定例委員会の開催状況

第１　日　時　令和６年２月８日（木）

午前１０時００分 〜 午前１１時２０分

場　所　国家公安委員会室

第２　出席者　横畠、宮崎、竹部、野村、櫻井各委員

露木長官、楠次長、太刀川官房長、檜垣生活安全局長、渡邊刑事局長、早川交通局長、迫田警備局長、島�ｱ技術総括審議官

佐野審議官（サイバー警察局担当）

飯利政策立案総括審議官、片倉首席監察官

第３ 議　事

１　議題事項

（１）人事案件について

官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

（２）銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案について

　　　生活安全局長から、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案について説明があり、原案どおり決定した。

（３）国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

　　　

２　報告事項

（１）国会の状況について

　　　官房長から、国会の状況について報告があった。

（２）令和５年の犯罪情勢について

　　　政策立案総括審議官から、令和５年の犯罪情勢について報告があった。

　　　野村委員より、「インターネットバンキングに係る不正送金が大幅に増加しているが、その背景について伺いたい」旨、櫻井委員より、「一つのサイトを閲覧しているつもりで、実際には同時に複数のサイトと紐付いている状態がサイバー空間で創出され、意図しない形で個人情報が収集されているという指摘があるが、警察の対応について伺いたい。また、特殊詐欺連合捜査班の活動や警察庁の問題意識について伺いたい」旨の発言があり、審議官（サイバー警察局担当）から、「手口が巧妙なフィッシングサイトへの誘導が、インターネットバンキングの不正送金の増加の一因とみている。金融庁と連携しながら全国銀行協会などに働きかけて対策を進めてまいる所存であるが、更に幅広に検討してまいりたい」旨、刑事局長から、「特殊詐欺連合捜査班は全国警察が連携したスキームであり、今春から本格的に始動させるべく準備を進めており、警察庁は、都道府県警察の準備状況を確認しているところである。警視庁をはじめとする大都市圏の警察では専従体制の準備が整いつつあり、中小規模の県警察においても相応の体制構築を進めており、始動からフル稼働できるよう指導してまいりたい。」旨の発言があった。

　　　宮崎委員より、「犯罪の単なる数の増減ではなく、質的な変化がよくわかる分析となっているが、さらに一歩踏み込み、急激に増加した、あるいは減少していたが増加に転じたといった原因を分析すると、その対策が見えてくると思う。今後、特殊詐欺連合捜査班の発足による犯罪の質的変化等を様々な角度から分析していただきたい」旨、竹部委員より、「凶悪犯罪が減少する一方、サイバー事案や特殊詐欺を通じた財産犯の増加がネットニュース等で報道されることによって体感治安に影響を及ぼしているのではないかという分析は大変興味深い。世界経済の最新フロンティアのメガトレンドの一つとして生成ＡＩが挙げられるが、特にディープフェイクやハルシネーションが今後どのような形で犯罪に関わってくるのかといった研究も進めていただきたい」旨、横畠委員より、「被害を申告しやすい環境が整備されることにより、これまでは埋もれていた性犯罪やサイバー犯罪等の被害が表に出てくることで認知件数が増加することは、むしろ警察が対応する幅が広がっているという指標にもなる。犯罪の認知件数と治安そのものとは必ずしも一体ではないので、次回以降、こうした点も考慮したまとめ方を検討いただきたい。この点については、警察白書等でも、しっかりとした情勢分析を行っていただきたい」旨の発言があり、政策立案総括審議官から、「次回の犯罪情勢では、ポストコロナにおける人流の増加以外の新たな要因や、様々な取組による効果を踏まえた客観的な分析を検討してまいりたい。また、今後なされる各分野の年報等の報告においても、可能な限り様々な分析を検討してまいりたい」旨の発言があった。

（３）監察の取扱い事案について

　　　首席監察官から、神奈川県警察の警部補による住居侵入・窃盗未遂事案に関し、同県警察は、同警部補を免職処分とする予定である旨の報告があった。

　　　櫻井委員より、「家人が不在であることを把握した上での犯行であり、免職ということに異論はない」旨の発言があった。

（４）令和５年における通信傍受に関する国会への報告について

　　　刑事局長から、令和５年における通信傍受に関する国会への報告について報告があった。

　　　櫻井委員より、「通信に係る技術が進歩していることから、長期的なスパンで状況等を確認していくべきである」旨、横畠委員より、「携帯電話の通信傍受は有効に機能していると思うが、他の通信手段を含めて、通信傍受の実効性を確保する観点から課題を整理して検討を進めていただきたい」旨の発言があり、刑事局長から、「関係機関とも連携しながら取り組んでまいりたい」旨の説明があった。

　　　　

３　その他

（１）被留置者の処遇における医療機関との連携について

宮崎委員より、「警察官は投薬や診察について判断できる立場ではないので、医療機関との連携が重要である。警察署単位での連携が困難であれば、警察本部が関与し、必ず医師の判断が介在するよう調整すべきであるが、こうした取組に係る現状について伺いたい」旨、横畠委員より、「医師の診察が必要であれば、直ちに診察を受けられる仕組みの構築をお願いする」旨の発言があり、官房長から、「医療を必要とする被留置者への対応については、緊急の場合に直ちに救急搬送を要請することを含め、昨年１２月１日の官房長通達で全国に指示している。また、留置担当官の全国会議を開催する予定であり、基本原則が末端まで浸透するよう指導してまいりたい」旨の説明があった。