定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和2年10月8日(木)

午前10時00分 〜 午前1120

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 小此木委員長、木村、安藤、小田、櫻井、横畠各委員 

松本長官、中村次長、露木官房長、小田部生活安全局長、彦坂情報通信局長

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)全国殉職警察職員・警察協力殉難者慰霊祭の開催について

官房長から、10月22日、全国殉職警察職員・警察協力殉難者慰霊祭がグランドアーク半蔵門において行われ、今回新たに合祀されるのは、殉職警察職員2柱、警察協力殉難者3柱である旨の報告があった。

   安藤委員より、「感染症防止対策を徹底して今年度も殉職者を追悼する機会が設けられたことに安堵している。今年は献花する参加者も制限されている中、いつも以上に我々出席する者が丁寧に務めさせていただくとともに、今後このような殉職事案が起きないよう、組織として考える機会にしていきたい」旨の発言があった。

 

(2)ストーカー行為等の規制等の在り方に関する有識者検討会の開催について

   生活安全局長から、ストーカー行為等の規制等の在り方に関する有識者検討会の開催について報告があった。

   木村委員より、「今回の有識者検討会で検討する契機となったGPS機器に関する最高裁判決のポイントについて伺いたい」旨の発言があり、生活安全局長から、最高裁判決の概要について説明がなされた。

小田委員より、「ストーカー規制法の制定当初はGPSの使用は想定されていなかったと思う。法改正等を検討するのであれば、GPSも含め、技術の進歩を見据えた議論をしていただきたい」旨、木村委員より、「技術革新等の動向を踏まえた上で、色々な行為をカバーできる法律の構成を目指していただきたい」旨、横畠委員より、「現行の住居等という場所の要件、見張りという行為の類型を抜本的に見直し、法律に具体的に書き出すべきである。また、場所の要件が残る場合、無線機器等を設置して遠隔で行う行為における場所の捉え方について考え方を整理すべきである。被害者の心情を踏まえた議論をしていただきたい」旨、櫻井委員より、「立法で解決すべき問題であり、GPSその他先端的な技術も含め、将来にも通用するような射程の広い対応がとれるようにすることが好ましい。また、ストーカー規制法は迷惑行為を行う者と被害者の間に警察が入る行政警察的な側面を持つ法律であることを意識し、柔軟に対応することが求められる」旨、安藤委員より、「高裁判決が出た時点や最高裁判決が出た時点で、警察庁が都道府県警察を適切に指導したことは良かった。ストーカー規制法については、現場の捜査員の意見や被害者の声を丁寧に拾い上げるとともに、迷惑行為をする人間が、その行為が法律違反であることを明確に認識できるような規定にするなど、両方の立場から議論を詰めていくことを期待する」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)情報通信局長から、現場警察活動を支える移動通信システムの現状と課題について報告があった。

   木村委員より、「現場の警察官が複数の通信機器を持つのは大変だと思うので、スマートフォン等に統合できれば使い勝手も良くなるのではないか。一方で、有事の場合のために何か別の通信手段も用意しておくべきである」旨、櫻井委員より、「現在の通信機器にあまり引っ張られないよう検討し、現場の警察官が小型化した機器を一つ持てば済むようにするべきである」旨、横畠委員より、「従来の通信機器とのペアリングは過渡的なものであり、スマートフォン型に一本化することを目指すべきである。災害時等スマートフォン型の電波が届かないような場合も、臨時的な中継装置の設置等によって通信網を確保するなど、スマートフォン型の機器の運用を工夫することによって解決することができるのではないか」旨、安藤委員より、「最終的にどのようなシステムにするのか目標を定めた上で、予算獲得や都道府県警察との調整等を行っていただきたい」旨の発言があった。

   次長から、「警察通信は警察活動の要である。今は現場の警察官がいくつもの通信機器を持っている現状であるが、今後はPV(高度警察情報通信基盤システム)に一本化していく流れになるのではないかと思う。他方で、災害時等、民間の通信網が使えなくなる事態にも備えなければならないが、災害時の通信機能の確保は警察だけの問題ではないため、様々な障壁はあるものの、政府全体の動きを見ながら考える必要もある。いただいた御意見を踏まえ、引き続き、予算の有効活用や災害時の対応等、様々な観点から検討を重ねてまいりたいc」旨の説明があった。

   小此木委員長より、「改善の方向性は一致しているように感じる。現場の警察官と、指令を出す側双方の利便性を考慮し、国民生活に不安を与えないよう、努力していただきたい」旨の発言があった。

 

(2)櫻井委員より、国家公安委員会定例会議に関し、「警察組織と国家公安委員会が緊張感を持って向き合っているという日常的な活動が重要だと考える。感染状況に配慮しつつ、適切な運営を心掛けていただきたい」旨、小此木委員長より、「再就任してから毎週出席しているが、緊張感のある率直な意見が交わされているとの印象を受けている。新型コロナウイルスという今までにない経験の下、定例会の開催も工夫されてきたと思うが、今の御意見は貴重であり、色々考えていただきたい」旨の発言があった。