定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和4年9月1日(木)

午前10時00分 〜 午前11時00分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 小田、櫻井、横畠、宮崎、竹部各委員

露木長官、緒方次長、小島官房長山本生活安全局長、大賀刑事局長、楠交通局長、原警備局長、河原サイバー警察局長、増山技術総括審議官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)「道路交通法施行令及び自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律施行令の一部を改正する政令案」等について

交通局長から、「道路交通法施行令及び自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律施行令の一部を改正する政令案」等について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)サイバー警察局の活動状況について

サイバー警察局長から、サイバー警察局の活動状況について報告があった。

宮崎委員より、「国境を越えたサイバー事案については、ネットワークの監視と通信の秘密の関係や、おとり捜査への参画の可否など、国内法との整合性等を考えねばならないところがあるが、国際共同捜査が有効に動くような国内での整備や検討は進んでいるのか」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「国際共同オペレーションを進める上で、様々な先進的な手法があるが、官民連携や省庁間協力等の施策における連携の中で、種々の課題について関係機関の中で検討の機運が生じ始めており、引き続き、共通の問題意識を持ちながら進めてまいりたい」旨の説明があった。

竹部委員より、「サイバー空間には国境がなく、積み上げた組織の方針や人材も国際的な情勢に大きく左右されることから、今は、国際連携の意識をしっかりもち、海外で何が起きているのかということを柔軟に受け入れ、知見として取り込んでいくことが求められている。現在のサイバー警察局の実力をしっかり把握した上で、長所を生かして、したたかに交渉し、外国の捜査機関から情報を得ていくとともに、信頼関係の中で、対等で、お互いリスペクトできるような関係構築に努めていただきたい」旨、横畠委員より、「サイバー保険を取り扱う損害保険会社との連携においては、被害が拡大すれば保険会社の支出も当然増大するので、一定の事象が発生した場合には、顧客企業が警察へ通報・相談することを保険金支払いの条件にする、というようなところまで検討してもよいのではないか。SMS機能付きデータ通信SIMについては、本人確認に大きな穴があいており、音声通話SIMと同様にしっかり手当てすべきである。サイバー警察局は、政策局としての自覚を持ち、所管の当局に政策的な提言、要求を出していただきたい。また、ネットワークを多国間で協力してリアルタイムにチェックするような手法は国際的には行われており、こうした実態をよく把握した上で、法的な整備も視野に入れて具体的な検討を進めていただきたい。加えて、外部人材の活用も重要であり、都道府県警察と、外部人材の活用に関する好事例を共有していただきたい」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「サイバー空間の脅威に対応していくためには、国際情勢を敏感に読み取る能力や語学力が重要である。日本は国際的に見ても高い情報技術解析能力を有しており、その強みを前面に打ち出し、外国捜査機関と渡り合いながら連携を深めてまいりたい。また、サイバー攻撃の被害の実態は損保会社に集まる構図となっていることから、損保会社と連携し、被害情報を共有することで、潜在化しやすい被害の実態を掘り起こせるよう、引き続き、所管官庁とも連携しながら、業界団体への働きかけを継続してまいりたい。外部人材については、これまでもピンポイントで力を貸してもらう場面はあり、今後もあると思うが、さらに知見を深めながら対応してまいりたい」旨、長官から、「データ通信SIMの契約時の本人確認については、携帯電話不正利用防止法の制定時にはなかった悪用の実態が出てきていることから、制度面でも手当てできないか検討してまいりたい。また、サイバー攻撃の被害を潜在化させないためには、警察の捜査、摘発能力を強めることが一番肝心である。外国の捜査手法の実態をよく学んだ上で、技術と法律両面の問題を二つ併せて検討する必要がある。重い課題であるが、関係省庁と問題意識を共有し、サイバー警察局を中心に引き続き検討してまいりたい」旨の説明があった。

櫻井委員より、「サイバー事案は、県境や国境を越えるもので、制度面について課題があるものの、ソフトに越えていける部分が多いと考える。行政は法から離れて執行することはできないが、技術の進歩は非常に速く、自由度高くオールラウンドに活動してくる相手に対しては、可能な限り頭をやわらかくして対応していただきたい」旨、小田委員より、「やはり外国の治安情報部門との連携は重要である。将来的には技術的、法律的な問題もクリアしながら、サイバー警察局が政府全体の情報コミュニティの一角を担うような組織になっていただきたい。また、サイバー特別捜査隊も注目されており、ぜひその存在感を示してくれることを期待している」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)警備局長から、総合防災訓練について報告があった。

宮崎委員より、「災害時に一番大事なことは、正しい情報を収集して、それに基づいて現場の状況を正確に判断し、対応することである。特に渦中にあると正確な情報の収集は難しいので、どうすれば瞬時に何があったのかを真実に近く把握することができるのか、情報収集・判断の訓練も積んでいただきたい」旨の発言があった。