定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和3年8月5日(木)

午前10時00分 〜 午前11時35分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 棚橋委員長、安藤、小田、櫻井、横畠、宮崎各委員

松本長官、中村次長、露木官房長、小田部生活安全局長、藤本刑事局長、木交通局長、大石警備局長、砂田情報通信局長

太刀川首席監察官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)警察庁の定員に関する規則の一部を改正する規則案について

官房長から、警察庁の定員に関する規則の一部を改正する規則案について説明があり、原案どおり決定した。

宮崎委員より、「デジタル庁の構築段階から参加することは非常に重要だと思う。一方で、情報通信局からデジタル庁に人員を移しても、情報通信局として対応に問題はないのか」旨の発言があり、官房長から、「警察庁のシステムの整備の事務を一部デジタル庁に移管することにしており、実質的な影響はない」旨の説明があった。

 

(3)「ストーカー行為等の規制等に関する法律施行令の一部を改正する政令案」等について

生活安全局長から、「ストーカー行為等の規制等に関する法律施行令の一部を改正する政令案」等について説明があり、原案どおり決定した。

櫻井委員より、「ストーカー規制法は被害者の観点から作られた法律であり、刑事罰が付いてはいるものの、未然防止の観点から警察に動いてもらうために必要な行政規制を入れて作られた法律である。ストーカー行為等の要件や警察組織の動かし方について、被害者の観点から見て法を発展させていただきたい」旨、小田委員より、「「申出書の性別欄を削除してほしい」というパブコメの意見を受け入れており、時代を反映していると思う。一方、ストーカー行為等の定義について、被害者の立場に立った場合に、恋愛感情に基づくものに限定したままでよいのか、そろそろ議論を始める時期に来ているのではないか」旨、横畠委員より、「ストーカー規制法は、犯罪未満の行為であったものを類型的に限定して犯罪化し、これをコアに警察の権限事項という形で構成されていると理解しており、同法を拡張するとしても、司法の関与なしに行政権のみで対処する仕組みには限界があるのではないか。性別欄を削除することについては、被害者本人に性別を明らかにすることは求めないものの、警察として、犯罪実態を正確に把握し、今後の対策を検討するために必要な性別の区分の把握については、適切に対応していただきたい」旨、安藤委員より、「パブコメで寄せられた意見について、警察庁の意図が丁寧に説明されており、この姿勢は続けていただきたい。また、技術の進展や手口動向等の変化を情報として集積し、早めの政令の改正等ができるよう、現場と緊密にやり取りをしていただきたい」旨、宮崎委員より、「恋愛以外のつきまといにどこまで踏み込むのか、また、LGBTの時代でもあるので、これを機会に、性別に関する意識改革についても現場に浸透するようにしていただきたい」旨の発言があり、官房長から、「申出書の性別欄の削除については、あくまでも申出書という書面の上で申出人に性別を明らかにしていただく必要がないという趣旨であり、事案を処理するために必要であれば、聴取等により性別を確認することはもちろんあり得る」旨、生活安全局長から、「色々な事案に対処する中で、現行の規定で対応できないものが出てきた際には、速やかに都道府県警察から報告を受け、対応を検討できるような業務運営を行ってまいりたい。また、先般の法案の国会審議においても、ストーカー規制法に抵触しない動機に基づくストーカー行為等についても、法の規制対象とすることも含めて、必要な対策を検討するべきとの附帯決議がなされていることを踏まえ、必要な検討をしてまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)監察の取扱い事案について

    首席監察官から、警視庁の事務職員による不正アクセス禁止法違反等事案に関し、警視庁は、同職員を免職処分とする予定である旨、三重県警察の巡査長による監護者わいせつ事案に関し、同県警察は、同巡査長を免職処分とした旨、鹿児島県警察の巡査部長による住居侵入等事案に関し、同県警察は、同職員を免職処分とする予定である旨の報告があり、情報通信局長から、警視庁の事案に関連して再発防止策について報告があった。

    警視庁の事案について、横畠委員より、「場合によっては取り返しのつかない、重大な結果を招いていた深刻な事案である。全体をコントロールする管理者は必要であるが、その下の者には、業務を分けて与えた上で、それに対応するアクセス権限のみを与えるようにすべきであり、そこは徹底していただきたい」旨、小田委員より、「警察庁にサイバー局を設置しようとしている時期に、こういう事案が起こることは非常に深刻である」旨、宮崎委員より、「取り扱う人間が悪意をもってアクセスしても、それを防げるようなハード面の対策も検討していただきたい」旨、安藤委員より、「セキュリティ対策に加え、このような能力を持つ人がどのような時に仕事へのやりがいを感じるのか、人事管理も併せて考えていただきたい」旨の発言があり、長官から、「システムの管理者権限が、いわゆる性善説に立って運用されていたことが最大の問題であり、お詫び申し上げる。優秀な人材をルーティンの業務ばかりの狭い世界に配置し続けるとやりがいを感じられなくなる者も出てくることから、人材を流動化させることも考えている」旨の説明があった。

 

(2)通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策について

    交通局長から、通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策について報告があった。

    安藤委員より、「この緊急対策には、子供や保護者の意見は反映されているのか」旨の発言があり、交通局長から、「学校において子供や保護者の意見を吸い上げ、それを反映させた上で点検等を行うよう指示している」旨の説明があった。

    小田委員より、「スクールゾーンの設定や登下校時の時間帯に限った車両通行止めは非常に有効な規制であるが、どのような手続が必要なのか」旨の発言があり、交通局長から、「スクールゾーンは学校において設定するものである。時間を限った通行止めについては、地元の様々な意見を伺い、合意形成がなされれば、警察において実施することになる」旨の説明があった。

    安藤委員より、「対策について、可能なものから速やかに実施するとしているが、大まかなスケジュールを伺いたい」旨の発言があり、交通局長から、「10月末を目処に対策を立案することになるが、対策の内容を決める段階で、対策ごとにいつまでに実施できるのか、スケジュールを立てた上で進めてまいりたい」旨の説明があった。

 

(3)新型コロナウイルス感染症への対応について

    警備局長から、新型コロナウイルス感染症への対応について報告があった。

 

3 その他

  警備局長から、オリンピック・パラリンピック競技大会の警備実施状況について報告があった。

  宮崎委員より、「サイバー攻撃については、パラリンピックが終わるまで気が抜けないので引き続きよろしくお願いしたい」旨の発言があり、警備局長から、「サイバー攻撃については危機感を持って対応している。まだ終わっていないので、引き続き緊張感を持って対応してまいりたい」旨の説明があった。