定例委員会の開催状況
第１ 日 時 令和５年１１月３０日（木）
午前１０時００分 ～ 午前１１時１５分
場 所 国家公安委員会室
第２ 出席者 松村委員長、櫻井、横畠、宮崎、竹部、野村各委員
露木長官、緒方次長、楠官房長、檜垣生活安全局長、渡邊刑事局長、迫田警備局長、河原サイバー警察局長、島﨑技術総括審議官
小林審議官（交通局担当）
佐野審議官（国際担当）、片倉首席監察官
第３ 議 事
１ 議題事項
人事案件について説明があり、原案どおり決定した。
（２）愛知県岡崎警察署における被留置者の死亡事案に係る調査・捜査結果等について
官房長から、愛知県岡崎警察署における被留置者の死亡事案に係る調査・捜査結果等について報告があり、さらに、警察庁懲戒審査会の審査結果及び愛知県岡崎警察署長を減給３月とする処分案の説明があり、原案どおり決定した。
櫻井委員より、「厚生労働省が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律における措置入院の運用に関するガイドラインを取りまとめているが、医療を要する被留置者の対応という点において同ガイドラインのみでは十分とはいいがたく、警察官の視点に立ったマニュアルが別途必要である」旨の発言があり、官房長から、「今回の事案を受けて、現場の警察官が実践的に対応できるマニュアルの作成が必要と考えているところであり、厚生労働省のガイドラインを踏まえ関係省庁にも働きかけながら検討を進めてまいりたい」旨の説明があった。
横畠委員より、「地域により医療体制に差異があるため、特に精神疾患を有する被疑者の対応については、それぞれの地域の実情を踏まえて都道府県警察本部において知事部局などと協議を進めていただきたい。また、留置業務は、地味ではあるが、必要不可欠な業務であり、実は難しい仕事だと思う。規則で厳格に規律する必要はあるが、どこかに職員の工夫の余地があり、それが評価されるのであれば、やりがいにつながるのではないか」旨の発言があり、刑事局長から、「警察官や検察官の通報による措置入院の状況は地域により差異があり、都道府県警察に対しては、主体的に関係機関との協議を進めて連携するよう指示している。引き続き、改善を図るよう指導してまいりたい」旨、官房長から、「留置担当官のモチベーションの向上と、以後のキャリアにプラスとなる施策について引き続き検討してまいりたい」旨、生活安全局長から、「警察官の通報による措置入院に関し、警察庁としては、これまでも厚生労働省に状況の改善を申し入れるとともに、各都道府県警察に対して個別に知事部局と調整するよう指導しており、引き続き必要な対応に努めてまいりたい」旨の説明があった。
竹部委員より、「組織のリーダーは全ての業務に関心を示し、業務に従事する者に対して目的と評価基準を明示し適切に評価しなければならないが、リーダーが留置業務に無関心で、部下にその影響が及んだことが本事案の問題の本質だと思う。本事案を一つの教訓として、魂が入った再発防止策を進めていただきたい」旨の発言があり、官房長から、「留置業務に関する不適正事案が発生する都度、基本を徹底することの重要性を指導してきたが、こうした基本の徹底を組織的に評価することにより、留置業務における基本の重要性に係る意識を醸成してまいりたい」旨の説明があった。
宮崎委員より、「警察官がとるべき行動に関するマニュアルを導入しても、時代の変化とともにその内容も変わってくるので、その行動の根拠となるものが明らかでなければ業務に対する納得感も得られないと思う。こうした機会に、警察における対応の範囲と関係機関との連携について整理しておくべきではないか」旨の発言があり、官房長から、「御指摘を踏まえ、個別具体の事案に応じ、警察として対応できる事項と、関係機関との連携が必要な事項等について整理してまいりたい」旨の説明があった。
（３）社債、株式等の振替に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う犯罪収益移転防止法施行規則の一部改正案に対する意見募集について
社債、株式等の振替に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う犯罪収益移転防止法施行規則の一部改正案に対する意見募集について説明があり、原案どおり決定した。
（４）「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部を改正する政 令案」等に対する意見の募集について
刑事局長から、「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案」等に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した。
（５）国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について（了承事項）
国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。
２ 報告事項
（１）国会の状況について
官房長から、国会の状況について報告があった。
（２）Ｇ７茨城水戸内務・安全担当大臣会合の開催について
審議官（国際担当）から、Ｇ７茨城水戸内務・安全担当大臣会合の開催について報告があった。
（３）監察の取扱い事案について
大阪府警察の巡査部長による覚醒剤取締法違反事案に関し、同府警察は、同巡査部長を免職処分とする予定である旨、鹿児島県警察の巡査長による強制性交等事案に関し、同県警察は、同巡査長を免職処分とする予定である旨の報告があった。
（４）Ｇ７茨城水戸内務・安全担当大臣会合の開催に伴う警備について
警備局長から、１２月８日から１０日までの間、茨城県水戸市においてＧ７茨城水戸内務・安全担当大臣会合が開催される予定であり、これに伴い、所要の警備を実施する旨の報告があった。
（５）岸田内閣総理大臣のアラブ首長国連邦訪問に伴う警護について
警備局長から、岸田内閣総理大臣は、１１月３０日から１２月３日までの間、国連気候変動枠組条約第２８回締約国会議（ＣＯＰ２８）出席等のため、アラブ首長国連邦を訪問予定であり、これに伴い、所要の警護を実施する旨の報告があった。
３ その他
（１）関係機関等との連携の継続について
横畠委員より、「先日の全国公安委員会連絡会議において、都道府県公安委員会委員の経歴や知見等のバックグラウンドを活かした関係機関等との連携について協議がされたが、特定の委員の在任中のみにとどまることなく継続して維持できるよう、各都道府県警察を指導していただきたい」旨の発言があり、官房長から、「御指摘を踏まえ対応してまいりたい」旨の説明があった。
（２）苦情の取扱いについて
櫻井委員より、「苦情対応は公的な任務であり、緊張感を持って対応する必要があることから、警察庁としては、各都道府県公安委員会の補佐体制に関心を払いつつ、苦情対応の実態について、今一度、把握しておく必要があると思う」旨の発言があり、官房長から、「苦情対応の実態把握の方法について検討してまいりたい」旨の説明があった。