定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和3年3月11日(木)

午前10時00分 〜 午前1150

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 小此木委員長、安藤、小田、櫻井、横畠、宮崎各委員

松本長官、中村次長、露木官房長、小田部生活安全局長、藤本刑事局長、木交通局長、大石警備局長、砂田情報通信局長

堀審議官(犯罪被害者等施策担当)、太刀川首席監察官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)警察法施行令の一部を改正する政令案等について

官房長から、警察法施行令の一部を改正する政令案等について説明があり、原案どおり決定した。

安藤委員より、「必要な部署の増員が図られたということなので、組織としてこれを効果的に活用していただきたい」旨の発言があった。

 

(2)犯罪被害者等給付金の審査請求事案の裁決について

審議官(犯罪被害者等施策担当)から、犯罪被害者等給付金の審査請求事案の裁決について説明があり、原案どおり決定した。

櫻井委員より、「紛争解決にあたる行政機関として、できるだけ審査請求人が納得しやすい形での事案のまとめ方を心がけることが重要であり、そのような視点が欠けないよう注意していただきたい」旨、安藤委員より、「犯罪被害者に寄り添うよう法改正や解釈の検討を行ってきただろうが、今後も専門委員の意見等もよく踏まえ、制度に関する議論を深めていただきたい」旨の発言があった。

小田委員より、「犯罪被害給付制度の在り方が開始当初から少しずつ変化している中で、「密接な関係」等の審査基準についても犯罪被害者を救済する方向で考えていただきたい」旨の発言があり、審議官(犯罪被害者等施策担当)から、「「密接な関係」等の考え方については社会通念とも関連しているところ、制度や社会の変遷に伴い、固定的な考えに陥ることなく検討してまいりたい」旨の説明があった。

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

    官房長から、国会の状況について報告があった。

 

(2)令和2年度監察の実施状況及び令和3年度監察実施計画について

    首席監察官から、令和2年度に「適正捜査及び組織的な捜査管理の推進状況」を実施項目として行った監察の実施状況と、令和3年度監察実施計画の実施項目を「災害に係る危機管理体制の点検及び構築の状況」とする旨の報告があった。

櫻井委員より、「監察実施計画の内容が簡素すぎるので、より詳細な計画としていただきたい」旨、小田委員より、「監察の実施により、時々基本に立ち返って点検することは必要である。警察の災害対応に対する期待は大きいので、特に訓練の状況はしっかり見ていただきたい」旨、横畠委員より、「災害対応では外部の関係機関との連携も重要なので、監察ではそこも含めて見ていただきたい」旨、宮崎委員より、「監察実施に当たっては、重点項目も重要であるが、それ以外の項目も見落としがないようにしていただきたい」旨、安藤委員より、「令和2年度の結果について、各都道府県にフィードバックすることにより、システム化の好事例を共有し、各都道府県でシステム化が進むことも期待したい」旨の発言があった。

 

(3)令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況について

     生活安全局長から、令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況について報告があった。

櫻井委員より、「若者間でのSNSの利用普及に伴い、警察もSNSについては、特に傾注して見ていく必要がある」旨、横畠委員より、「児童相談所との連携が進んでいる状況について、広報等により国民へもっと周知しても良いのではないか」旨、安藤委員より、「省庁間レベルでの連携のみならず、現場において関係機関と実質的な連携ができるよう、取組を推進していただきたい」旨、宮崎委員より、「教育現場でのSNS対策ルール作成のプロセスから助言を行うなど、適切な参加を通じて、現場での連携強化を進めることが重要ではないか」旨の発言があった。

生活安全局長から、「SNS利用による子供の性被害防止に向け、文部科学省と連携して広報リーフレット作成等の対策を講じるほか、現場レベルでの連携も引き続き推進してまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)令和2年における人身取引事犯の検挙状況等について

    生活安全局長から、令和2年における人身取引事犯の検挙状況等について報告があった。

横畠委員より、「「人身取引事犯」の捉え方が狭すぎるのではないか。本人に働く意思があっても人身取引の被害者であることを意識しながら、捜査に当たっていただきたい」旨、小田委員より、「人身取引事犯は他の犯罪に比して態様が分かりにくい部分があり、隠れた人身取引事犯が相当数存在しているのではないか懸念している」旨の発言があり、生活安全局長から、「出入国管理庁等の関係機関等と連携し、人身取引事犯の掘り起こしや事件検挙に尽力してまいりたい」旨の説明があった。

櫻井委員より、「広報用リーフレットは改善されて分かりやすくなったと感じている。広報啓発については、ウェブサイトやTwitter以外にSNS等の活用も検討していただきたい」旨の発言があった。

 

(5)第11次交通安全基本計画最終案について

    交通局長から、第11次交通安全基本計画最終案について報告があった。

小田委員より、「中間報告の際も申し上げたが、人の命に関わる数字を目標に掲げることには強い違和感がある。交通死亡事故ゼロを目標にするべきである」旨の発言があり、交通局長から、「計画に書いてあるとおり、究極的には死亡事故ゼロを目指していくところ、そのための中間的な目標の立て方については、今後よく検討してまいりたい」旨の説明があった。

 

(6)改正道路交通法(高齢運転者対策・第二種免許等の受験資格の見直し)の施行に向けた調査研究報告書について

    交通局長から、改正道路交通法(高齢運転者対策・第二種免許等の受験資格の見直し)の施行に向けた調査研究報告書について報告があった。

小田委員より、「この調査研究を活かし、医師の診断を経なくとも、運転技能に問題がある高齢者の免許証の更新や取消しについて警察が判断できるように検討を進めていただきたい」旨、櫻井委員より、「新たな認知機能のスクリーニング方法について、現場で希望者にテストしてもらうなどして、実用性を検証することも検討していただきたい」旨、安藤委員より、「違反歴と重大事故の関連性等に係る分析を基に、技能検査を受ける対象者が納得できるような制度設計を行っていただきたい」旨、宮崎委員より、「高齢運転者の運転を制限するのであれば、その代替措置についても交通政策全体の中でよく検討するべきである」旨の発言があった。

交通局長から、「高齢者の運転の可否を見定める上で、認知機能だけでなく運転技能についても確認する方向で、更に検討を続けてまいりたい。また、スクリーニング方法については、現場での運用のしやすさなどを踏まえて検討したい」旨の説明があった。

 

3 その他

交通局長から、運転免許学科試験問題に関する不適正出題事案について報告があった。

櫻井委員より、「法律を執行する側として本事案を重く受け止め、適切に対応していただきたい」旨、安藤委員より、「この問題により本来試験に合格するはずだった方に対しては、丁寧な対応を心がけていただきたい」旨、宮崎委員より、「警察部内のみならず、一般市民の方に対しても法改正の内容をしっかり周知していくよう努力していただきたい」旨の発言があった。

長官から、「今回の事案を受け、事案発生に至った要因を分析し、同種事案の再発防止に努めてまいりたい」旨の説明があり、小此木委員長より、「これまで以上に緊張感を持って職務に当たってもらいたい」旨の発言があった。