定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和3年12月2日(木)

午前10時00分 〜 午前11時20分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 二之湯委員長、小田、櫻井、横畠、宮崎、安藤各委員

中村長官、露木次長、小島官房長緒方生活安全局長、藤本刑事局長、楠交通局長、櫻澤警備局長、砂田情報通信局長

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)第49回衆議院議員総選挙における違反取締状況について

 刑事局長から、第49回衆議院議員総選挙における違反取締状況について報告があった。

 小田委員より、「高齢者施設における投票干渉事件が検挙されていたが、高齢化が進んでいるという今の時代背景から、今後この種の事件が増える可能性がある」旨、横畠委員より、「選挙違反の取締り件数は昔に比べて大きく減っている。選挙運動に携わる方々の意識が高まり、公正公明な選挙に努められるようになったのであればよいが、違反が潜在化し、取締りの手が及んでいないのであれば困ったことであるがどうか」旨の発言があり、刑事局長から、「違反については、関係する情報の収集に努め、しっかり捜査するという考え方で臨んでいる」旨の説明があった。

安藤委員より、「近頃はインターネットやSNSを使った選挙運動もあるが、何か特徴的なものはあるのか。また、何が選挙違反となるのかについて、国民の理解は進んでいるのか」旨の発言があり、刑事局長から、「今回の選挙におけるインターネットを利用した選挙違反の警告は11件であり、傾向にも大きな変わりはないと考えられるが、今後の動向には着目してまいりたい」旨の説明があった。

宮崎委員より、「選挙運動の名の下でのヘイトスピーチや誹謗中傷のような発言については、どのように対応していくのか」旨、小田委員より、「いわゆる落選運動について、どのようにお考えか伺いたい」旨の発言があり、刑事局長から、「選挙運動において、また、これに乗じて、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、個別の事案に即して適切に対応していくこととしている」旨の説明があった。

 

(2)第89回国際刑事警察機構(ICPO)総会の開催結果について

    刑事局長から、第89回国際刑事警察機構(ICPO)総会の開催結果について報告があった。

    宮崎委員より、「サイバー空間が進展し、過去の延長線上では解決できないことも多い中、このような国際的な枠組みにしっかり参加することはとても大切であるが、出資比率に見合う存在感を示すためにも、せめて執行委員には我が国の代表が常にいるような形にしてもらいたいと思う」旨、小田委員より、「過去に日本人の執行委員もいたが、そこに派遣する人や戻ってくる人について警察庁でどのようなポストにつけるのか、戦略的な考えがあるのか伺いたい」旨の発言があり、刑事局長から、「日本のプレゼンスを示し、各国とも連携しつつ、警察業務を円滑に遂行するためには、執行委員等として活躍できる人材の育成が大事なことであると思っている。その経験をどう活かすかといったことについても考えながら、優れた人材が執行委員等に登用されるよう努めてまいりたい」旨の説明があった。

 

3 その他

(1)交通局長から、「多様な交通主体の交通ルール等の在り方に関する有識者検討会」及び「自動運転の実現に向けた調査検討委員会」報告書案の概要について報告があった。

宮崎委員より、「この報告書案は様々な角度から検討されたもので、今後はこれを参考に政策に落とし込んでいくものと思うが、現実にそうした解釈を行って細部も詰めていただきたい」旨、小田委員より、「電動キックボードについては委員から運転免許が必要ではないかなどのネガティブな意見も出ているが、今後の法案作成の見通しはどうなっているのか」旨の発言があり、交通局長から、「有識者会議では、色々な方にヒアリングをし、委員からも様々な御意見がある中で相応の議論を経てこの報告書案が取りまとめられたものと承知しており、また、国家公安委員会でも各委員から様々な御指摘をいただいているので、それらをしっかりと踏まえながら検討してまいりたい」旨の説明があった。

横畠委員より、「報告書案の内容に関して、道路交通法でカバーしきれない内容まで含まれているのであれば、国の制度として、別の何らかの形で担保されるよう考えていただく必要があると思う」旨の発言があり、交通局長から、「御指摘のとおり、警察だけでは対応できない部分も含まれており、関係省庁と連携して工夫しながらやってまいりたい」旨の説明があった。

櫻井委員より、「自動運転については、地域住民の理解を得ることが必要不可欠であり、その仕組みを法令に組み込むことが極めて重要である。また、これまでの警察行政とは違うフェーズに入ることを自覚しながら対応に当たっていただきたい」旨、安藤委員より、「今回実現を図ろうとしている自動運転は、大きな期待と不安の両方がある中で、将来、どこまで拡充できるか見極める基本となるのスタートと言えよう。あくまでも限られた地域での、限られた仕組みの中でのスタートであることを、私たちにも理解できる形で法制化を図っていただきたい」旨、横畠委員より、「事業者が自動運転の許可を申請する際には、当該自動運転システムが地域の一般交通にどのような影響を与えるか等を調査、分析し、住民にきちんと説明をしたことが分かる資料を添付するような仕組みが必要ではないか」旨、宮崎委員より、「事故が起きないように配慮することはもちろんであるが、新しい技術については、想定外の事態にも柔軟に対応できるよう、都度改訂する余地も含め余裕を持って進めることも大事ではないか」旨の発言があった。

 

(2)情報通信局長から、情報技術解析業務の現状と中長期課題について報告があった。

櫻井委員より、「情報技術解析部門の教養体系について伺ったが、現状の戦力としては十分であると言えるのか」旨の発言があり、情報通信局長から、「現在の解析状況をみると、ある程度処理はできていると思うが、より一層職員の能力の底上げを図ってまいりたい」旨の説明があった。

宮崎委員より、「この分野は移り変わりが早い分野なので、経験が浅くても能力の高い人もおり、うまく各段階の人を組み合わせれば、効率が上がるのではないか」旨の発言があり、情報通信局長から、「経験が浅い者も、ベテランの職員と連携して作業に当たっている」旨の説明があった。