定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和2年3月12日(木)

午前10時00分 〜 午前1150

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 武田委員長、木村、安藤、小田、北島、櫻井各委員

松本長官、中村次長、露木官房長、小田部生活安全局長、田中刑事局長、北村交通局長、大石警備局長、彦坂情報通信局長

難波首席監察官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)警察法施行令の一部を改正する政令案等について

   官房長から、警察法施行令の一部を改正する政令案等について説明があり、原案どおり決定した。

   小田委員より、「福岡県警察と沖縄県警察への警察官の配置は適切である。このような人員の配置等については、長期的な展望をもって準備を行っていただきたい」旨、北島委員より、「例えば外国人犯罪への対応など、治安情勢に応じた時宜にかなった組織改正が実施されるようにしていただきたい」旨、櫻井委員より、「地方警察官の増員については、国の事務と地方の事務の整理など、理論的な検討も行っておく必要がある」旨の発言があった。

 

 (2)資金決済に関する法律施行令等の一部を改正する政令案等について

 刑事局長から、取引時確認等の義務が課される「特定取引」に「暗号資産管理業務」に係る契約の締結を追加することなどを内容とする、資金決済に関する法律施行令等の一部を改正する政令案等について説明があり、原案どおり決定した。

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

   官房長から、国会の状況について報告があった。

 

(2)令和元年度監察の実施状況について

首席監察官から、警察施設の安全確保等に向けた取組の推進状況を監察の実施項目として警察庁が都道府県警察に対して行った令和元年度における監察の実施状況について報告があった。

    木村委員より、「施設及び運用の両面から不断の見直しを行い、各種対策が定着するようにフォローアップを行っていただきたい」旨、小田委員より、「ICタグ等での拳銃の管理など、人間のミスをシステムでカバーしていく取組は重要であると思う。また、人材育成という視点から、専門部門に配置する前に留置管理業務を経験させるという人事配置の運用についても積極的に進めていただきたい」旨、安藤委員より、「監察の実施結果について、各都道府県警察と認識を共有するとともに、問題点の改善の必要性を関係機関に理解してもらえるように努めていただきたい」旨、北島委員より、「昨今の情勢を踏まえ、一つの実施項目に重点を置いたことを評価したい」旨、櫻井委員より、「監察の実施結果については、警察署や警察本部の具体的な状況を盛り込むなどして、より有意義な資料としていただきたい」旨の発言があった。

 

(3)令和2年度監察実施計画について           

首席監察官から、令和2年度における警察庁の監察実施計画について、適正捜査及び組織的な捜査管理の推進状況を実施項目とする旨の報告があった。

北島委員より、「適正捜査は、警察において一丁目一番地の事柄であり、しっかりと行っていただきたい」旨、安藤委員より、「組織的な捜査管理の推進状況の監査実施にあたっては、各個人と組織の両面から各種問題の発生を未然に防止することにつながるように工夫・努力していただきたい」旨、木村委員より、「基本中の基本の事がしっかりとできているのか確認することも重要である」旨、小田委員より、「適正捜査は警察としての基本であることから、監察の対象項目とならなくても、日頃から基本をしっかりと行うという心構えを持つべきものである」旨、櫻井委員より、「監察を実施する際には、問題の未然防止のため、実施項目以外の事項についても配意するようにしていただきたい」旨の発言があった。

 

(4)監察の取扱い事案について

   首席監察官から、神奈川県警察の警部による公務執行妨害等事案に関し、同県警察は、同警部を免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(5)令和元年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況について

 生活安全局長から、令和元年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況について報告があった。

安藤委員より、「大麻については、科学的・医療的な裏付けを示し、その危険性を訴えていく必要がある」旨、小田委員より、「大麻が覚醒剤等に手を染めるきっかけとなっている側面もあることから、広報や教育を積極的に行っていただきたい」旨の発言があった。

 木村委員より、「児童虐待の通告件数が増加している点を憂慮する。関係機関との連携をとりつつ、警察が中心的な役割を果たすべき点について検討していく必要がある。また、親たちの経済的な問題への対応や精神的なケアなど、長期的視野に立った政府としての取組も必要ではないか」旨、小田委員より、「地方自治体や児童相談所との情報共有が適切に行われるよう対策をとっていただきたい」旨、櫻井委員より、「一般行政と警察のどちらが法執行を行うことが適切かという観点から、警察がどこまで関与すべきかを検討することが必要であると思う」旨の発言があった。 

 安藤委員より、「子供の性被害については、保護者も巻き込んだ具体的・効果的な対策を推進していただきたい」旨、北島委員より、「SNS事業者等に対する働きかけの効果が出ているが、これと併せて、フィルタリングの普及についても引き続き取り組んでいただきたい」旨、櫻井委員より、「例えば、小学生と高校生では特性も異なるので、性被害の統計の取り方もこの点を考慮すべきではないか」旨の発言があった。

 

 (6)令和元年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について

    生活安全局長から、令和元年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について報告があった。

    北島委員より、「特定遊興飲食店営業については、制度が開始となってから年数も浅いことから、引き続き注視していただきたい」旨、安藤委員より、「警察のみではなく、地域ぐるみで健全な社会を作っていくという意識を醸成していく必要がある」旨、木村委員より、「無店舗型性風俗特殊営業は今後も増加していくことが予想されるので、工夫して実態把握を行っていただきたい」旨の発言があった。

 

(7)新型コロナウイルス感染症への対応について

警備局長から、新型コロナウイルス感染症への対応について報告があった。

櫻井委員より、「運転免許証の有効期限について、より柔軟に対応することができるように今後の検討課題としていただきたい」旨、北島委員より、「混乱に乗じた犯罪の取締りや留置施設の管理について適切に対応していただきたい」旨、安藤委員より、「警察庁から適切な対応に向け各種通達を発出しているとのことであるが、都道府県警察において混乱することがないように過去の通達との整合性等に留意していただきたい」旨の発言があった。