定例委員会の開催状況
第１ 日 時 令和３年３月４日（木）
午前１０時００分 ～ 午前１１時４５分
場 所 国家公安委員会室
第２ 出席者 安藤、小田、櫻井、横畠、宮崎各委員
松本長官、中村次長、露木官房長、小田部生活安全局長、藤本刑事局長、髙木交通局長、大石警備局長、砂田情報通信局長
河原サイバーセキュリティ・情報化審議官
第３ 議 事
１ 議題事項
官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。
（２）「指定射撃場の指定に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令案」について
生活安全局長から、「指定射撃場の指定に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令案」について説明があり、原案どおり決定した。
（３）国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。
２ 報告事項
（１）国会の状況について
官房長から、国会の状況について報告があった。
（２）令和２年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
サイバーセキュリティ・情報化審議官から、令和２年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について報告があった。
安藤委員より、「警察の取組に記載された注意喚起について、どのような注意喚起をすれば効果的と考えるか」旨、小田委員より、「警察の注意喚起により、企業のサイバーセキュリティに対する意識は変化しているか。また、コンピュータ・電磁的記録対象犯罪の検挙件数は増加傾向にあるが、それに対する警察の認識はどのようなものか」旨の発言があり、サイバーセキュリティ・情報化審議官から、「企業のサイバーセキュリティに対する意識は向上してきているが、インターネット技術の発展を背景に、企業以外のネット利用者等も増加している。それに伴い、犯罪や検挙件数も増加傾向にあるところ、今後も捜査手法の工夫や、犯罪手口等の情報を適切に発信するよう努力してまいりたい」旨の説明があった。
櫻井委員より、「情勢の分析軸として、ハッキングのように高度な技術や能力を必要とするサイバー犯罪と、生活密着型の比較的レベルが低いものを分けて分析することも有意義ではないか」旨、横畠委員より、「「サイバー空間」という言葉を使い、現実世界と別物のように捉えるのはミスリードであり、思考を限定している感じがする。サイバーに関する技術は新しいものだが、所詮便利な道具である。その上で、国民の日常生活や経済活動の重要な構成要素であるので、その安全性の信頼性を確保するという観点から、警察も適切に対応できるよう能力の向上に努めていただきたい」旨、宮崎委員より、「外国では重要インフラを狙ったサイバー攻撃の事例が散見されるところ、社会の重要インフラ自体のセキュリティについても注視していく必要があるのではないか」旨の発言があり、サイバーセキュリティ・情報化審議官から、「社会の重要インフラに関するサイバーセキュリティについては、内閣サイバーセキュリティセンターが統括しているところ、警察も同センターと連携し、情報共有や対策に参画してまいりたい」旨の説明があった。
（３）令和２年度サイバーセキュリティ政策会議報告書（案）について
サイバーセキュリティ・情報化審議官から、令和２年度サイバーセキュリティ政策会議報告書（案）について報告があった。
横畠委員より、「インターネット上の匿名性が重要だという考え方も根強い中、憲法上の通信の秘密に抵触しない形で、サイバーセキュリティ上必要な措置が技術的・法制的にどこまで可能なのか、具体的な検討を進めていただきたい」旨、宮崎委員より、「現況の取りまとめで終わらず、諸外国で見られるようなインターネット上での新たな問題も先取りして、スピード感を持って対応していくことが必要ではないか」旨、櫻井委員より、「報告書の内容については、思い切った議論がなされ、方向性を打ち出していると感じた。サイバーセキュリティの論点は多岐にわたり、またそれぞれについて奥が深いので、報告書の文章も高度なリテラシーが反映されたクオリティの高いものとなるように努力していただきたい」旨、小田委員より、「審議官主催の私的懇談会という形式で自由闊達な議論が行われ、次の段階として政府全体のサイバーセキュリティ政策に繋げるという意味では、良い手法だと思う」旨の発言があった。
サイバーセキュリティ・情報化審議官から、「サイバーセキュリティは政府全体で取り組んでいくべき課題であり、各省庁が収集した情報を集約・分析し、どう実効的な政策に移していくか検討中である。警察としても関係機関と連携し、きちんと対応できる体制を構築してまいりたい」旨、長官から、「今や、サイバー空間は実空間と切り離せないものとなっているが、サイバー空間においては従来の警察活動が困難なことが課題である。我が国単独での取組は難しいが、サイバー空間を守るという意識を持ち、政府も対策を進めている」の説明があった。
（４）令和２年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について
生活安全局長から、令和２年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について報告があった。
宮崎委員より、「民事にどこまで踏み込むか非常に難しい中でこれだけ多くのストーカー事案について対応し、被害者にとって最後の拠り所となっている。にもかかわらず、１つ２つ個別の事例への対応によって、国民から厳しい目を向けられることもあるので、改めて意識を引き締めていただきたい」旨の発言があり、横畠委員より、「ストーカー対策は、従来の犯罪取締りとは異なり、やや対応が難しい分野であるが、国民から警察の対応への期待も大きいので、期待に応えられるよう適正に対処していただきたい」旨、小田委員より、「ＳＮＳ等の普及によるものと思うが、被害者と加害者の面識がないストーカー事案が増加していることは懸念すべき状況である。防犯指導や注意喚起においては、その点も配意していただきたい」旨の発言があった。
安藤委員より、「ストーカー事案の相談件数が２万件台で推移しているのは相談体制の充実の証左とも言えるが、相談の質の更なる向上のため、相談者が対応を躊躇するようなケースについて、警察が客観的に危険度を見極める能力を向上させたり、危険性判断チェック票を改善するなどお願いしたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「ストーカー事案を始めとする人身安全関連事案については、事案の危険性などを的確に判断できるようこの種事案に対して知見が蓄積されている警察本部の対処体制の指導の下で、対応に当たっているところであり、相談者が対応を躊躇する場合にも、事案の危険度に応じて適切に事案対応を行うよう指導している。危険性判断チェック票の見直しについても適切に行ってまいりたい」旨の説明があった。
（５）新型コロナウイルス感染症への対応について
警備局長から、新型コロナウイルス感染症への対応について報告があった。