定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和4年2月24日(木)

午前10時00分 〜 午前11時20

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 小田、櫻井、横畠、宮崎、安藤各委員

中村長官、露木次長、小島官房長緒方生活安全局長、大賀刑事局長、楠交通局長、櫻澤警備局長、河原情報通信局長

直江首席監察官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)監察の取扱い事案について

首席監察官から、岐阜県警察の巡査長による特別公務員暴行陵虐事案に関し、2月25日、同県警察は同巡査長を免職処分とするとともに、国家公安委員会の了承を得られれば、監督責任として、地方警務官1名を本部長訓戒とする予定である旨の説明があり、原案どおり了承した。

櫻井委員より「被留置者を複数にすることにより再発防止を図るとのことだが、効率的な方法でしっかり対応していただきたい。また、監督責任の処分がやや軽い印象があり、結果も重大でインパクトの強い事案なので、処分の理屈付けや、今後の対策をしっかりと検討していただきたい」旨、安藤委員より「留置担当だけでなく、所属全体の気の緩みがあったのではないかと感じる。ハード・ソフト両面でしっかりと対策を講じていただきたい。また、留置担当者と被留置者での力関係には絶対的な差があることを念頭に、より人権に配慮して業務に当たるようにしていただきたい」旨、宮崎委員より「再発防止に向け、物理的にこのような事案を発生させないようなハード面の工夫を是非お願いしたい」旨、小田委員より「広報においては、再発防止策についてもしっかり説明するようにしていただきたい」旨の発言があった。

 

(2)安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律による犯罪収益移転防止法の一部改正について

刑事局長から、安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律による犯罪収益移転防止法の一部改正について説明があり、原案どおり決定した。

 

(3)「道路交通法の一部を改正する法律案」について

交通局長から、「道路交通法の一部を改正する法律案」について説明があり、原案どおり決定した。

小田委員より「この法案については、電動キックボードに関する改正が含まれており反対する。理由として、現在も自転車が歩道を走るなどやや無秩序な道路環境に、運転免許なしの電動キックボードが入ることによる混乱が強く懸念されること、また、電動キックボードの導入が我が国の産業競争力強化に本当に繋がるのか、政策的な意義を見出しにくいことが挙げられる」旨の発言があった。

櫻井委員より「シンプルな規範を定めてきた従来の道路交通法が、自動運転や電動キックボードなど未来予測型の新しい政策の受け皿となっており、法律の性質が変わりつつある。問題があれば随時見直しを図っていくとともに、道路交通法全体の整理にも取り組んでいただきたい」旨の発言があった。

横畠委員より「電動キックボード等の新たな類型の乗り物については、交通秩序を維持するための現場の努力が不可欠であるので、しっかりと取り組んでいただきたい。自動運転については、人の関与が「運転」なのか、自動運行装置に組み込まれた運行メニューの選択として「運転」には当たらないのかといった点についてよく整理するようにお願いしたい」旨の発言があった。

宮崎委員より「法改正をする際、利便性と安全性が対立したような場合、警察としては安全性を重視すべきだと思うが、今回、電動キックボードについて免許制など安全性を担保する施策が盛り込まれなかったことは残念である。論拠とされた自転車に関する性能等も相当変化してきている中、自転車に関する見直しなどが今回一緒に行われればより良いものになったのではないか。今後も、実態に即して迅速に改正を重ねる努力をしてほしい」旨の発言があった。

安藤委員より「自動運転については、将来的に拡大していく方向にあるので、その際に混乱を招かないように今後とも注意していただくとともに、運転する人が存在しないことによる責任の所在について、関係機関も含めて多角的に検討していただきたい。また、電動キックボードについては、警察だけではなく、社会全体で安全な道路環境を作るという意識の醸成や仕組み作りについて取り組むことが不可欠である」旨の発言があった。

交通局長から、「御指摘いただいた内容を踏まえながら、今後対応してまいりたい。特に、電動キックボードに係る免許に関する御指摘については、その問題意識を十分認識し、安全教育等の対策にしっかりと取り組んでまいりたい」旨、長官から、「各委員の御指摘をしっかりと受け止めた上で、特に電動キックボードについては社会的な安全意識の盛り上げを図るなどしてまいりたい。また、自転車等も含め、今後も安全かつ安定的な道路交通の秩序維持について警察としての役割を果たしてまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)自動車安全運転センター交通事故証明書交付手数料変更の承認について

交通局長から、自動車安全運転センター交通事故証明書交付手数料変更の承認について説明があり、原案どおり決定した。

 

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

 官房長から、国会の状況について報告があった。

 

(2)令和3年における日・米重大犯罪防止対処協定(PCSC協定)の実施状況について

   刑事局長から、令和3年における日・米重大犯罪防止対処協定(PCSC協定)の実施状況について報告があった。