定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和4年4月7日(木)

午前10時00分 〜 午前12時00分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 二之湯委員長、小田、櫻井、横畠、宮崎、竹部各委員

中村長官、露木次長、小島官房長緒方生活安全局長、大賀刑事局長、楠交通局長、櫻澤警備局長、河原サイバー警察局長、増山技術総括審議官

大原審議官(国際担当)、直江首席監察官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)「銃砲刀剣類所持等取締法施行規則の一部を改正する内閣府令案」について

生活安全局長から、「銃砲刀剣類所持等取締法施行規則の一部を改正する内閣府令案」について説明があり、原案どおり決定した。

 

(3)「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律施行規則の一部を改正する規則案」に対する意見の募集について

警備局長から、「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律施行規則の一部を改正する規則案」に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した。

櫻井委員より、「通報書という言い方をしているが、これは行政手続法上の届出と同様のものであり、用語に問題はないか」旨の発言があり、警備局長から、「航空法等の国交省の法律に、いわゆる「届出」と同じ意味で「通報」という制度があることから、この規則でも「通報書」となっていると考えている」旨の説明があった。

宮崎委員より、「海外では兵器として使われているドローンや大型のもの、無人偵察機等も使われている。この法律にどこまで含まれるのか、時代に合わせて検討していく必要があるのではないか」旨、小田委員より、「今後ドローンが増えていくに伴い、警察の業務が何倍にも増えるといった未来予測も含め、対応していただきたい」旨の発言があった。

 

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

 官房長から、国会の状況について報告があった。

 

(2)臨時G7内務・治安担当閣僚会合の開催等について

   審議官(国際担当)から、臨時G7内務・治安担当閣僚会合の開催等について報告があった。

   宮崎委員より、「ウクライナ情勢は刻々と変化しており、今世界の関心はジェノサイドに移っているが、我々の立場からはどのような立ち位置で臨むのか、今後の見通しを伺いたい」旨の発言があり、審議官(国際担当)から、「日本政府としても、今のウクライナの事態を国際刑事裁判所に付託しており、まずは今後の捜査の展開を注視していきたい」旨の説明があった。

   小田委員より、「戦争犯罪について言えば、各国が証拠を集めているが、国際刑事裁判所としては公的機関の裏付けのある証拠を求めており、日本の警察としてもしっかり協力していただきたい」旨、横畠委員より、「警察として今すぐ直接何かできるということはないと思うが、今後、来日した手配者の拘束や、死体見分等の協力要請を受けたりした場合には、警察として協力していく場面はあると思うので、それに備えた情報収集等をしっかり行っていただきたい」旨、竹部委員より、「サイバーの世界では、既に国境を越えて日本も攻撃されている可能性もあるので、しっかり日本の立ち位置を考えた上で国際的な関係を構築し、サイバー上の対策を行っていただきたい」旨の発言があり、審議官(国際担当)から、「法務、外務当局とも連携して必要な取組みを検討してまいりたい」旨の説明があった。

 

(3)監察の取扱い事案について

   首席監察官から、皇宮警部による窃盗等事案に関し、報告があった。

   櫻井委員より、「全体的に処分量定が低い印象があり、しっかりと事案に応じたものとしてもらいたい」旨、横畠委員より、「身内に甘いと言われることのないよう、行為の態様にふさわしいものであるという説明ができる処分をすべきである」旨、宮崎委員より、「借財については、個人の状態を把握できる体制が必要である。また、前例にとらわれすぎず、時代ごとの価値観の変化も踏まえて処分を考えるべきである」旨、竹部委員より、「処分する側も説明責任を果たすという意識が必要である」旨、小田委員より、「身上関係の報告の在り方について、指導をするべきである」旨の発言があった。

 

