定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和4年7月21日(木)

午前10時00分 〜 午前11時45分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 二之湯委員長、小田、櫻井、横畠、宮崎、竹部各委員

中村長官、露木次長、小島官房長緒方生活安全局長、大賀刑事局長、楠交通局長、櫻澤警備局長、河原サイバー警察局長、増山技術総括審議官

谷首席監察官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)警護警備に関する検証・見直しについて

官房長から、警護警備に関する検証・見直しについて報告があった。

横畠委員より、「検証は個人の責任を問うものではないが、各警護員が、「どういう行動をとっていたか」だけではなく、「任務は何か」を確定させ、その上で、何をすべきであったのかということを解明する必要がある。また、これまでの報告を聞いていると、現場での対応以前に計画段階で問題があったと言わざるを得ない。計画が後方警戒を考えたものになっていない」旨、竹部委員より、「接近してきた不審者を最後のところで取り押さえる役割が果たされていないこと、そもそものところで異常な接近そのものを発見する仕組みがないのは配置そのものの問題であると言わざるを得ない。現場で警護員の配置が変わったのであれば、任務が正しく引き継がれたかが重要である」旨、小田委員より、「6月には安倍元総理や茂木幹事長が演説したとされるが、この時の警備計画や人員配置との違いを説明してほしい」旨、宮崎委員より、「台車の人や道路の斜め横断など、そもそも交通ルール違反であり、警察官による目配りはできていたのか」旨、櫻井委員より、「聴衆に対する警戒という点において、実際の脅威として何を想定していて、現実がどうで、何が不足していたのかということの整理が必要である。右翼や暴力団とは異なり、面割りといった活動が困難である中、私的な恨みという脅威が、想定の中にどのように位置付けられているのかということを明らかにしていかないと、計画の立て方が良かったかどうかという議論にならない。法律論から言えば、警護する側がどういう注意義務を持っていて、どの程度の範囲に注意を払うべきだったのか、詰める必要がある。計画に問題があったとの指摘もあるが、自分の印象では、後ろから人が来ることがどの程度想定される交通量であったのかといった点もポイントの一つであると思う」旨の発言があった。

官房長から、「6月の安倍元総理、茂木幹事長の時の警備計画との違いについては改めて説明する」旨、長官から、「現場で様々な状況変化がある中で、各警護員の任務は指揮官が与えなければならない。任務付与ができていないことに根本的な原因があると感じている。見直しにおいては、警護対象の具体的個別の脅威度あるいは危険度を評価し、それに応じた計画を立てることも考えてまいりたい」旨の説明があった

 

(2)監察の取扱い事案について

警視庁の警部補による危険運転致傷事案に関し、同庁は同警部補を免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(3)令和4年上半期の懲戒処分者数について

首席監察官から、令和4年上半期の全国警察職員の懲戒処分者数は、前年と比べ35人増加し116人で、その内訳は、免職10人、停職29人、減給54人及び戒告23人であること等について報告があった。

宮崎委員より、「パワハラについて、風評・兆候の有無等を踏まえて対策を講じることは非常に有効であり、未然防止等に取り組んでいただきたい」旨、小田委員より、「パワハラは誤った使命感みたいなものを持っている人が起こしやすく、矯正しにくいものなので、配属先の工夫等、色々考えていただくことが必要である」旨、竹部委員より、「パワハラをする人は、自分の言動がパワハラになっていると思っていないので、一定の管理職に360度評価を導入する等して、本人に気付かせることが大事であると思う」旨、櫻井委員より、「警部補以上クラスの50歳代の人たちで、抱える悩み等を共有しつつも、今後どうしてくべきか前向きに話し合えるような場を設けてあげてはどうか」旨、横畠委員より、「パワハラという結果が生じる前の時点で、パワハラとまで言えないものも含め、当事者からのみではなく、周りで見ている同僚等からも幅広く、気軽に相談や報告を受け付けるプロセスを拡充させることが必要である」旨の発言があり、首席監察官から、「パワハラについては、受け手側の気持ちを吸い上げて気づきを得るとともに、風評や兆候といったものを組織的に把握し、注意を払い続けることが大事であると思っている。また、指導については、部下を持った上司が、悩みながら自己流で指導するのを放置するのではなく、指導方法についても指導をし、上司を育てることも重要だと考えている。今後も、様々な観点から取組を進めてまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)令和5年度警察庁予算概算要求重点項目(案)について

官房長から、令和5年度警察庁予算概算要求重点項目(案)について報告があった。

宮崎委員より、「予算の中身については、資機材の充実はもちろんのこと、良い人材を採用するための職場の環境整備にも目を向け、戦略的に組み立てていただきたい」旨、小田委員より、「国境離島警備の装備資機材の整備については、海保とも連携し、長期的な計画を立てて進めていただきたい」旨、竹部委員より、「デジタル庁一括計上の部分については、全体最適に協力する一方、警察としての予算獲得、執行が確実なものとなるよう取り組んでいただきたい。また、システム構築による効率化は人件費の削減と表裏一体であり、長いスパンでの予算戦略を練っていただきたい」旨の発言があった。

 

(5)警察庁G7広島サミット等警備対策推進室の設置について

警備局長から、G7広島サミット等に係る警備の万全を期することを目的として、警察庁に、次長を室長とし、庁内各部局長等を室員とする「警察庁G7広島サミット等警備対策推進室」を設置することについて報告があった。

櫻井委員より、「警備局の話は公にしづらい情報が多いが、説明の時期や問題設定の仕方等により工夫の余地はあり、更に深掘りした内容の説明を委員会の場でしていただくことで、行政を考え直す契機としていただきたい」旨の発言があり、警備局長から、「御意見を踏まえ、しっかりと対応してまいりたい」旨の説明があった。

 

(6)岸田内閣総理大臣のアメリカ合衆国訪問に伴う警護警備について

警備局長から、「岸田内閣総理大臣は、7月31日から8月2日までの間、NPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議出席等のため、アメリカ合衆国を訪問予定であり、所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。