定例委員会の開催状況
第１ 日 時 令和６年１月１１日（木）
午前１０時００分 ～ 午前１１時２０分
場 所 国家公安委員会室
第２ 出席者 松村委員長、横畠、宮崎、竹部、櫻井各委員
露木長官、緒方次長、楠官房長、檜垣生活安全局長、渡邊刑事局長、太刀川交通局長、迫田警備局長、河原サイバー警察局長、島﨑技術総括審議官
第３ 議 事
１ 議題事項
（１）「刑事訴訟法第百八十九条第一項および第百九十九条第二項の規定に基づく司法警察員等の指定に関する規則及び犯罪捜査規範の一部を改正する規則」の制定について
刑事局長から、「刑事訴訟法第百八十九条第一項および第百九十九条第二項の規定に基づく司法警察員等の指定に関する規則及び犯罪捜査規範の一部を改正する規則」の制定について説明があり、原案どおり決定した。
宮崎委員より、「被害者を守るという意味において大事なことなので、運用にあたっては、その趣旨が生かされるよう第一線での徹底をお願いしたい」旨の発言があり、刑事局長から、「法に則った運用がなされるよう指導してまいりたい」旨の説明があった。
（２）「金融商品取引法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係国家公安委員会規則の整理に関する規則案」について
「金融商品取引法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係国家公安委員会規則の整理に関する規則案」について説明があり、原案どおり決定した。
（３）犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案について
刑事局長から、犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案について説明があり、原案どおり決定した。
（４）「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」に対する意見の募集について
交通局長から、「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した。
（５）国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。
２ 報告事項
刑事局長から、羽田空港における航空機事故に係る捜査状況について報告があった。
櫻井委員より、「警察が行う捜査と運輸安全委員会が行う事故調査が競合した場合、どのように対応しているのか」旨の発言があり、刑事局長から、「警察の捜査と運輸安全委員会の事故調査が競合した場合は、どちらかに優先順位があるというわけではなく、個別に協議を行って調整している」旨、長官から、「運輸安全委員会は航空機事故調査における高度な専門性を有しているため、そのデータ解析等の結果を鑑定嘱託という形で警察が入手し、刑事上の証拠とするのが一般的である」旨の説明があった。
宮崎委員より、「乗員乗客全員が脱出できたのは日頃の訓練の賜であり、訓練の重要性を改めて自覚する必要がある。また、指揮命令系統が機能しない状況下での客室乗務員による個別の臨機応変な意思決定は参考になる。捜査には長期間を要することとなろうが、慎重に対応していただきたい」旨、横畠委員から、「高度の専門性を有し、また、システム化、自動化が進み、事故には複合的な原因が想定される分野における犯人を特定して処罰するための捜査と再発防止等のための調査との兼ね合いについては、かねてから議論があるところであり、本件においても、運輸安全委員会による事故等調査の制度が設けられた趣旨を踏まえる必要がある」旨の発言があった。
交通局長から、令和５年中の交通事故死者数について報告があった。
竹部委員より、「都道府県別の人口１０万人当たりの死者数で、東京都が極端に低い要因について伺いたい」旨の発言があり、交通局長から、「要因としては、母数となる人口が多いことや、他県と比して速度超過による事故件数が少ないということが考えられる」旨の説明があった。
宮崎委員より、「今後、自動運転やライドシェアなどの新たな施策を進めていく上で、地域ごとのデータの分析を反映した政策につながることを期待している」旨の発言があった。
警備局長から、「令和６年能登半島地震」に伴う警察活動等について報告があった。
櫻井委員より、「警察法第６０条の援助要求に基づく警察官の派遣に係る公安委員会間での派遣手続の状況と、現状における課題等があれば伺いたい」旨の発言があり、官房長から、「警察官の派遣については公安委員会に意思決定を仰いだ上で対応しており、大きな問題は生じていないと認識している。御指摘の課題等については、状況が一定程度落ち着いた段階で各県から聞き取りを行うなどしてまいりたい」旨の説明があった。
竹部委員より、「時間経過に伴い警察活動の範囲が広がり、それに応じた人員の調整等も必要になると思うが、現場で活動する警察官や被災した警察官のケアを含め、長期的に持続可能な体制の構築に留意願いたい」旨、宮崎委員より、「発災からの時間経過に伴い、直接的な生命の危険から、生活の確保、心身の安定へと課題が移っていくのでその時々に応じた対応が必要になると思う。震災に乗じた詐欺やフェイク情報の流布など新たな形態の犯罪にも対応できるような態勢が必要だと思う」旨、櫻井委員より、「今回の地震は、地理的条件や被災者に占める高齢者の割合が大きく、これまで経験してきた震災に係る施策の延長上では対応できない部分があり、復興のためには新たな考え方を導入せざるを得ないように考えるが、現在進行形で対応している中での経験を生かしていただきたい」旨、委員長より、「被災地での犯罪を防ぎ、被災者の安全・安心を守るために、警察官の活動の「見える化」を徹底していただきたい。災害関連死を防ぐためにはホテルや旅館等への二次避難を進める必要があるが、被災者の中には被災地である地元を離れることに不安を感じている方も多い。こうした方々が安心して避難できるよう、警戒活動に係る積極的な広報を行うなどして、被災者の安心感を醸成する施策を推進していただきたい」旨の発言があった。
３ その他
（１）非違事案について
宮崎委員より、「被災地に派遣されている警察官が素晴らしい活動をしてくれている一方、最近、非違事案が目立っており、築き上げた信頼が崩れることが残念でならないので、今一度気を引き締め、非違事案を減らしていただきたい」旨の発言があり、官房長から、「昨年中の非違事案の内容を分析するなどして非違事案防止対策を進めてまいりたい」旨の説明があった。