかった中、最後に靴も履かずに交番に駆け込んだ。これはおまわりさんを信じていたからだと思う。このように日本の警察は信用されている。皆さんはこれを誇りに思うべきであるし、これをずっと続けてほしい。そのためにも国家公安委員会を活用して議論していって頂きたい。本当にどうもありがとうございました。」旨の挨拶があった。

   委員長より、「川本委員には、5年間という長きに渡り、実のある御意見を数多く賜り、心から御礼申し上げる。委員には、統計分析を活用した政策立案や、国民の視点に立った警察白書の編さん、全国公安委員会連絡会議への分科会の導入等、御尽力をいただいた。加えて、イスラエル・イギリスへの出張や、各管区公安委員会連絡会議にも参加いただいた。また、全国各地26都道府県警察を訪問し、女性職員の激励等を通じて、職員の士気高揚に努められるなど、細部にわたる配慮をいただいた。先ほどの委員からの御挨拶で「やりがいがあった」とおっしゃっていただけたことは喜ばしく、今後もやりがいのある委員会であるよう、その運営に努めて参りたく、今後とも変わらぬ御指導を賜りたい。今後益々の御健勝、御活躍をお祈り申し上げ、また、心から御礼申し上げ、私の御挨拶といたしたい。」旨の送辞があった。