臨時委員会の開催状況

                                                    

 

第1 日 時 令和4年7月19日(火)

午後2時00分 〜 午後2時50分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 二之湯委員長、小田、櫻井、横畠、宮崎、竹部各委員

中村長官、露木次長、小島官房長櫻澤警備局長

 

第3  議 事

 

1 報告事項

(1)警護警備に関する検証・見直しについて

官房長及び警備局長から、警護警備に関する検証・見直しについて報告があった。

横畠委員より、「検証では、警察は何をしていたのか、その中で今回の結果がなぜ起こったのか、どこで防げたのかが重要である。事実関係を時系列で整理し、それぞれのポイントで警護担当者が何をしたのか、また、何をしなかったのかについて、チェックしていただきたい。検証に当たっては、警護担当者1人1人に聞き取りを行い、なぜそのようにしたのか、何をする役割が与えられていたのか、それを自覚していたのかを把握する必要がある。また、そのようなことは自分の仕事ではないと思っていた場合、上司はなぜ具体的な指示をしなかったのか。どこかで誰かがこうしていれば今回の結果は防げていたのではないかということを検証していただきたい」旨、宮崎委員より、「SNSやマスコミが有りものの映像を編集しているが、編集した段階で情報はゆがむ。動画が撮影された角度にも影響されるので、これらに惑わされずに、事実関係を解明していただきたい。また、奈良県警察のみでなく、警視庁のSP担当からも聞き取りをお願いしたい」旨、小田委員より、「今回、国家公安委員会の管理下で見直しを行うが、国家公安委員会の役割を重く受け止め、管理監督機能が働いていることをしっかり示していきたい。まず、検証については、警護要員の動きについて、背後の警備体制が手薄であったこと、第2撃までに警護対象を結果的に守っていないことが既に指摘されている。また、警護計画の決定に至る過程、警護要員が受けた指示内容、選挙遊説期間中の警備体制の在り方とそれが警護要員の心理状態に与える影響、日頃の要人警護訓練など、これらについて解明することが責任問題について論ずるのに重要である。また、要人警護に警察庁がどのように関与するのか、総理大臣経験者の警護が現職閣僚と同じでいいのかという問題がある。党や警護対象者の意向もあり、警護が断られることもある中で、警察庁で政治家に対する警護上の危険度を検討し、その都度判断する必要がある。国家公安委員会の関わり方についても検討する。警察庁は全国警察への指揮監督権を有しているが国家公安委員会は有していない。国家公安委員会の下で検証・見直しを進めるに当たっては、法的責任の観点で判断していくべきと考える。責任問題については警察庁幹部が決めるべきであるが、その判断が正しいのかを判断するために、できるだけ資料をいただきたい。一方で、法的責任とは別に、政治的責任という問題もある」旨の発言があった。

宮崎委員より、「都道府県警察の制度や運用について、ばらつきが生じているということはないか、都道府県警察間の能力差、他県警ならば今回の結果は起きなかったのかについても検証していただきたい」旨、横畠委員より、「都道府県警察間の能力差については比較しようがないのではないか」旨の発言があった。

見直しについて、竹部委員より、「見直しについては、抜本的な体制の見直しが避けられないと思う。地方の警護員の練度を高めるためには、地方の警護員を中央に集めた上で全国に派遣して対応させ、中央で指揮を執る体制で現場を常に経験させることが必要ではないか。企業では、海外や地方に現地スタッフを配置しビジネスチャンスを発掘するが、それらをビジネス化し、交渉するのは、常に練度が練られている本社であることをひとつのヒントにしていただきたい」旨、宮崎委員より、「海外の警護制度についての研究もお願いしたい」旨、櫻井委員より、「海外の制度を研究するのであれば、ドイツ等の大陸法の国まで調査していただきたい。見直しの方向性については、まず、実務上、都道府県警察間の所要調整で対応している要人警護のエリアの広域化を図り、少なくとも長官の指示という形での国の関与が必要と考える。また、現代は加害者がネットで情報を得ることで力を得やすくなっており、現代型の犯罪に対応するためには、警護計画の作成及び実施について警察庁や警視庁がてこ入れする必要がある。近年、地方分権が進み、国の関与の在り方が従来とは別の文脈で懸案となる場面が生じているが、警察法でも同じ問題に直面しており、どのように乗り越えるべきか検討していただきたい」旨、横畠委員より、「現場で行うべきことをメニュー化して示し、それを具体的に指示することが必要である。現場レベルでの警護をしっかり行うルール作りを目指してほしい。また、他国における最先端の装備資機材について研究し、導入できるものについては、予算措置をし、警護の質が変わったと言えるような見直しをしてほしい」旨の発言があった。

長官から、「幅広く大局的観点からの意見・御指導を頂いた。しっかりと検証・見直し作業の中身を詰めてまいりたい。外国の制度についての調査も、既に着手している。次回以降、頂いた意見を踏まえ、私どもの考えや判断をお伝えしながら意見を伺いたい」旨の説明があった。

委員長より、「本日の意見をしっかりと参考にしつつ、検証を進めていただきたい」旨の発言があった。