定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和4年10月6日(木)

午前10時00分 〜 午前11時20分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 小田、櫻井、横畠、宮崎、竹部各委員

露木長官、緒方次長、楠官房長山本生活安全局長、大賀刑事局長、太刀川交通局長、原警備局長、増山技術総括審議官

原田審議官(サイバー警察局担当)

堀政策立案総括審議官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)令和4年度の政策評価について

政策立案総括審議官から、令和4年度の政策評価について説明があり、原案どおり決定した。

櫻井委員より、「政策評価は、作業としては一定程度成熟してきたといえるが、同時に、マンネリ化の危険性も出てきたと感じている。特に、柔剣道等の術科については、実務上の職権行使との関係で、有効なものとなっているのか合理的に検証してみる必要性がある。来年度の評価対象として扱えないか、検討していただきたい」旨、竹部委員より、「新たに、過去の取組、現状、今後の取組を図式化したものを入れたことで、やっていることが見える化され理解しやすくなった。現状の部分で示される課題形成力と今後の取組の部分で示される問題解決能力は、とても大事な要素であり、来年度はぜひ、今年度の問題解決の結果を過去の取組の部分に反映させ、全体を回していくことで、この政策評価を現場の実務に生かしていただきたい」旨、横畠委員より、「政策評価は、政策の棚卸しを年1回やって、その上で課題を認識するというプロセスであると思っている。警察庁では、過去、現在、今後の課題等を整理した表を作成して分かりやすく説明する工夫をしており、ぜひこの取組は続けていただきたい」旨、宮崎委員より、「各省庁共通の定型では表現できない部分をPDCAが見えるような表でよく表現していると思う。今後の取組の成果をしっかり評価し、PDCAをらせん状に回して積み重ねていけば、実務に有効であると思う」旨の発言があり、政策立案総括審議官から、「今回新たに加えた表は、担当部局が虚心坦懐に今までの施策を振り返った上で作成したものである。他方で、情勢に応じて見直しを行い、必要性に応じて改訂する作業を継続してまいりたい。術科については、今までの基本目標には含まれていないが、今後、検討させていただきたい」旨の説明があった。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、国会の状況について報告があった。

 

(2)令和5年度採用候補者(国家公務員採用総合職・一般職試験合格者)の内定について

官房長から、令和5年度採用候補者(国家公務員採用総合職・一般職試験合格者)の内定について報告があった。

横畠委員より、「多様な経歴を持つ学生が多く、警察は良い人たちを集めたと思う。この採用候補者のそれぞれの持ち味をうまく生かしつつ、育てていただきたい」旨、竹部委員より、「内定者のほぼ全員が何らかの英語の資格を保有しているが、今後は警察業務に必要な要素、基礎的素養になると考えているのか」旨の発言があり、官房長から、「警察の業務には国際的なものもあり、当然、英語の素養は大事であることから、1つの目安としている」旨の説明があった。

小田委員より、「今年も多様な人材をうまく集めたと思う。学生たちに積極的にアプローチするなど、努力されているなと思う」旨、横畠委員より、「学生は、いわゆる官僚の仕事を多分知らないのではないかと思うが、官僚組織は専門性という面では日本一のシンクタンクであり、人それぞれの役割、能力が常に試されている社会である。そのような中で学生に言える警察庁の魅力は、専門性の高さや組織の結束力にあるのではないか」旨、宮崎委員より、「社会全体の価値観が公や国から民や私という方向に重心が移っているイメージがあり、また組織に対するロイヤリティーの在り方にも変化が生じている中で、内定者1人1人が矜持をもって充実した毎日を過ごせるよう、環境を整えていただきたい」旨、櫻井委員より、「警察行政は多様性に欠けるところがあると感じているが、うまく魅力を発信していただきたい。確かに官より民の方が活力はあるが、また官に意識が戻ってくるタイミングもあるだろうと思っている」旨の発言があった。

竹部委員より、「警察庁も含めた官僚が、国際情勢等のより開かれたビジョンを持ち込むことにより、日本国内だけではなく、もっと広いところで最適性を求めていくことが可能となることから、そのための素養として、今後の採用者には基本的な語学力は必要不可欠だと思う」旨の発言があり、官房長から、「英語の必要性は委員御指摘のとおりであり、警察庁としても必要な語学教養を行っている」旨の説明があった。

 

(3)令和4年度全国警察剣道大会及び全国警察柔道大会の開催について

官房長から、令和4年度全国警察剣道大会及び全国警察柔道大会の開催について報告があった。

宮崎委員より、「女子チームは出場しない県もあるようだが、強さを競うだけではなく、精神性や業務への反映といった点も考慮して、広域チームの編成など出場の方法に工夫があると良いと思う」旨、櫻井委員より、「なぜこのような大会を開催するのか、ということをしっかり考えていただきたい」旨の発言があり、官房長から、「女子の広域チームについては、メリット、デメリット等を含めて検討してまいりたい。また、柔剣道大会の意義について職務との関係を示せるよう考えてまいりたい」旨の説明があった。

 

3 その他

(1)故安倍晋三国葬儀に伴う警備実施結果について

警備局長から、故安倍晋三国葬儀に伴う警備の実施結果について報告があった。

櫻井委員より、「関係省庁との意思疎通について、十分ではない点があったのであれば、今後に生かせるよう、よく調整しておくべきである」旨、宮崎委員より、「SNS発信は威力があり、無視できない要素になっている。今後手厚く見ていく必要がある」旨、横畠委員より、「今回は特に気合いの入った大規模警備であり、手を尽くしたと思うが、細かい点も含め、反省教訓を取りまとめ、今後に生かしていただきたい」旨、竹部委員より、「今後の難易度や質の違う警備に備え、引き続き必要な予算確保、装備の充実、人材教育を地道にやっていただきたい」旨、小田委員より、「応援派遣等にかかる費用も含め、今回の国葬儀に係る記録は、適正に保管していただきたい」旨の発言があり、警備局長から、「今後の警備に当たっては、SNS情報にも気を配るとともに、臨機応変に対応できるよう準備してまいりたい。今回の警備を受け、警護の基準についても、見直すべき点があると認識しており、基準を見直し、警護のレベルアップを図ってまいりたい。また、今回の警備に係る費用についても、しっかり記録しておきたい」旨の発言があった。

 

(2)サイバー部門における有識者会議について

櫻井委員より、「警察行政の中身を豊かにし、様々な観点からブレーンストーミングも含めて検討する、という点では、このような有識者会議は有用性があり、立ち上げるメリットは小さくない。未来志向で現代型の政策立案につなげていけるよう、コンセプトを詰めていただきたい。また、有識者の人選についても、政府で定められた基準を踏まえつつ、サイバー局がこれは、と見込む人材をリクルートしていただきたい」旨の発言があり、審議官(サイバー警察局担当)から、「御指摘を踏まえ、どのような形で開催するのか、テーマ設定や人選も含め、よく考えてまいりたい」旨の説明があった。