定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和4年6月2日(木) 

午前10時00分 〜 午前11時00分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 小田、櫻井、横畠、宮崎、竹部各委員

中村長官、露木次長、小島官房長緒方生活安全局長、楠交通局長、櫻澤警備局長、河原サイバー警察局長、増山技術総括審議官

渡邊組織犯罪対策部長

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案について

生活安全局長から、雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)六代目山口組、稲川会、住吉会、五代目工藤會及び旭琉會の指定の確認について

組織犯罪対策部長から、六代目山口組、稲川会、住吉会、五代目工藤會及び旭琉會の指定の確認について説明があり、原案どおり決定した。

横畠委員より、「彼らの世界では、代替わりで新たな組織になるとの考え方もあるようだが、代替わりと指定対象の団体の同一性はどのように整理しているのか」旨の発言があり、組織犯罪対策部長から、「運営を支配する地位にある者や運営方針、他団体との交流状況等の変化を子細に見る必要があるが、代替わりのみをもって同一性に疑義が生じるとは考えていない」旨、次長から、「暴力団は法人ではないため、団体の同一性は実態に基づいて判断している。代表者のほか、団体の目的、執行部の構成、構成員、活動内容等を総合的に考慮することになる。代替わりがあった際には、一般的には、後継者は自らの正統性を主張するため、団体の同一性を否定するようなことはない。このことが顕著になるのは暴力団が分裂した時である。例えば、六代目山口組が分裂した時にも、どちらが「山口組」の正統であるのかを巡って争いがあったと聞いている」旨の説明があった。

宮崎委員より、「暴力団の勢力が減り、半グレ等、組織に所属しない様々な社会の不安定要因が増えているが、暴力団の中身の構造的なところも変化してきているのか」旨、竹部委員より、「暴力団の勢力が下がりきったところで、中身は入れ替わるにしても、一定の規模を維持し続けるのではと危惧を持っているが、それに関する見解と、今後の施策について聞かせていただきたい」旨の発言があり、組織犯罪対策部長から、「いわゆる半グレと呼ばれるような集団を準暴力団として注視しているが、ほぼ全国にその勢力が広がっている。暴力団と準暴力団はお互いを利用している面もある。また、暴力団員の平均年齢が徐々に上がっている一方、若い者もそれなりに加入しており、今後の勢力を確定的に見通すのは難しい。暴力団と準暴力団のつながりに目を凝らし、実態解明や取り締まりに努める一方、暴力団の固定的な部分については、運営を支配する地位にある者に対し、検挙による隔離や、組長に対する代表者責任訴訟を通じた資金面からのダメージなど、総合的な対策を推進したいと考えている」旨の説明があった。

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

 官房長から、国会の状況について報告があった。

   小田委員より、「国会で審議されている刑法の侮辱罪について、法務省の所管ではあるが、最初に判断をする警察としてはどのように運用していくのか」旨の発言があり、長官から、「今回の刑法改正では、侮辱罪の構成要件に変更はなく、警察としては、言論の自由に配慮しつつ、今後もこれまでどおり、慎重に対応していく。一方で、SNS上の悪質な誹謗中傷等については、社会的な評価をしっかり受け止めながら対応してまいりたい」旨の説明があった。