定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和4年4月14日(木)

午前10時00分 〜 午前11時15分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 二之湯委員長、小田、櫻井、横畠、宮崎、竹部各委員

中村長官、露木次長、小島官房長緒方生活安全局長、大賀刑事局長、櫻澤警備局長、河原サイバー警察局長、増山技術総括審議官

近藤総括審議官、今村交通企画課長

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

 総括審議官から、国会の状況について報告があった。

 

(2)令和3年における人身取引事犯の検挙状況等について

   生活安全局長から、令和3年における人身取引事犯の検挙状況等について報告があった。

   宮崎委員より、「成人年齢が18歳になったことから、今後の統計は18歳未満で区切るのかもしれないが、不安定な18歳、19歳をどのように扱うのか統計上も工夫していただきたい」旨、横畠委員より、「昨今の日本の経済事情やコロナの影響で、人身取引事犯は昔に比べると沈静化しているが、環境次第ではまた増加に転じる可能性もあり、警戒は怠らないようにしていただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「18歳、19歳の特定少年世代については、様々な統計において、特別の分析が必要だと思っている。また、日本社会は慢性的な人手不足であり、外国人労働力への期待もあるところ、関係省庁と共に情勢をしっかり分析し、被害が拡大する前に食い止められるよう力を尽くしてまいりたい」旨の説明があった。

 

(3)「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」の施行状況に関する国会への報告について

   警備局長から、「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」の施行状況に関する国会への報告について報告があった。

   小田委員より、「この問題は事件の風化が心配である。今はオウム真理教の活動も報道されておらず、世間的な関心がない中で、地域住民との意見交換は重要であるし、地域に密着している警察の情報は大きい」旨、横畠委員より、「オウム真理教の収益事業について調査等をしているのか」旨、竹部委員より、「社会が分断して人々が不安になっており、それをSNSがあおる形になっている状況において、この法律が対象としてきた団体とは全く異なるルーツから同じような暴力的集団が出てくる可能性が高まっていることを念頭に置いて準備することが重要である」旨、宮崎委員より、「オウム真理教がSNS等で他の団体等と結びついている恐れはないのか」旨、櫻井委員より、「公安調査庁の再発防止処分の請求に対し、オウム真理教から提出された報告書が不十分であったとのことであり、引き続き警察庁も関与していくべきである」旨の発言があり、警備局長から、「事件の風化については私たちも注意して対応している。若い人が勧誘の対象となりやすいので、各大学の入学時期に合わせて警察が情報提供をするなど、引き続き国民に関心を持ってもらえるような広報に努めてまいりたい。また、団体の保有資産に関しては、警察の調査や公安調査庁の報告徴収等が行われている。新たな暴力的集団やそれら団体との提携についても見逃さないよう、その活動実態をしっかり把握してまいりたい」旨の説明があった。

 

3 その他

(1)警備局長から、技術流出防止のための官民連携とアウトリーチ活動について報告があった。

横畠委員より、「今日の事業活動や高度な研究・教育はボーダレスで行われており、それに伴い、技術情報の提供や持ち寄りなど「流通」も必要だと思われるが、技術情報の「流出」防止ということで、国として、企業の活動や個人活動を、何を基準に、どこまで規律していくのかについて、どのように整理されているのか伺いたい。警察のアウトリーチ活動は、違法な情報収集手段に着目した犯罪被害防止のための活動と理解してよいのか」旨、竹部委員より、「この分野は、経済安全保障推進法の効力を担保する大事な領域であるが、企業に危機感が欠けている実態が見られる。アウトリーチ活動を通じて、経済安全保障と一緒にやっていくという認識を企業が共有し、更には新しい技術を活用して日本の防御態勢を固めていく活動につなげていって欲しいと思う」旨、櫻井委員より、「海外において専門官が大学を巡回して情報提供しているとのことであるが、どのようなものか、また別の機会にでも教えていただきたい」旨、宮崎委員より、「必ずしも軍事目的ではない、ごく普通の汎用の技術がどう使われるのか分からない時代であり、安全保障と技術との対応関係が分かりにくくなっている。結局は一人一人のリテラシーに帰するとは思うが、どこまで警察の政策として関わっていくのか、判断が問われるところではないか」旨、小田委員より、「このようなアウトリーチ活動は大事であり、積極的にやっていただきたい。また、大学では研究室ごと海外に移転する例もあり、海外に高く評価されていると美談調で報道されているが、このような危険性もあるということを、注意喚起していただきたいと思う」旨の発言があり、警備局長から、「経済安全保障は、国民経済全体の利益を得るために「国民生活の自律性の向上」「日本の技術の優位性、不可欠性の確保」「基本的価値やルールに基づく国際秩序の維持強化」を3つの柱としているが、対象となる技術等の具体化はこれからの作業である。また、アウトリーチ活動は、特に技術で成り立っている地元の中小企業に働きかけをすることに意味があると考えており、営業秘密がしっかりと管理されるように変えていきたい。海外では研究資金の報告ルールを丁寧に説明している例もある。デュアルユースの技術が広がり、最先端の研究室は多国籍で優秀な人を集めて研究をしている時代において、その状況と経済安全保障の部分をどう両立させていくのかが大きな課題である」旨の説明があった。