定例委員会の開催状況

 

第1 日 時 令和3年9月9日(木)

午前10時00分 〜 午前12時05

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 棚橋委員長、安藤、小田、櫻井、横畠、宮崎各委員

松本長官、中村次長、露木官房長、小田部生活安全局長、藤本刑事局長、木交通局長、大石警備局長、砂田情報通信局長

大賀組織犯罪対策部長、河原サイバーセキュリティ・情報化審議官、堀審議官(犯罪被害者等施策担当)、小柳審議官(東京オリンピック・パラリンピック担当)、太刀川首席監察官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)令和3年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について

    サイバーセキュリティ・情報化審議官から、令和3年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について報告があった。

    横畠委員より、「暗号資産の追跡等は重要な課題なので、日本で技術的・法制的にどこまで対応できるのかしっかりと研究していただきたい」旨、宮崎委員より、「JAXA等に対するサイバー攻撃への対応のような好事例を積み上げていくことが重要である。また、目先の個々の事象に対処するだけでなく、サイバー空間に関する大きな動きを意識し、俯瞰的に見ていく必要もあるのではないか」旨の発言があった。

安藤委員より、「企業に対するサイバー攻撃について、相談を受ける体制の拡充などの取組が以前より進んでいるか伺いたい」旨の発言があり、サイバーセキュリティ・情報化審議官から、「相談のハードルを下げる努力は続けており、相談件数は昨年下半期より増加しているが、今後も相談窓口の拡充や現場のリテラシーの底上げに取り組んでまいりたい」旨の説明があった。

櫻井委員より、「サイバー空間は国境がなくグローバルなので、昨今のアフガニスタン情勢等、国際的な動きによりサイバー攻撃等の危険性が高まる懸念もあるのではないか」旨の発言があり、長官から、「国際情勢がサイバー空間での安全保障に影響を与えることはあり得るので、情勢をよく見て対処していく必要がある」旨の説明があった。

 

(2)令和3年度サイバーセキュリティ政策会議の開催について

    サイバーセキュリティ・情報化審議官から、令和3年度サイバーセキュリティ政策会議の開催について報告があった。

    小田委員より、「この会議の設置は非常にタイムリーである。政府全体の中での今後の位置付け、10年後のサイバー空間の予測や国際的な取組等、是非幅広い議論を行っていただきたい」旨、横畠委員より、「いわゆるサイバー空間の安全確保は横断的な課題であり、政府全体の中で警察庁が何を担うのか戦略を立て、警察組織がサイバーセキュリティの分野で必要な役割を果たせるよう努力していただきたい」旨、櫻井委員より、「警察庁と国家公安委員会がある中で、今回の政策会議をどう運営していくか、経験を積みながらよく検討していただきたい。また、いろいろな議論を受け止め、具体的な政策を検討する体制をきちんと整備することも必要である」旨の発言があった。

 

(3)監察の取扱い事案について

    首席監察官から、神奈川県警察の警部補による情報漏洩等事案に関し、同県警察は、同警部補を免職処分とする予定である旨の報告があった。

    安藤委員より、「処分は、常に、不服申立等がある場合も考慮した上で決めると理解している。今回の処分についてもきちんと整理をしておくのが良いのではないか」旨、横畠委員より、「ここまで暴力団対策が社会にも浸透してきた中で、暴力団員に捜査情報の一部を漏洩するなどということは言語道断である」旨、宮崎委員より、「この事案に限らず、特に若い職員は対人関係の距離感や線の引き方があやふやなケースがある。捜査手法の構造的な見直しについても同時に検討していただきたい」旨、小田委員より、「今回の事案の何が悪かったのか、どこで一線を踏み外したのかという点をきちんと広報等していただきたい」旨の発言があった。

 

(4)「全国犯罪被害者支援フォーラム2021」の開催について

    審議官(犯罪被害者等施策担当)から、「全国犯罪被害者支援フォーラム2021」の開催について報告があった。

    安藤委員より、「今年は第4次犯罪被害者等基本計画のスタートの年で重要な時期であるので、フォーラムのライブ配信がより多くの方に広まるような工夫や、パネルディスカッションには幅広い方に参加していただけるような工夫もしていただきたい」旨、宮崎委員より、「この大切な取組をより多くの人に知ってもらうため、ライブ配信の映像を10分程度にまとめたり、SNS上での問題など若年層が注目するような内容を付加するなどの工夫をしてみてはどうか」旨、横畠委員より、「これからは、犯罪加害者の家族に対する誹謗中傷の問題などの起きてしまった犯罪を巡る人々の不幸に社会がどう向き合うかといった関心の広がりも求められるようになるのではないか」旨、小田委員より、「このフォーラムには可能な限り参加しているが、被害者支援について皆さん本当に素晴らしい仕事をされている。被害者支援をされている方の仕事ぶりにスポットが当たるよう、報道関係者への説明といった取組も必要ではないか」旨の発言があった。

 

(5)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に伴う警備実施結果について

    審議官(東京オリンピック・パラリンピック担当)から、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に伴う警備実施結果について報告があった。

    安藤委員より、「数年来、オリンピック・パラリンピックについて公安委員会で様々な議論をしたことは非常に感慨深い。コロナウイルスのワクチン接種が困難な状況の中、オリンピック・パラリンピックの警備に従事する職員への迅速な接種を進めるより良い方法がなかったものかと感じている」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)組織犯罪対策部長から、世界における薬物情勢と我が国の課題について報告があった。

    横畠委員より、「大麻に関する規制の在り方を議論する前提として、大麻が人体にどう作用するのか、どのような害悪があるのかをしっかり国民に説明していくようにしていただきたい」旨の発言があった。