定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和4年3月3日(木)

午前10時00分 〜 午前11時35分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 二之湯委員長、小田、櫻井、横畠、宮崎、安藤各委員

中村長官、露木次長、小島官房長大賀刑事局長、楠交通局長、櫻澤警備局長、河原情報通信局長

住友審議官(生活安全局担当)

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

 官房長から、国会の状況について報告があった。

 

(2)令和3年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について

   審議官(生活安全局担当)から、令和3年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について報告があった。

   安藤委員より、「相談体制が充実してきたが、相談を受けたからにはきめ細やかに対応することが求められる。とりこぼしがないように過剰に引き受けることのないよう、微妙なバランスが必要になってくるのではないか。色々な取組みの紹介があったが、より強く意識しているものは何か伺いたい」旨の発言があり、審議官(生活安全局担当)から、「警察と関係機関それぞれが対応すべき相談内容の区分けについて連携を密にすること、また、各都道府県警察において、警察官が被害者の心情等も含め、当該事案を多面的にとらえられるような指導・教育に取り組んでいると承知している」旨の説明があった。

   小田委員より、「ストーカー行為等の要件は恋愛感情に基づくものに限定されたままであるが、実際はそういう感情がないまま被害に遭う人もおり、その点の今後の方向性について伺いたい」旨の発言があり、審議官(生活安全局担当)から、「恋愛感情以外の部分の取扱いについては、ストーカー規制法の附帯決議の中でも検討を進めることとなっており、現在もいろいろな調査検討を進めているところである」旨の説明があった。

 

(3)令和3年における犯罪収益移転防止法の施行状況等について

   刑事局長から、令和3年における犯罪収益移転防止法の施行状況等について報告があった。

   櫻井委員より、「報告徴収は、本来は捜査に至らない段階で疑わしい特定事業者に対して行う行政措置であるが、実際は刑事手続の方が先行し、フィードバックして報告徴収を行っている状況であり、そこに問題意識は持っているのか」旨の発言があり、刑事局長から、「特定事業者に対する指導・監督は、特定事業者の所管行政庁が行うこととなっているが、特定事業者の犯罪収益移転防止法上の義務履行状況については、都道府県警察が捜査の過程で入手した情報を基に警察側が特定事業者から報告徴収を実施していることが多く、所管行政庁には指導を徹底していただくよう更に連携を強めていきたい」旨の説明があった。

 

(4)令和3年における交通事故の発生状況等について

   交通局長から、令和3年における交通事故の発生状況等について報告があった。

   安藤委員より、「分析の中で、高齢者を65歳以上にまとめて説明していたが、歩行中に事故に遭う高齢者について、もう少し小刻みな年齢に区分して分析してみてはどうか。また、自転車関連の交通事故の分析結果については、地方自治体や教育委員会等の関係機関との連携や役割分担を考える際にぜひ活用していただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「高齢者の分析については、年齢をどう区切って分析するべきかも含め、検討してまいりたい。また、自転車の関係については、交通安全運動や自転車月間等の機会を通じ、関係機関団体と連携して対策を進めてまいりたい」旨の説明があった。

   宮崎委員より、「分析結果については、事故を防ぐという直接的な対応だけではなく、今後の交通システム全体を構造的に見ていく上での貴重なエビデンスとしても有効に活用していただきたい」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)審議官(生活安全局担当)から、配偶者からの暴力事案に関する中長期的課題について報告があった。

横畠委員より、「DV法には、裁判所が双方の言い分を聞いて保護命令について判断する手続規定がある。警察は、犯罪に当たる行為や、それが予想される明確な事象があれば一定の対応が当然必要になるが、それ以上に踏み込むのは難しいのではないか。同時に、犯罪の予兆を見逃さないよう、現場の警察職員は、具体の犯罪に結びつく危険の有無を見極める力を備え、磨いていくことが必要である」旨、櫻井委員より、「DV法は、内閣府や法務省、厚労省等、多くの省庁が関わるバンドル法であり、責任の所在が不明瞭なところがあるが、加害行為が犯罪行為になった場合に対応することが警察の基本的な任務である。とはいえ、法改正の方針が定まり、関係省庁とどのような役割分担をしても、警察に相談が来ることは避けられないので、そこは柔軟に対応しなければならない」旨、安藤委員より、「相談する側は、どこがどういう相談を受けてくれるのか分からないので、まずは警察が頼りになると相談している状況にある。相談を受ける第一線の警察職員が、相談内容によって柔軟かつ適切に対応ができるよう、具体的な指導をお願いしたい」旨、小田委員より、「現場のニーズに合わせて法改正がなされたことで警察が負担する部分は増えているが、警察改革の経緯も踏まえ、今の意識をどう持つべきかという点が重要である」旨、宮崎委員より、「制度の仕組みを作る段階から、警察だけが24時間対応するのではなく、関係機関も、いつでも途切れなく対応できる仕組みを作っていくように工夫することも必要ではないか」旨の発言があり、審議官(生活安全局担当)から、「警察としては、役割を明確に意識した上で対応していくことは大きなポイントだと思っている。一方で、警察のDVに関する相談件数は増加の一途をたどっており、その中で、必要なものはしっかり受け取った上で、どう処理をすべきか、現場の警察職員が理解している必要がある。現場が困らないように助けるのが我々の仕事であり、法改正の動向も踏まえ、都道府県警察には何をどのように対処すべきか、体系的に分かるような形にして、必要な情報提供をしていきたいと考えている」旨の説明があった。

 

(2)警備局長から、ウクライナ情勢について報告があった。

宮崎委員より、「情報空間では、国家も個人も同等同列で力を発揮することができるので、この混乱に乗じたサイバー攻撃には十分気をつけていただきたい」旨の発言があった。