定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和3年2月4日(木)

午前10時00分 〜 午前11時35分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 小田、櫻井、横畠、木村各委員

松本長官、中村次長、露木官房長、小田部生活安全局長、藤本刑事局長、木交通局長、大石警備局長、砂田情報通信局長

植田政策立案総括審議官、太刀川首席監察官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案等について

官房長から、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案等について説明があり、原案どおり決定した。

櫻井委員より、「今回の改正の中には、個人情報保護法や地方公共団体情報システムの標準化に関する法律等が含まれ、理論上重要な改革を含む。この方向感で、全体として都道府県警察の底上げを図っていくのが適当である」旨の発言があり、官房長から、「都道府県警察は都道府県の機関ではあるが、その組織及び運営を警察法が規律していることを踏まえ、個人情報保護条例の都道府県警察に対する適用部分はもともと行政機関個人情報保護法と整合的に規定されていた」旨、長官から、「システムの関係では、都道府県警察がそれぞれ異なる仕組みとなっているものもあり、ある程度統制をとる必要があるものについて、国が引っ張っていく必要があると思っている」旨の説明があった。

 

(2)ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案について

生活安全局長から、ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案について説明があり、原案どおり決定した。

横畠委員より、「ストーカー規制法はなかなか難しい法律なので、現場が自信を持って対応できるように解説、運用指針等を明示的に示す工夫をしていただきたい。適用が難しいところは無理をしないで、必要があればこまめに法改正を行うという対応をしていただきたい」旨、櫻井委員より、「ストーカーを巡る専門家の議論等も踏まえ、問題意識を持って対応に当たるべきである」旨の発言があり、生活安全局長から、「この改正を機に、現場の警察官にこの法律を適切に運用してもらえるよう、指針を示したり、事例の紹介等を行ってまいりたい。また、現場の職員やストーカー対応に当たっている民間の方との意見交換を密にしながら、必要な場合には法改正といった対応ができるようにしてまいりたい」旨の説明があった。

 

(3)銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案について

生活安全局長から、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案について説明があり、原案どおり決定した。

 

(4)「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案」について

刑事局長から、「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案」について説明があり、原案どおり決定した。

 

(5)産業競争力強化法に基づく新たな規制の特例措置について

交通局長から、産業競争力強化法に基づく新たな規制の特例措置について説明があり、原案どおり決定した。

木村委員より、「電動キックボードは、欧米では事故が多発しているという話を聞く。警察としては厳しく対応し、安全安心を確保していただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「有識者会議の意見も踏まえながら、安全を確保できるような制度にしてまいりたい」旨の説明があった。

横畠委員より、「実際に運用を開始した後、電動キックボードを借りた者が走行禁止である歩道を走り回るなどといったことが多発した場合、貸し出した事業者を特例の対象から外したり、業務停止にするような措置はとれるのか」旨の発言があり、交通局長から、「電動キックボードを借りた者が歩道を走り回ったという情報があれば、違反者への対応のほか、その事業者を指導することとなる」旨、官房長から、「正式に運用することになった場合は、道交法上に事業者の義務に関する規定を設けることも今後検討の余地がある」旨の説明があった。

 

(6)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

    官房長から、国会の状況について報告があった。

 

(2)令和2年の犯罪情勢について(暫定値)

    政策立案総括審議官から、令和2年の犯罪情勢について報告があった。

    櫻井委員より、「刑法犯が減っているのであれば、対応する組織の在り方を考えるべきではないか。また、新しい状況がどのようなものであるのかが重要であり、単純に世の中が良くなったという間違ったイメージを与えないためには、広報の仕方も工夫する余地がある」旨、小田委員より、「サイバー犯罪に児童ポルノやインターネットバンキングの不正アクセスが同じ括りで入っていることに疑問を感じる」旨の発言があり、政策立案総括審議官から、「サイバー犯罪の中身については、サイバー犯罪条約において犯罪化を求めるものとして明記されているものを中心に関連犯罪としてまとめている」旨、長官から、「刑法犯の認知件数では計れない業務量についてうまく定量化できないなど、対外的に説得力ある説明ができきれていない。政策展開という面で、警察の現状について説明できるようにしていきたい」旨の説明があった。

 

(3)令和2年中の懲戒処分者数について

    首席監察官から、令和2年中の全国警察職員の懲戒処分者数は、前年と比べ14人減少し229人で、その内訳は、免職29人、停職47人、減給116人及び戒告37人である旨の報告があった。

    木村委員より、「懲戒処分については、社会における信用問題につながるので、対策を色々考える必要がある。研修だけに頼るのではなく、業務内容や職場環境の改善に注力した方が問題の解決には早いのではないかと思う」旨、横畠委員より、「業務上の非行は、チェック体制の強化など組織的な対応で相当程度防止することが可能である。私行上の問題は、上司が部下にどこまで関与してよいのか、対応に苦慮しているのではないかと思う。部下を直接指導する立場にある者に対して、どういう指導をするのが良いか、様々な事例を整理して提供するなど、目安となるものを示すのがよいのではないか」旨の発言があり、長官から、「仕事がどれだけ充実しているか、緊張感があるかといったことが非行に影響しうるのはおっしゃるとおりだと思う。なかなか一律にはいかないところもあるが、実際に多くの都道府県では常にそこを意識しながら、色々な工夫をしている」旨の説明があった。

 

(4)令和2年における通信傍受に関する国会への報告について

    刑事局長から、令和2年における通信傍受に関する国会への報告について報告があった。

    櫻井委員より、「通信傍受は法律上の要件が厳しいが、実務レベルでは現場がその運用に慣れることも大事である。」旨、小田委員より、「通信技術は日進月歩である。警察が捜査の技術を上げていかないと犯罪に追いつかない実態がこの統計から見て取れるので、その辺にも留意していただきたい」旨の発言があり、刑事局長から、「警察庁が全国の知見を共有し、使い勝手や有効性を認識してもらうことで、更なる活用に努めてまいりたい。また、通信における技術の進展の点については、引き続き検討してまいりたい」旨の説明があった。

 

(5)新型コロナウイルス感染症への対応について

    警備局長から、新型コロナウイルス感染症への対応について報告があった。