定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和3年8月26日(木)

午前10時00分 〜 午前11時40分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 棚橋委員長、安藤、小田、櫻井、横畠、宮崎各委員

松本長官、中村次長、露木官房長、小田部生活安全局長、藤本刑事局長、木交通局長、大石警備局長、砂田情報通信局長

植田政策立案総括審議官、堀審議官(犯罪被害者等施策担当)

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)令和3年度の政策評価について

政策立案総括審議官から、令和3年度の政策評価について説明があり、原案どおり決定した。

小田委員より、「政策評価は形式的に流れている印象があるので、少し見直しをした方がよいのではないか」旨、横畠委員より、「政策一般の評価手法に無理に合わせるのではなく、警察の取締りや規制について客観的に評価できるような新たな手法についても検討すべきではないか」旨、安藤委員より、「評価結果を次の施策に活かしていくことが大事である。どのように指標を捉え、具体化することが、警察の施策としてよりアピールできるものになるのか、工夫を重ねていただきたい」旨、宮崎委員より、「単に数値目標を達成したかどうかではなく、質的なものをどう表現するのかを考えていただきたい」旨の発言があり、政策立案総括審議官から、「ご指摘を踏まえ、政策評価を形骸化させず、より良いものにできるよう、制度官庁とも相談しながら評価手法を検討してまいりたい」旨の説明があった。

 

(2)犯罪被害者等給付金の審査請求事案の裁決について

審議官(犯罪被害者等施策担当)から、犯罪被害者等給付金の審査請求事案の裁決について説明があり、原案どおり決定した。

 

(3)「銃砲刀剣類所持等取締法施行令等の一部を改正する政令案」に対する意見の募集について

生活安全局長から、「銃砲刀剣類所持等取締法施行令等の一部を改正する政令案」に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した。

 

(4)古物営業法施行規則の一部を改正する規則案について

古物営業法施行規則の一部を改正する規則案について説明があり、原案どおり決定した。

 

(5)関係行政機関の所管する法律の規定に基づく立入検査等の際に携帯する職員の身分を示す証明書の様式の特例に関する命令案に対する意見の募集について

刑事局長から、関係行政機関の所管する法律の規定に基づく立入検査等の際に携帯する職員の身分を示す証明書の様式の特例に関する命令案に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した。

櫻井委員より、「これは立入検査に関する案件ということで、行政法の観点からは極めて重要な対応に関わるものである。こうした全省庁横串で行う行政改革のような事柄については、全体像をしっかり意識しながら説明することを心掛けていただきたい」旨、横畠委員より、「今回の命令案は、個別法の側でそれぞれ既存の様式の特例となる新たな様式を定めるものとなっているが、統一様式を定め、それに個別法の側で対応するというのが本来の姿であると思う」旨、小田委員より、「既存の身分証明書に加えて、統合様式の身分証明書も使用可能にするものであるとのことであり、実際にどの程度の負担軽減になるのか疑問なところもある」旨の発言があった。

 

(6)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)令和4年度警察庁予算概算要求(案)の概要について

    官房長から、令和4年度警察庁予算概算要求(案)の概要について報告があった。

    小田委員より、「これからの警察の仕事はサイバー対策に比重が移行する、という認識の下、非常に戦略的に明確な概算要求であり、評価したい」旨、横畠委員より、「先端技術対策などに係る部分の警備局とサイバー局の所掌の関係については、実務がうまく回るようにしっかり検討、整理していただきたい」旨、宮崎委員より、「新しい組織構成については、長期展望を含めた戦略を背景に練りながら考えていただきたい」旨、櫻井委員より、「警察の場合は都道府県警察の予算と国の予算が併存しており難しいところがあるが、国が出せるお金を増やす方法を開発していく努力が必要である。新しい概念を作り、それを積み重ねていくなど、発展可能性のある予算要求をしていただきたい」旨、安藤委員より、「単年度の予算に力を注ぐのではなく、中長期的な視点で、警察がどう機能していくかを考え、戦略的に予算を確保していこうという姿勢の変化がみられる」旨の発言があり、長官から、「先端技術対策として何をするのか、仕分けていくと難しいところがある。予算については、警察が使えるものを積極的に使ってまいりたい」旨の説明があった。

 

(2)令和2年改正道路交通法の施行状況について

    交通局長から、令和2年改正道路交通法の施行状況について報告があった。

    小田委員より、「このあおり運転に関する改正は、これだけ効果が出ており、成功例である。妨害運転罪についてはドライブレコーダーの映像を使って捜査をしているが、一時停止やスピード違反等の交通違反でも、もう少し映像を駆使した取締りを検討していただきたい」旨、宮崎委員より、「世論の後押しがあってできる政策立案もあり、世論を味方につけて業務を遂行していくことも大切である。映像等を手段として使うことは有効であるが、頼りすぎることなく、基本のところは人間がしっかり見ていくことも忘れないでいただきたい」旨、安藤委員より、「ドラレコ等の映像をどのように活用しているのかという実態と、今後の活用の方向性について伺いたい」旨、横畠委員より、「映像記録をもっと積極的に導入すべきだと感じている。人の目に頼らない、客観的証拠を収集して利用する、という方向性で進めていただきたい」旨、櫻井委員より、「あおり運転を規制した効果については、検挙した数のみではなく、世の中の情勢等を踏まえて考えるべきである」旨の発言があり、交通局長から、「ドラレコをはじめ、客観証拠を取締りの中でどう活用していくのか整理し、報告させていただく」旨、長官から、「コロナで交通量が減っている等の事情もあることから、今回の改正の効果については引き続き検証する。捜査全般において、使える映像等はもちろん活用していくが、それらが無い場合にどう立証していくのかなども含めて整理し、今後の活用の方向性を詰めてまいりたい」旨の説明があった。

 

(3)新型コロナウイルス感染症への対応について

    警備局長から、新型コロナウイルス感染症への対応について報告があった。

    小田委員より、「警察官のワクチン接種が進んでいるが、感染者は減ってきているのか」旨の発言があり、警備局長から、「世の中の流れと同様、デルタ株の影響もあり、最近は警察官の感染者も増加傾向である」旨、官房長から、「ワクチン接種済みであっても基本的な感染防止対策を徹底するよう、改めて全国に通達を発したところである」旨の説明があった。

 

3 その他

(1)刑事局長から、工藤會総裁等に対する刑事事件の判決について報告があった。

 

(2)警備局長から、2020東京パラリンピック競技大会に関する警備情勢等及び大雨に関する警察活動について報告があった

 

(3)長官から、アフガニスタン情勢について報告があった。