臨時委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和4年7月12日(火)

午後4時00分 〜 午後5時00分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 二之湯委員長、小田、櫻井、横畠、宮崎、竹部各委員

中村長官、露木次長、小島官房長緒方生活安全局長、大賀刑事局長、楠交通局長、櫻澤警備局長、河原サイバー警察局長、増山技術総括審議官

 

第3  議 事

 

1 報告事項

(1)元内閣総理大臣に対する銃撃事件の発生と捜査状況について

   刑事局長から、元内閣総理大臣に対する銃撃事件の発生と捜査状況について報告があった。

   櫻井委員より、「この会議では、警備の在り方の検討が主題となるが、その検討にあたり、今後の捜査状況についても情報提供をお願いしたい」旨、横畠委員より、「捜査の方は捜査として、しっかりやっていただきたい」旨、竹部委員より、「事件の真相究明はもちろんのこと、社会にある闇をしっかり認識できるような形にしていただきたい」旨の発言があった。

 

(2)警護警備に関する「検証・見直しチーム」の設置について

官房長及び警備局長から、警護警備に関する「検証・見直しチーム」の設置について報告があった。

小田委員より、「検証・見直しチームのチーム長を次長とした経緯を説明していただきたい」旨の発言があり、長官より、「警護・警備の検証については、警備局に絡まない官房長を副チーム長とし、見直しについては、警備業務そのものを見直す作業となるため、警備局長を副チーム長とした。この2つを統括するために、チーム長を次長とした」旨の説明があった。

小田委員より、「最終的には責任問題の検討になると思うが、その際に、その適否を我々が判断できるような材料を提供していただきたい。また、奈良県警察本部長の記者会見は事件発生当日に行うべきだったのではないか」旨、横畠委員より、「今回の事案については警護に落ち度があることは否定しがたい。検証班では、具体的にどこに落ち度があったのか、なぜやるべきことができなかったのかを解明していただきたい。見直しについては、論点は多岐にわたると思う」旨、櫻井委員より、「この事件は、現時点では、個人的な恨みから性能の高くない武器で対象者を殺害したという古典的な構図を持った犯罪行為であるように見受けられる。警護の観点からすれば基本的な事項ができていなかったというのが本質的な問題であるが、かえって深刻であり、全庁的な危機感を持って検証をしなければいけない。前例のない事案に対して、緊張感をもって対応すべきと考える。合議体である委員会も頻繁に開催して進めていかなければならない。また、特に警察庁の関与の在り方については、警察庁と都道府県警察の関係が大きく横たわっている」旨、竹部委員より、「本件については、ネットで調べて武器を製造し、政治的動機ではなく、生活事情の不満からの非常に強い目的意識をもった個人によることが、従来型にない要素である。このような、襲撃方法の多様化や、見えない相手による突き止めづらい要素を持った事案について、生身の人間が警護に当たることで十分なのか、従来型の警備の枠を超えた範囲での見直しを進めていただきたい」旨、宮崎委員より、「この事件は、我が国の重要な価値だった治安の良さに対して疑問を生じさせており、国家の価値を毀損する事件でもあった。特に来年G7サミットを予定する中で、各国に懸念を抱かせる事態になったことは、我が国の国際社会における位置づけという観点でも重大な問題と捉えるべきである。また、危機管理の世界では、仕組みを作っても、その場で瞬発力で動かなければ防げないという一人一人の資質の部分もある。個人の判断をどこまで裁量として認めるのか、要人を突き飛ばしても守るところに遠慮はなかったか、突き飛ばして何もなくても褒められる風土ができているか、そうした個人の資質から組織の構造的問題に至る様々な次元において、根底から検証していただく姿勢が必要である」旨の発言があり、長官から、「いただいた御意見をもとに、国家公安委員会の管理の下で、検証、見直しの作業に取り組んでまいりたい」旨の説明があった。

委員長から、「今日の各委員のそれぞれの発言を心して、検証、見直しをお願いしたい」旨の発言があった。