(4)令和3年における生活経済事犯の検挙状況等について

   生活安全局長から、令和3年における生活経済事犯の検挙状況等について報告があった。

   横畠委員より、「年齢区分の推移は注目されるところであり、特に18歳、19歳を成年にしたことは社会的関心も高いので、その者たちの内訳が把握できるとよいと思う」旨、櫻井委員より、「生活経済事犯は、行政規則自体は他省庁が担っていて、連動する罰則を警察が担う形となっている。行政刑罰の法執行を担当する生活経済部門は重要な部署であり、実践的な行政措置がとられるようにどのような工夫ができるのか、警察庁も関心を持ってしっかり勉強していただきたい」旨、宮崎委員より、「この報告書には時代を象徴する事件が多く載っているので、グラフの定量分析だけではなく、定性的なところにもコメントを添えていただければと思う」旨の発言があり、生活安全局長から、「18歳、19歳については生活安全部門としても関心を持っており、どのような統計的な抽出ができるのか検討してまいりたい。また、生活経済部門は非常に幅広い分野を扱い、それぞれの事案は極めて専門性の高いものであるので、引き続き、生活経済部門の在り方について検討してまいりたい」旨の説明があった。

 

(5)令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について

   サイバー警察局長から、令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について報告があった。

   竹部委員より、「サイバー局の人材について、精神的な負荷のかかる仕事なので、しっかり担当官のケアをしていただくとともに、人材不足や育成に時間がかかることに配慮し、民間との連携もうまくやっていただきたい。また、特にサイバー特捜隊の実行性を担保するためには、国際協力が不可欠であるが、国際関係を構築するコア人材は一定期間の長期任用をするなどして、個人同士で信頼関係が築けるよう配慮をお願いしたい」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「人材については、これまでも部内で育成をしてきたが、官民人事交流等の民間人材をいかに活用していくのかが今後の課題であると考えている。また、海外と強固な信頼関係を構築するため、人事異動の間隔をより長くできるか検討してまいりたい」旨の説明があった。

   横畠委員より、「警察は事案が起こってからの対処に時間をとられがちであるが、サイバー警察局には政策を担うということを意識し、関係省庁と連携し、関係事業者とも協力してサイバー関係犯罪を実行しにくくするような環境整備に戦略的に取り組んでいただきたい。他方、サイバー特捜隊には世間の関心が寄せられているが、決して焦ることなく、良い事案を手がけていただきたい」旨、宮崎委員より、「国境を越えた連携や、他国との共同での対応など、新しい取組みを世界規模で考えられるようになったことがサイバー警察局の強みであると思う。民間との連携についてもいわゆる人事交流のみでなく、緊急時の衛星回線の確保など、新たな協力関係の在り方を探っていただきたい」旨、小田委員より、「サイバー警察局がどのような組織であり、どういう仕事ができるのか、もう少し世間にアピールしていただきたい」旨、櫻井委員より、「技術は民間が先行しているが、公的分野特有の問題もあり、実例を積み重ねていくことが重要である。また、国と都道府県警察にギャップがあり、これも課題である」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「日進月歩のサイバーの世界では、制度が犯罪インフラを作り出してしまうこともあるので、関係省庁とも連携しながら、犯罪の起こりにくい環境整備に努めるとともに、都道県警察には組織の意義と重要な役割をしっかり伝え、意識の共有を図ってまいりたい。また、広報の関係については、サイバー特捜隊を中心に積極的に発信してまいりたい」旨の説明があった。

 

3 その他

(1)委員長より、「先般、警察法の一部を改正する法律が成立し、施行された。衆・参それぞれの附帯決議では、国家公安委員会に対する「苦情申出制度」や、国家公安委員会による警察庁の「管理監督」についても言及があり、私からは、これらの決議の趣旨を十分に尊重する旨を述べた。国家公安委員会としては、サイバー警察局やサイバー特別捜査隊の活動について、国家公安委員会が定める大綱方針に則して行われるよう事前事後の監督を行い、警察庁を適切に管理することが求められている。犯罪捜査規範などの国家公安委員会規則の改正を行ったが、引き続き、各委員の御尽力をお願い申し上げる」旨の発言があった。